こんにちは、ARuFaです。
突然ですが成人のみなさん、『飲み会』はしていますか?
久しぶりに会った友人や、会社の付き合い、取引先との会食などなど……日本ではとにかく多くの飲み会が開かれていますよね。
僕もよく仕事終わりに会社の先輩たちと居酒屋に行くことが多いのですが、そんな僕は最近、飲み会についてこんなことを心配しています。
「飽きない?」
そう、お気付きでしょうか。飲み会の内容といえば誰に決められた訳でもないのに「酒・メシ・会話」の三拍子のみ……。
これでは回数を重ねるうちにマンネリ化する可能性がありますし、そもそもお酒が苦手な人には飲み会が苦痛なものになってしまうでしょう。
…となると、今後の飲み会に必要なのは『新しいエンタメ性』ということになってくる訳ですが、そこで今回はこんなご提案をさせていただきたく思います。
飲み会に『催眠術師』を呼んでみませんか?
お酒を飲むと気分がフワフワと良くなりますが、そこにさらに催眠の力が加わったら、未知なる体験ができる気がするんですよね。
何より、飲み会に催眠術師が同席すること自体がなかなかないので、純粋にどうなってしまうのかが非常に興味深いです。
というわけで、飲み会の新たなカタチを見つけるべく、早速検証を開始してみたいと思います。
検証場所と今回の参加者紹介
さあ、そんなわけでやって来たのは、都内某所のこちらのバー。
今回はここで『催眠術飲み会』を開くわけですが、何が起こるかわからないという点を考慮して、お店を貸し切っての検証となります。
そして、今回ご協力いただける催眠術師の先生がこちら。
川上剛史 先生です。
川上剛史
財団法人 日本催眠術協会 理事
「SMAP×SMAP」や「世界の果てまでイッテQ!」などTVにも多数出演。数々の芸能人に催眠をかけ、話題となっている催眠術師の大御所。
僕もTVで何度も拝見しているくらい有名な方なので、まさかこんな企画に参加してくれるとは思いませんでした。
せっかくなので、催眠術について前々からずっと気になっていたことを聞いてみたいと思います。
「あの……催眠術って、かけ終わった後は手を『パンッ!』って叩いて催眠を解くじゃないですか」
「そうですね」
「前から気になってたんですけど、催眠をかけたまま解かずにダッシュで逃げたら、その人は一生催眠にかかりっぱなしなんですか?」
「あぁ~、かかりっぱなしの事もありますね」
「じゃあ『サルになる』という催眠をかけてその場から逃げたら、サルの走り方で追いかけてくるということですね」
「まあ、そうでしょうね」
「…ただ、前に『サルになる』催眠をかけた人は、その場で大暴れしちゃって、周りの物とかを破壊し始めて大変だったんですよ」
「やっべ」
今回の検証が、無事に終わることを願うばかりです。
……そして今回、川上先生に催眠術をかけられるのが、こちらの三人になります。
会社の先輩である、加藤、シモダ、かんちです。社内で一番暇そうな三人を連れてきました。
ちなみに僕自身は催眠を受けず、「観測者」として現場を実況する予定なので、誰かが暴れだしたら酒瓶で頭を殴った後に羽交い絞めにし、そして酒瓶で頭を殴って止める予定です。
まずは、参加者を催眠状態にする
さて、『催眠術飲み会』を始めるにあたって、まずは参加者を一人ずつ催眠状態にする必要があるらしく、全員が壁を背にして並ばされました。
……そしてこの状態から、川上さんの催眠術が開始されます。
「では、私をよ~く見てくださいね……それでは、今話している私が手の平を触れた瞬間、全身の力が一瞬にして無くなってしまいます」
「緊張しますね……」
「ハイッ!」
ぶっ倒れた。
そして、シモダと加藤も、川上さんの手により……
ぶっ倒れてしまいました。
大の大人が、揃いもそろって床にバッタリと倒れ込んでいます。
先程まで活気づいていたバーは静寂に包まれ、聞こえるのは寝息のような深い呼吸音だけです。
……そして、川上さんが続けます。
「はい、今話している私が、5つ数えて手を叩くと、身体に力が戻ってきて、起き上がれます。 1…2…3…4…5……パンッ!」
そして川上さんが手を叩くと、ノソノソと起き始める三人。
川上さんが言うには、これでもう三人とも催眠状態に入っているとのことです。
「……何これ、すごい変な感覚!」
「なんかチカチカする……」
「身体おっも……」
「よく見てください。さっきと顔つきが違くないですか?」
「確かに全員とろ~んとした表情をしていますね。シモダさんだけベーシストみたいになってますけど」
※催眠術により、ベーシストみたいになったシモダ
「…これでもう催眠状態に入ってるんですか?」
「そうですね、その証拠をお見せしましょう」
そう言うと、今度は壁に向かって三人を立たせる川上さん。
なんと、「壁に吸いついて離れなくなる催眠」を施すとのことです。そんなことできるの?
「…では、私が指でおでこに触ると、あなたの身体は、壁に吸い寄せられて離れなくなってしまいます」
「え~?」
「さすがにそれは……」
「ハイッ!」
「めっちゃ面白い」
「そうでしょう?」
その後、催眠を解いた後も、何故か壁から離れなくなるかんち。
「3人の中でも、かんちさんは特に催眠がかかりやすいみたいですね」
「ちなみに、他にもデモンストレーション的な催眠術ってないんですか?」
「それだと『目を開けられなくなる催眠』とかがありますね。やってみましょうか」
「あ、僕やられたいです!」
そう言うと、「目が開けられなくなる催眠」を加藤にかける川上さん
「はい、どんどんまぶたが重くなっていきますよ~」
「……あれっ! 本当に重くなってきてる!ヤバい!」
「抵抗しろ! 負けるな!!」
「どんどんまぶたが重くなりますよ~」
「ダメだ! ヤバいヤバいヤバい!!」
「顔がすごいことになってる」
「どれだけ抵抗しても、勝手にまぶたが閉じてしまいますよ~」
「あ゛~~~~~~~!!!」
……必死の抵抗も虚しく、強制的にまぶたを閉じられ、すごい顔になる加藤。
正直、催眠術については少し疑っていた部分があったのですが、こんな無防備な顔が演技でできるとは思えないので、もはやその存在を信じざるを得ません。
さあ、それでは、催眠術の凄さが十分わかったところで、いよいよ『催眠術飲み会』を始めたいと思います。
いよいよ催眠術飲み会スタート
さあ、それでは全員が催眠状態に入ったところで、早速『催眠術飲み会』をスタートしてみましょう。
まず最初にかけてもらう催眠は、物の見た目を変えるこちらの催眠術です。
「唐揚げが毒爆弾に見える催眠」
飲み会のテーブルに現れると、一瞬で食べ尽くされてしまうほど人気な唐揚げ……。
しかし、『唐揚げが毒爆弾に見える催眠』を自分以外にかけてもらえば、全員が唐揚げを怖がり、僕だけが唐揚げを独占できるのではないか、という算段です。
ちなみに毒爆弾というのは毒の爆弾です。
というわけで、早速かんちから催眠をかけられます。
「それでは、私が合図をして顔から手を放すと、唐揚げが毒爆弾になっています……」
「そんなことってある……?」
「ハイッ!!」
「………」
唐揚げを見て、明らかに表情が変わるかんち
「あっ……やっば……」
「何に見えているんですか?」
「毒爆弾にレモンが添えられてます」
「最高かよ」
そして、唐揚げを近付けられ、叫び声を上げながら本気で嫌がるかんち……
メンバーの中で一番の大食いにも関わらず、唐揚げに対して「爆発する!!」と声を荒げていました。
催眠にかかってない人からすると、メチャクチャな光景なので面白くて仕方ありません。
……しかし、ひとたび催眠にかかると、女の子みたいな声を出して唐揚げを避けるシモダ。
加藤に関しては催眠が変にかかってしまったのか、何故か唐揚げよりも割り箸を怖がっていました。何なんだよ。
とはいえ、おかげで僕は唐揚げを独占することができたのですが、他の人には唐揚げが毒爆弾に見えているため、食べるたびに「よせーーー!!」と悲鳴が上がりました。
飲み会で唐揚げをたくさん食べたい人は、次から催眠術師を呼ぶといいでしょう。
次は味覚を変化させる催眠術
さあ次は、味覚を変化させるこんな催眠術をしてもらいましょう。
「ロシアンわさび寿司が全部セーフになる催眠」
バラエティ番組ではお馴染みの「ロシアンわさび寿司」。
通常は、わさびが大量に入った寿司が1つだけ紛れ込んでいるものですが、今回は全ての寿司にわさび入っているので、全部アウトです。
