こんにちは! 大食いグルメライターの猫田です。
「綾瀬にすっごいラーメンがある」という都市伝説を聞いたことはありませんか?
「一度食べると3日と空けず行きたくなる」
「もはやラーメンの域を超えた料理」
「食後すべての気力を失うほどの破壊力」
「ラーメンも濃いけど店主はもっと濃い」
そんな噂を聞きつけて居ても立ってもいられず、さっそく会社休んで出かけましたよ。
綾瀬駅から徒歩2分のところにあるらーめんしょっぷ中吉
その名も「らーめんしょっぷ中吉」。あれ?と思った方のために、最初に断っておきますが、某「ラーメンショップ」とは無関係です。 ちなみに「中吉」は「ちゅうきち」と読みます。なかよし、とか、なかきちなどではありません。
表を見てもラーメン屋とは思えなません。
「冷たいビーフ」「アメリカンバーベキュー」「牛すじカレー」などの文言が並び、もはや何屋なのか分かりません。
入ると、店主が鋭い眼力ビームを飛ばしてきます。「来るんじゃなかった・・・」と怖気づいてしまいますが、大丈夫。話してみると大変ハートフルな店主です。
店内にもメニューが雑多に貼られています。
店に入ってもラーメン屋だとすぐに気付かない店って、あまりないのではないでしょうか。肉屋か居酒屋のような品書きですね。
券売機にも実に多様な品書きが並んでいます。組み合わせが煩雑すぎてパニクりますね。後ろに並ばれたら間違いなくプレッシャーで不本意なボタンを押してしまいそうです。
食べるべきメニューは迷わず「牛すじぶっかけ」
しかしここで食べるべきは牛すじぶっかけです!
聞くと、一日240食ほど出るうち、200食が牛すじぶっかけラーメンだそうです。迷うなど愚かでした。初訪問者はまずこれを頼むべきです。
大盛り無料!
何と嬉しい言葉でしょう。下手な愛の囁きより私は好きです。
コレが牛すじぶっかけだ!
なんと美しいビジュアルでしょう!「牛すじぶっかけ」(880円)は麺が見えないほど埋め尽くした牛すじ、トッピングの生卵(+50円)。牛すじも大きく、ふるふると柔らかく、ものっすごく味が染み込んでいます。
どうやら麺は「ぶっかけ」と、ぶっかけない「ラーメン」、ぶっかけでも「温かい麺」「冷たい麺」が選べるようですが、いろいろ考えるのも面倒なので、とりあえず「温かいぶっかけ」を頼むと無難でしょう。
スープは科学実験並みの緻密な計算のもとに作られている
スープは鶏ガラやゲンコツの他に、鯖、鰹、煮干し、しいたけ、昆布など実に多様な出汁を合わせ、それぞれの成分がもたらす味の科学変化を計算し尽くして完成させた自信作。鯖や鰹はリノシン酸、昆布はグルタミン酸、シイタケはグアニル酸で、その相乗効果でどのような味わいになるか。鶏や豚を合わせていかに丸みを出すか・・・聞いているだけで眠たくなってきました・・・がしかし!
とにかくタレが絶品です。牛すじのベースは醤油ですが、その醤油も全国のあらゆる醸造元から取り寄せて、吟味しまくったあげくに千葉県の醤油を使用。他にもみりんなど極秘の調味料を加えて甘めに仕上げています。
店主が徹底研究した 「日本人が好きな味」
なんでこんなに旨いのか?と考えてみたところ、このラーメン、「日本人が好きな味」をとことん極めているんですね。店主曰く「すき焼きみたいなもんさ」。なるほど、出汁もきいていて甘さも醤油味もバランスよく、牛肉の和牛香も楽しめるラーメン。確かにラーメンを超越している料理です。
途中で卵をかき混ぜると・・・ますますすき焼き然としてきますね。少し味が濃いので、卵と混ぜると程よくマイルドになります。間違いなくご飯にかけるべきでしょう。「ご飯と合いそうですねえ」とさりげなくねだってみましたが、おそらく炊飯中だったようで、スルーされてしまいました。
野菜も旨いのです。ここには「付け合わせ」なんて概念はありません。お客の口に入るもの全てに全身全霊を注いでいます。なので、モヤシとキャベツもしっかり味付けしてあり、これだけでもモリモリ食べてしまうほど美味です。
店主は眼光鋭い上に口調が厳しいので、ちょっと怒っているように聞こえてしまいます。そんな店主に私が投げかけた失礼な言葉の数々・・・申し訳ありませんでした。
「ひょっとして行列ができる日もあるんですか?」
「失礼だな!毎日行列だよ」
夜だけの営業で、席もカウンターとテーブル計18席だけなので、そりゃあ並びます。すいませんでした。綾瀬をナメていました。
「牛肉はどこの国のですか」
「全部国産に決まってんだろ!」
すいませんこれだけ肉をゴロゴロのせているので、てっきり外国産かと疑ってしまいましたら、オール国産の高品質な牛肉でした。毎日25~30kgというすごい量の牛ハラミ肉を圧力鍋で6時間ほど煮込んでいますが、全部使い切るそうです。
「えっ!麺も自家製なんですか」
「出来合いかと思ったのかよ!」
あまりにも完成度が高く、ぎっちりコシがあるので、麺屋の特注か何かかと思いました。しかし!なんと自家製で、水をギリギリまで加えた多加水麺だそうです。時間が経っても伸びません。大食いのくせにノロノロ食べる私ですが、全く麺が伸びていないのにはびっくりしました。
別の看板メニュー、バーベキューポークも肉の襲撃!
