世知辛い人情紙風船な味気ない人生を送っているとせめてランチくらいは美味しいものを食べたいという気持ちになるのが人間の常ではないだろうか。だって人間だもの。とはいえいざ美味しいランチ!といってもなかなか見つかるものでもない。しかし、僕の場合は、常日頃の行いがいいからだろうね、インパクトのある看板のお店を選んでおけばだいたい間違いがないようである。
今回ご紹介するお店も外回り営業の最中に見かけた「貝汁」という看板につられたわけだが、結果的に大成功であった。
▲「インパクトある看板」
海鮮のお店というとお刺身や丼といった生ものをイメージする人が多いけれども、今日のお店は金目鯛の煮付けが美味しいと評判であった。店内はカウンター席とお座敷があるが欧米の生活習慣に体が馴染んでいる僕は迷わずカウンター席を選んだ。
海どーん。海のそばにあるという触れ込みのお店は海水浴場や海岸があったりするものだがこちらは道を挟んだら海岸ではなく即ガチな海。鳥羽一郎さんの「兄弟船」が似合うお店なのである。常日頃の行いがよろしいからだろうね、訪れた日の海は最近にないくらいに大荒れでございました。
あいまいなまま人生をやり過ごしてきた「スペシャル/ウルトラ/スーパー」の序列を僕に教えてくれたメニュー。
スペシャルな感じのメニューを確認後にお目当ての金目鯛定食と大好きなイカ刺しをオーダー。イカ刺しどーん。
安いコンデジでは伝えられない透明感とプリプリ感。新鮮なイカ刺しを荒れ狂う海を見ながら男らしく食す。気分はジョージ山本。サイコーでしかない。
続いて「金目鯛の煮付け定食」どーん。もうね金目鯛が立派。それに尽きる。それと貝汁の汁椀のデカさね。金目鯛の煮付けは型くずれしないギリギリの柔らかさで仕上がっていて、甘い煮汁も絶妙でメチャクチャご飯が進む。
最近プライベートで料理に凝っているのだけど煮物って本当に難しいのだ。味がキマりすぎても味が入らなくてもうまくいかない。そのあたりをこの金目の煮付は 楽々クリアしていて食べやすくそれでいて癖になる絶妙な味に仕上がっていて、ゴハンが進みすぎて足りなくなるくらいであった。
煮魚っていうとちょっと抵抗あるかもだけどその抵抗の原因と思われる食べにくさはまったくない。柔らかくすぐほぐせる。実に美味しく食べられる金目鯛の煮付けでございました。また、看板にもあった貝汁は普通よりもふたまわりは大きな汁椀に盛られていて、食べごたえ十分。
丸々一匹の金目鯛の煮付けを海水浴場ではないガチな海を見ながら食べる、たまにはそんなランチもよろしいのではないだろうか。
なお、前回、前々回に引き続きカメラマン兼助手である妻の姿がないことにお気づきの方もおられると思いますが、生活のすれ違いや取材経費の削減といういわばビジネス的な理由での欠席であるのであまり気にしないでいただきたい。最近思い知らされたのだけど人生って荒れ狂う海のようなものなんだね。ではまた。
店の前はガチな海。海水浴場なんてものは男の海には存在しないのだ!
今回のお店
書いちゃった人
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング、更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/
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