……しかし、たとえ全てがアウトのわさび寿司でも、催眠術で辛さを感じなくすれば、全てセーフになるのではないでしょうか。
そうすれば、ツラい思いをする人がいなくなり、飲み会も盛り上がるはずですよね。
ちなみに、事前に催眠術無しの状態でわさび寿司を食べてみたところ、涙がほとばしるほど辛かったので演技などで誤魔化すことは到底不可能です。
……それでは早速、わさびが辛くなくなる催眠術をかけてもらいましょう。
「こうして私が手をかざすと、わさびの味が消えてしまいます……わさびの味がどんどんなくなっていきますよ~……ハイッ!」
「これで本当に消えたの?」
「……じゃあまず、かんちさんから食べてみてくださいよ」
「え~……じゃあこれ(イカ)にしよ……」
パクッ……
「どうですか?」
「………」
SAFE
「やった~~!! 全然辛くない!!」
「事実を捻じ曲げた……」
「……俺も大丈夫だ!」
そして、シモダもわさび寿司を食べるも、余裕のセーフ。
「フルーティーな味になってる……」と、何ならもう一つ食べていました。
「あっ!! う゛っわーーーーーッ!!!」
加藤はというと催眠術のかかりが浅かったのか、もがき苦しみ始めたのでアウトかと思いきや、
すかさず、川上さんにほっぺをトントンされると……
「あ、セーフになった」
まさかの追い催眠術で途中からセーフにされていました。未だかつて何かの現象が途中からセーフなることがあったでしょうか。
効き具合の個人差こそあれど、「ロシアンわさび寿司を全てセーフにする催眠術」は成功するみたいなので、接待などでお得意様にロシアンわさび寿司をする時には、是非ご活用ください。
……ちなみにこの後、催眠術のかかりやすさを見込まれ、かんちがわさびチューブを丸ごと飲むことになりました。
「さすがに無理じゃない?」というかんちの声は無視され、川上さんは催眠術をかけ始めます。
「いいですか? 私がアナタのおでこに触れると、わさびがまるでクリームのように甘くなってしまいますよ」
「はい……」
「さすがにチューブ一本はキツいんじゃない?」
「ハイッ!!」
※催眠術にかかっていない人はマネしないでください。
「は~い、どんどん甘くなっていきますよ~」
「あがが……」
「うわ~……」
「かんちさん、どうですか?」
「いや、甘くなってる……全然平気だわ」
「すごっ!!!」
「……じゃあ、この状態で催眠を解いてみましょう」
「は?」
「パンッ!!」
「あああああああああああああ」
催眠の解けたかんちの断末魔が、店内に響きます。
「すみませんでした。催眠術をかけなおしますね。ハイッ!!」
「ふぁ~……やっぱり甘~い……」
他人事なので大ウケでした。
味を変える催眠術は「味覚支配」というらしく、これさえあれば好き嫌いもなくなるんだとか。
飲み会で苦手な食べ物が出ると、なかなか言い出せなくて気まずい雰囲気になりますが、催眠術師が同席していればそんな心配も無用ですね。
もはや何でもできるんじゃないか?
さて、催眠術のスゴさを体感した我々ですが、ここまで来ると「催眠術さえあれば何でもできちゃうのでは…?」という気になってきます。
川上さんに聞いたところ、「何でもできちゃいますね」とのことだったので、次はちょっとメチャクチャな催眠術をかけてもらいたいと思います。
こちらです。
「『緑のたぬき』が母親からの手紙に見えてしまう催眠術」
もはや飲み会でも何でもありませんが、緑のたぬきを見ながら感動している人がいたら面白い気がしませんか?
正直、これは完全に僕がその光景を見たいだけなのですが、会社の先輩に付き合ってもらいましょう。
というわけで、例によって「催眠術にかかりやすい」と言われているかんちから術をかけられます。
とはいえ、催眠術をもってしても、緑のたぬき=母からの手紙というのはさすがに難しいんじゃ……?
「どうぞお読みください。お母様からの手紙ですよ……」
「はい……」
「………スープを麺の上にあけ……熱湯を注ぐ……」
「3分後………よくかきまぜる………ぅ゛……」
「……や゛けどに゛注意ッ!!」
最高すぎでした。
大泣きしているかんちが言うには、「やけどの気遣いをしてくれる優しさが本当に嬉しかった」とのこと。今度実家に帰った際にお礼を言うそうです。
最終的には全員が催眠術をかけられ、緑のたぬきを見ながらしんみりするという異様な飲み会になってしまいました。
……それでは、変に湿っぽくなってしまったところで、最後はみんなに大喜びしてもらえるような催眠をかけてもらいましょう。
最後はこちら!
「今日が自分の誕生日だと思い込む催眠」
飲み会の最中に、突然バースデーケーキが出てくる演出って絶対に盛り上がりますよね。
ならば、その場に誕生日の人がいなくても、全員に「今日が自分の誕生日だと思い込む催眠」を施せば、1つのバースデーケーキで全員が大喜びしてくれるのではないでしょうか。
というわけで、バースデーケーキを用意するため、僕は一旦席を離れます。
「すみません、僕ちょっとお手洗いにいってきますね」
「は~い」
そして、僕が席を離れている間に、川上さんよる「今日が自分の誕生日だと思い込む催眠」を全員にかけてもらいます。
その後、タイミングを見計らってバースデーケーキを持った僕が登場するという流れです。
「ハッピーバースデー!! サプライズケーキでーす! ヒュー!」
……とはいえ、こんな時間感覚をも凌駕した、現実離れの催眠がかかるモノなのでしょうか。
「わぁ~~~!!」
かかってました。
全員が自分の誕生日祝いだと思っているので、1つのケーキに対して三人の大人が本気でニコニコしています。
とりあえず、最年長であるシモダの前にケーキを置いてみました。
「どうぞ!!」
「ありがと~!!」
「え? あれ? シモダさんも誕生日なんですか?」
「……そうだけど?」
「僕も誕生日なんですよ! 今日!」
「うっそ!? 加藤君も? 俺も誕生日だよ!?」
「えっ!?」
「何かすごーい!!!」
「見てらんねーな」
心は痛みますが、1つのケーキで全員を喜ばせられるなんて、非常にコスパがいいとは思いませんか?
誕生日会の幹事を任せられた時には催眠術師さえ呼べば、安心して浮いたケーキ代を着服できますね。
記念写真も一応撮りました。この中に誕生日の人はいません。
そして、催眠術飲み会終了
そして、川上さんにより催眠を解かれ、大盛り上がりの『催眠術飲み会』は終了。
床にぶっ倒れたり、わさびを飲んだりと、普段の飲み会だと滅多にできない体験ができたため、参加者はみんな大満足だったそうです。
※何故かノリで身体をカチコチにされ、頭と足だけで浮くシモダ
ちなみに、自分の上司が催眠術に踊らされている様子は、威厳・尊厳・社会的地位などのパラメーターが急降下した状態異常の状態なので、その時の動画などを撮影しておくと確実に弱味を握れます。
新入社員の方々は、是非とも上司の弱みを握って会社を乗っ取ってみては?
……はい、いかがでしたでしょうか。
以上が、これからの新しい飲み会の形、「催眠術飲み会」の僕からのご提案でした。
人間の思い込みの強さのスゴさを、改めて感じることができたかと思います。
それでは、室内かと思いきや、外から失礼しました。
さようなら。