ここのもう一つの名物が「ホエー豚のアメリカンバーベキューポークぶっかけ」(900円)でしょう。ラーメンにのせちゃうの!?と驚きますが、こちらはケチャップ風味でまた違ったアメリカンなテイスト。ザ・ジャンキーな味わいがたまりません。
これも圧力鍋で6時間煮込んで、赤身部分までトロットロに仕上げます。脂身が甘いのもホエー豚ならではです。この厚さ、泣けるほど幸せ感じます。
まだまだ出てくるオススメメニュー!聞くだけで旨い「牛タン味噌」
さらにおすすめが「牛たん特製味噌煮込みぶっかけ」(950円)。ラーメンの上に牛タン味噌煮込みがのっているという、食べる前から旨いであろう一杯です。
この味噌にももちろんこだわり、全国の味噌の中から選び抜いた新潟の赤だし味噌など数種をブレンド、塩分濃度を測ってそれに合う甘さをつけるためさとうきびを調合。まさに科学実験のような手順で編み出されたこのタレは、10年かかって編み出した傑作だそうです。
よくぞまあこんなに大きな牛タンをゴロゴロと!と呆れてしまうほどてんこ盛りにされています。
いうまでもなく白髪葱もしっかりピリ辛く味付けてあり、これだけでもビールが進みそうです。
しかしなぜこんなに奇抜なメニューばかりなのか・・・?
店主のポリシーは「他には絶対ないラーメンを作る!」。もともと和洋中なんでもいける料理人だったので、アレンジを加えることはお手の物。その時の経験を駆使し、これまで実にさまざまなラーメンを繰り出してきました。そうして期間限定で出す変わりラーメンのうち最も人気だったのが牛すじぶっかけだったとか。過去のメニュー遍歴を見ると、「牛すじ柳川風らーめん」「牛ホルモン焼きらーめん」」など結構ぶっ飛んでます。
突然のマヨネーズ攻撃
店主のラーメン愛に浸っていると、突如「丼かして!」と奪われ、しこたまマヨネーズがぶっかかった牛すじぶっかけが目の前に置かれました。ぎえ~。実はこれ人気のトッピング(+100円)だそうで、騙されたと思って食べてみるとイケるのだそう。
ホントか~?と内心警戒しながら食べてみたところ、実に合う!こってりしたタレにマヨが調和し、クリーミーで酸味なんかまったく感じません。実際こんなに合うと思っていなかったので、瞳孔が開くほど夢中になってかっ喰らってしまいました。
さらに気を抜いていたらチーズの海に!
もっとオススメのトッピングがあるんだよ、と店主がニヤッとしたかと思うと、次は丼がチーズの海になっていました。うぎゃ~!これもツウに人気のトッピング(+200円)で、溶けるチーズがこれでもかとのせられます。チーズフォンデュか!これは合わないだろう!と逃げ腰になりながらチーズと牛すじを絡めて食べてみたところ・・・
とってもミルキーな味わい!飲むチーズといったところでしょうか。確かに牛乳からできたチーズと牛肉が合わないわけはないのです。はっきり言ってもの凄いクドいですが、これぞ求めていたクドさです!
200円は惜しくありません。MAXこってりを求めるなら絶対にチーズトッピングを試すべきです。
「無理して食べるぐらいなら残して欲しい」
大盛りは結構な量があります。また想像以上にこってりしているのでギブアップしたくなる人もいると思います。そんな時、店主は「無理して食べるのを見るくらいなら残して欲しい」と言います。確かに無理やり口に詰め込んでも食べ物は成仏しませんからね。もちろん、食べきれる量を注文するのが前提ですので、最初に自分の胃と相談してください。
言い忘れていましたが全てのラーメンに割りスープが無料で付きますので、ギブアップする前に薄めてみてください。絶対飲み干せますから!
この日は3種のラーメンに挑戦したので、さすがの私でもギブアップ。しかし、残したくない!これほど「お腹はちきれてもいいから完食したい」と思ったラーメンはないでしょう。麺も伸びないので、いつまでも美味しいのです。店主が「無理して食べなくてもいいよ」と諭してくれますが、手が箸を離さないのです。ああ、今思い出しても持って帰ればよかったと思うほどです。
まさかの宴会メニューがスゴい!
驚くことに3,750円で飲み放題付きの宴会ができるそうです。その料理がまた「水餃子」「海鮮おこげあんかけ」「エビチリ」「ベーコンのハワイアン風」などなど、本気の和洋中料理がこれでもかというほど出てくるそうです。3日前に宴会で利用した人がまた宴会の予約を入れるなどヘビーユーザーも多く、ラーメン以外にも中毒性があるこの店の何かがそうさせるのでしょう。
3日後ぐらいに中毒症状が出た
正直、食べ終わった後はあまりのパンチ力に脱力し、「もう当分いいかな・・・」と思って帰ったのに、2~3日するとまた食べたくなってきた自分がいる!ヤバい!しかもチーズで攻めたい!あのとろとろコテコテをもう一度味わいたい!
紹介したお店
らーめんしょっぷ 中吉
TEL:03-5616-6721
プロフィール
猫田しげる
デカ盛りと食べ放題を求めて津々浦々。おいしいものもおいしくないものも大好きです。