当たり前だと思っていた食の知識。意外と間違っていることや知らなかったということがあるんです。
知っていると知らないとでは大違い。今回は、毎日の美容と健康のための食人生を今よりもっと得するため、そして料理をもっと楽しくするための、食材・調理のコツをご紹介します!
- ごまはすり潰さずそのまま食べるとほとんど栄養が吸収されない!?!
- 玉ねぎの切り方は繊維に沿ってではなく、繊維に逆らって切ることで体に良い成分が多く生成される
- 骨付き肉は酸と一緒に煮込むことでカルシウムの摂取が劇的に向上
ごまはすり潰さずそのまま食べるとほとんど栄養が吸収されない!?!
アンチエイジングに効果が期待されているビタミンEやセサミン、カルシウム、鉄分、たんぱく質、食物繊維など、栄養価の高さからサプリメントにも広く使われている「ごま」。
お浸しや炒め物に混ぜたり、ごはんにふりかけ代わりにかけたり……どんな料理にも手軽に合わせやすいのも人気の秘密。しかし調理する際にはそのままではなく「すりつぶしてから」使わないと、豊富な栄養はカラダに吸収されません……!
ごまの表面はとても固い殻で覆われています。そのまま食べると粒が小さいこともあり、かみ砕くことが出来ずほとんど飲み込んでしまいます。
調理の際にはすりこぎですったり、「ひねりごま」と言って親指と人差し指の間に挟んでキュキュッとねじる様に潰したりするのがオススメです。
すり潰すことで表皮付近に集中しているごまの栄養素が効率よくカラダに吸収されます。またすり潰すことで香りが良くなり食欲を刺激してくれます。
フライパンで1~2分煎ってから(弱火~中火)すり潰すと、糖やアミノ酸の成分変化で、香りがより一層よくなります。市販のいりごまを使ってもいいですが、生ごま(洗いごま)を自宅で煎るとそれはそれは素晴らしい香りに!
ひと手間ですが、料理が確実に美味しくなり、美容と健康にもプラスなら、惜しまず煎ったりすったりしようではありませんか。
玉ねぎの切り方は繊維に沿ってではなく、繊維に逆らって切ることで体に良い成分が多く生成される
玉ねぎに含まれる硫黄化合物(含硫化合物)は血液サラサラ効果が期待できるということはご存知の方も少なくはないはず。
この含硫化合物は、細胞を切断することによって新たな化合物がつくられます。
そのため繊維を断ち切るように直角に切ることで切断される細胞が多くなり、より多くの含硫化合物が生成されるのです。
そして繊維が破壊されることで硫化アリルと共に玉ねぎの水分も出てくるので、繊維に沿って切った玉ねぎに比べて口当たりがよく美味しくいただけます。
今ご紹介した硫化アリルこそが玉ねぎの調理で気になる目の痛みや涙、鼻水の原因です。
硫化アリルは玉ねぎやニンニク、ニラなどユリ科の野菜類に含まれる独特の香り成分で催涙作用があります。玉ねぎを切ることで玉ねぎの細胞が破壊され、気化した硫化アリルが空気中に漂うため目や鼻などの粘膜を刺激します。
<目や鼻の痛みを防ぐ方法>
・調理前に玉ねぎを冷蔵庫で15分~20分冷やす
→冷やすことで硫化アリルが気化しにくくなる
・切れ味が良い包丁で素早く切る
→細胞の破壊を最低限にとどめることが出来る
・換気扇を回す
→強制的にキッチンから硫化アリルを排出する
・マスクやメガネを着用する
→目や鼻への硫化アリルの接触を防ぐ
電子レンジで加熱してから切るという方法もありますが、こうすると玉ねぎの風味が若干落ちてしまうのであまりおススメめできません。
骨付き肉は酸と一緒に煮込むことでカルシウムの摂取が劇的に向上
スペアリブや手羽先、手羽元などの骨付き肉は酸(お酢やレモン汁)と一緒に煮込む調理がおススメ!
酸は疲労回復や食欲増進などの効果が有名ですが、実は他にも「カルシウム不足を補う」「お肉を柔らかくする」という役割もあるんです。お酢にはカルシウム溶出効果があるため、骨付き肉を酸と一緒に煮ることでカルシウムをより多く摂取することができます。またお酢の酸にはコラーゲン溶出効果もあるため、骨と肉をつないでいるコラーゲンが溶け出すことでお肉が骨から外れやすくなり、とても食べやすくなるんです。
米酢・穀物酢・バルサミコ酢・リンゴ酢などのフルーツ酢…お酢の種類も様々。お料理のテイストやご家族の好みに合わせて使い分けるといいですね。
それではお酢を使ったコクのある煮込み料理レシピをご紹介!
スペアリブのトマトバルサミコ煮込み
- 豚スペアリブ …5本(約400g)
- トマト缶 …1/2缶(200g)
- バルサミコ酢 …100ml
- 水 …100ml
- 玉ねぎ …1個
- スペアリブを熱湯でさっと下茹でしてざるに上げ、余分な脂を落としておく
- 玉ねぎは1㎝幅にスライスする。
- 鍋に全ての材料を入れて落し蓋をし、湧くまで強火で煮込む。
- 湧いてきたら中火~弱火にして20~30分煮込む。
お酢は加熱調理することで酸味が抑えられ旨味に変わります。コクのあるバルサミコ酢は洋風の煮込み料理にピッタリ。お酢の効果で短かい煮込み時間でもお肉が柔らかく仕上がります。手羽元や手羽先を使って和風テイストに仕上げたい時は穀物酢や米酢でさっぱりと仕上げるのがおススメです。
どうせ同じものを食べるなら、毎日の美容と健康のためにもより効率的に栄養をカラダに吸収させたいですよね!ちょっとしたコツ、ひと手間を大切にすることで料理はもっと楽しく、おうちごはんはもっと美味しくなります。明日からの調理に是非ご活用ください!
著者プロフィール
インナービューティー研究家・フードコーディネーター
國塩亜矢子(くにしおあやこ)
女子栄養大学認定・食生活指導士1級。
日本野菜ソムリエ協会認定・べジフルビューティーアドバイザー、調味料ジュニアマイスター。
「旬食美人学」主宰。広告企画営業職、人事・採用職などを経験し、結婚後は食の世界へ転身。現在は「働く女性・頑張るママの元気とキレイを応援したい」「正しく楽しく食べてキレイ&健康に」 という想いのもと、「インナービューティー」を軸とした自宅での少人数制レッスン、メディアでのコラム執筆・レシピ開発等の仕事を通じ、「食×美」についてのエッセンスを伝えている。 また、フードコーディネーターとして雑誌・販促物などの制作にも携わる。 出産後は1児の母として、離乳食レシピはもちろん 妊活・マタニティ・授乳ママレシピの開発にも積極的に取り組み、女性のライフステージごとに関わる「食」の大切さを幅広く発信中。
★著書「決定版!節約・冷凍レシピ」(宝島社)
★ブログ:「旬食美人学~Let's enjoy meals & beauty !~」
★HP:「旬食美人学」
http://syunsyokubijingaku.jimdo.com/
(編集・メニュー監修:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー)