「銀座で割烹」なんて聞くと、それだけでめちゃくちゃお値段が高そうな響きがありますよね。そもそも銀座で本格的な和食を食べるお店なんて、敷居が高そうなイメージ。
ですが、夜は高級割烹なのにもかかわらず、ランチ(水・木限定)では絶品の本まぐろ丼が1,000円で食べられるお店があると聞いて、早速行って参りました。
これが銀座割烹の本気「本鮪ばくだん丼」だ!
こちらが本鮪ばくだん丼。
白飯の上には、厚みのあるまぐろと半熟卵。程よい脂の乗った中とろや赤身は一目見るだけで品質の良さを物語ります。
毎朝築地に出向き、京都や長崎、メキシコなど様々な産地から、その時期に一番状態の良いまぐろを仕入れるのだとか。
まずは醤油やわさびを付けず、まぐろ本来の味を楽しみます!
ずっしりとした厚みがあるのにもかかわらず柔らかい・・・。舌に適度に絡みながらとろけていく食感に感動です!
まぐろだけでも、抜群に美味しいですが、お好みで醤油やわさびをたっぷり乗せても◎
わさびがこんなにたっぷり乗っているのにまぐろの濃厚な脂のおかげで辛みは感じず、むしろわさびの芳醇な香りのみを楽しむことができますよ。
中央にある半熟卵を割るのも丼の楽しみの一つ。
十分に美味しいまぐろでしたが、とろけた黄身をまぐろとからめると、さらに味に深みを引き出します。
半熟卵、恐るべし!
ご飯は酢飯ではなく、白飯です。料理長の大野さんによると、酢飯よりも白飯を好むお客様も多く、純粋にまぐろの味を楽しむには白飯の方が味を引き出せるからなのだとか。
「本鮪ばくだん丼」のセットの全貌がこちら!
付いてくる水菜とえのきのおひたしは、すっきり透明感ある味わいで、まぐろの濃厚な味わいと交互に食べることで、お口の中をリフレッシュしてくれます。
漬物は自家製。ぬか漬けの味がしっかりと口の中にしみわたり、漬物だけでご飯が進んでしまいますね。
そして忘れてはならない、なめこの赤だし汁。
さすがは銀座の高級割烹とため息が出てしまうほど丁寧な出汁の味わいを感じさせてくれます。お代わりしたくなること必至です。
銀座のど真ん中でこの内容で1,000円(税込み1,080円)とは・・・驚きを隠せません!
割烹本気のすき焼き膳も1,500円だと…!?
「本鮪ばくだん丼」もいいけれど、この季節、温かい料理も楽しみたいという方は、すき焼き膳はいかがでしょう。
蓋を載せたまま運ばれてくる土鍋。焼き上げた土鍋で運ばれてくるので、最後まで熱いまま食べられますね。熱々なので土鍋に触って火傷してしまわないよう注意です。
開けた瞬間、ドーンと国産和牛が圧倒的な存在感を放ちます!
産地にこだわるよりも、日々、厳選した国産和牛の肩ロースをを仕入れることを第一にしているのだとか。
食べる前から、期待せずにはいられません。
そして、すき焼きと言えば、生卵。この卵が味に重層感をもたらしてくれるから不思議です。
牛肉にからめて、からめて・・・肉から滴る卵が堪りません!もう言葉は不要です。
全神経を舌に集中させましょう。この時ばかりはどんなお客さんも無言になるのではないでしょうか。
お肉だけでなく、豆腐、えのき、水菜、長ネギだって大事なパートナー。野菜の彩りが食欲を増加させてくれます。
そして、お野菜。特にえのきは、汁の味がしみわたり、楽しむのはお肉だけではないと強く感じました。
すき焼き膳は1,500円(税込み1,620円)。場所は銀座、夜は高級割烹料理のお店で、このお値段で食べられるなら、大満足すぎる内容です!
「大野」ってどこ?
有楽町駅と新橋駅の中間辺りに、銀座大野はあります。通りに面しているのではなく、袋小路に入った先にあります。正直、わかりにくい場所です。でも、そのわかりにくい道のりを歩きながら、これから食べる料理をイメージしていただくという、お店の戦略だそうです。
たまたま通りかかったという人ではなく、目的を持った人に食べていただきたい。そしてそれだけのものを用意する、銀座大野のこだわりがそこにあります。
のれんをくぐると電球色の暖かい空間が迎えてくれます。
店内は1階がカウンター9席、2階が個室とテーブル席合わせて16席あります。
決して広くはありませんが、清潔感があり、落ち着いた空間がこれから食べる料理の楽しみをいやが上にも引き出してくれます。
オーナーがかつてフランスでの修行時代に知り合ったのが、銀座大野の料理長である大野敏彦さん。
2人はいつか一緒にお店をやろうと誓い合った仲。その夢が、ここ銀座大野で実現したのです。
ワインは約200種類あり、アルザス、ブルゴーニュ、ロワール、ボルドー、コート デュ ローヌ、ラングドック ルーション、プロヴァンス、日本と産地別に細かく選ぶことができ、焼酎、日本酒、ウィスキーも多数用意。日本食とお酒を存分に楽しむことができます。
「割烹料理、興味はあるけれどお値段も高そうだし、敷居も高そう・・・」という方は、まずはランチに来てみてはいかがでしょうか。料理長大野さんはとても気さくな方で料理にまつわることなど親切に教えてくださいます。
ランチで味と雰囲気を楽しんで、次は夜の割烹料理を楽しんでみても良いですね!
※ランチ営業は水、木曜日のみとなります。11:30~14:00(13:30ラストオーダー)
紹介したお店
銀座大野
TEL:03-3571-4120
住所:東京都中央区銀座7-2-20
名前 小西隆博
ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー
「フォトグラファー・ビデオグラファー。写真、映像、文章を通して、心に元気を届ける作品作りを目指してます。」
(編集:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー)