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Channel: ぐるなび みんなのごはん
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四半世紀以上も愛される洋食の味にほっこり。福岡・港「ドンキホー亭」のハンバーグは大盛りライスと一緒に楽しみたくなる味だ

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洋食の王様”として、老若男女に愛されるハンバーグ。日本に入ってきた起源は諸説ありますが、西洋料理を日本人のコックそれぞれが日本人の好みに合わせようと創意工夫を重ねたことで、“庶民の味”へと進化していきました。

 

今回は、そんな洋食の原点を重んじ、愛情満点の多彩な手作りハンバーグで客を魅了する、福岡の老舗をご紹介しましょう。 

 

“てごねハンバーグの元祖”と称される洋食の大衆食堂

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やってきたのは、福岡市民のオアシス・大濠公園の北側に位置する、というエリア。福岡の台所・長浜鮮魚市場が近くにある場所柄、このエリアの飲食店は大小問わず実力店がひしめくグルメ激戦区のひとつです。

 

今回ご紹介する「洋食とハンバーグ ドンキホー亭」も、その一角に店を構えます。

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黄色の看板と赤のテントが目印となる、昔ながらの大衆洋食店。1993年の開業当初から、当時の日本ではおそらくなかったであろう、“てごね”をうたうハンバーグが自慢で、地元では“ハンバーグのおいしい店”として幅広い世代に長く愛されています。

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テーブル席とカウンター席を配置する、白を基調とした店内。2018年12月の改装により、以前よりもさらにゆったりとしたスペースとなりました。全面ガラス張りの窓からは太陽の光が降り注ぎ、開放感は抜群。チャイルドシートが備えてあるので、子ども連れの方も安心して利用できます。

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入口近くの棚には、マンガの本がいっぱい並んでいました。オーナーシェフの話によると、客がマンガを店に置いていったことがきっかけだったのだそう。ジャンルもバラエティに富んでいるので、1人客の心強い味方になりそうです。 

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この店を奥さまと二人三脚で切り盛りする、オーナーシェフの中島清隆さん。

 

もともとは和食の料理人だったのですが、基本の具材に味や香りを重ねることでより複雑な味わいを生み出す洋食のほうが、自分のスタイルにあっていると転向。ハンバーグ発祥の地である、ドイツ・ハンブルグの雰囲気に近い港町で自分の店を出そうと探し回ってこの地にたどり着き、洋食の大衆食堂を開業しました。 

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メニューは、洋食の基本である“ご飯に合う”をモットーに、パテからソースまですべて中島さんが手作りをしています。

 

写真のミートチョッパーで作るパテは、肉の部位それぞれの持ち味を生かすため、部位ごとに調整してミンチに。タマネギは、甘みとうまみ、食感を最大限に引き出すため、しっかり炒めたものと生のものの両方を使用しています。

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表面はカリッと、中は柔らかい食感にするため、最初の数十秒で火入れをし、その後は予熱とオーブンで調理するところも、「ドンキホー亭」ならではの特徴です。現在でも改良を重ねているというオリジナルのソースは、重くならないよう作られています。

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開業以来、常連客の好みや要望に応えようと、ミンチの挽く回数を変えたり、使用するスパイスを変化させたりしていった結果、パテは現在、和牛・豚・鶏、そして、ハンバーグの起源とされる“中世のレシピ”を再現した4種を用意。

 

それらを複数のソースで使い分けたり、盛り付けをアレンジしたりすることで、ハンバーグのメニューは約30種にまで増えていきました。

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店頭の看板に書いてあった人気メニューをチェックしていたこともあり、今回は1位の「元祖てごねハンバーグ」と3位の「伝説のハンバーグ」が一度に楽しめるという「ダブルハンバーグ」(1,170円・税別※2019年4月より改定予定)をチョイス。

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全ハンバーグのメニューにライスとスープが付くのですが、ライスは量が変えられるというので、200円(税別)をプラスして「ライスまんが日本昔話し盛(3倍)」を注文してみました。

  

長年愛されるハンバーグの味を大盛りライスで堪能!

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ホールでサービスをするオーナーの奥さまの「お待たせしました!」という朗らかな声とともに、「ドンキホー亭」の人気ハンバーグ2種と大盛りのライスがテーブルに運ばれてきました。写真の左が「元祖てごねハンバーグ」、右が「伝説のハンバーグ」になります。

 

ちなみに、スープはハンバーグより先に到着済み。少し体を温めてからメイン料理を食べるという洋食の正しいスタイルを、サービスでもしっかりと取り入れています。

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それではまず、「元祖てごねハンバーグ」からいただきましょう!

 

味付けは、トマトの酸味を前面に出した軽めのデミグラスソース。ご飯に合うようにと、中島さんが試行錯誤を重ねて作り上げた“ドンキホー亭の味”ともいえるソースとなっており、ハヤシライスのベースにも使われています。

 

パテは、箸で簡単に切れるほどふっくらとやわらか。肉やタマネギのうまみ、タマネギから出る甘みをしっかりと感じることができます。 

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続いて、「伝説のハンバーグ」をいただきます!

 

パテは、ハンバーグの起源といわれる、中世のタタール人が使用していたスパイスの配合をベースにして、日本人好みのテイストにアレンジ。メニューが完成した当初はもっと肉肉しさがあったそうなのですが、時が経つにつれ、子どもにも食べやすいものへと変えていったそうです。

 

「てごねハンバーグ」と同様にサラサラ系のソースは、タマネギ・ニンジン・ダイコンをベースに、香辛料を加えた野菜のピューレ使用。その上からホワイトソースをかけてアーティスティックなビジュアルのハンバーグに仕上げています。 

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どちらのハンバーグも、パテが半分浸るぐらいまでソースがたっぷりとかけられているところもポイント。濃いめの味付けなので、ご飯がどんどん進みます。 

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付け合わせの野菜も、素材そのものの甘みをたっぷりと感じることができます。ソースとも好相性ですし、華やかな彩りもハンバーグを引き立てていてイイですね。

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ソースを最後の一滴まで堪能するなら、“ライス大盛り”がオススメ。私がネーミングにひかれて注文した「ライスまんが日本昔話し盛(3倍)」は、その言葉どおり、卓上の塩の高さぐらいまでこんもりとご飯が盛り付けられていましたが、おいしいソースにからませて食べると、意外にペロリと完食できました。 

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ハンバーグ以外のメニューも豊富です。グリルに、ステーキ、カツレツ、唐揚げ、カレー、オムライス、ドリア、パスタと、“洋食の大衆食堂”にふさわしい、多彩なメニューがラインナップ。お子様ランチやトルコライスもありました。

 

これらのメニューも、常連客の要望に応えているうちに増えていったそう。品書きを数えてみると、約80ほどありましたこれらを1人で調理をするなんて、中島さんは本当にスゴイ!

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プロの料理人として、食材選びから調理まで、大切な家族や友人、恩人に食べてもらう気持ちで、毎日1皿1皿に臨んでいます」と、胸を張る中島さん。

 

料理人になりたてのころ、師匠から教わったこの言葉を今でも大切にしているからこそ、中島さんの料理はいつ訪れても温かみがあり、それが客のリピートにつながっているのだと感じました。

 

2019年4月にはメニューを刷新。今後も要望に応じて、新メニュー作りに取り組んでいくそうです。訪れるたびに多彩な洋食を堪能できる福岡の名物店へ、皆さんもぜひ一度、足を運んでみてくださいね。 

 

紹介したお店

r.gnavi.co.jp

営業時間:11:30~15:00、17:30~21:00

定休日:水曜

 

書いた人

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ニシダタケシ

福岡九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。

流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。

憧れの人は出身校の大先輩・タモリさん。グルメレポではたま~にデカ盛りにも挑戦しますよ!


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