まいど憶良(おくら)です。
京都、中京区は丸太町にやって来ました。
目的のお店はチャーミングチャーハン。
中華料理屋さんです。
メニューはかなりリーズナブルですが、最大の特徴と言われているのが店名の通り、チャーミングなチャーハン。
なんとこのお店ではすべてのメニューに+250円でチャーハンを付ける事が出来るんです。
問題:では、焼飯にもチャーハンを付ける事は可能なのか・・・!?
メニューを見てみると、確かにすべてのメニューに赤字でチャーハン付きの値段を書いています。
気になる飯類コーナーを見てみると・・・、ありました!
焼飯450円。
そして+250円、つまり700円で、チャーハン付き焼飯・・・?
こっ、これは試さないといけません。
まさかそれで終了と言うわけにも行きませんので、他のメニューも頼むこととします。
中華風スパイシーからあげですって。
人気メニューでもあり、これも魅力的。
どれも美味しそうなので迷ってしまいます。
答え:それではここで、先ほどの問題の正解です。焼飯にチャーハンをつけてもらうと、こうなります。
そして、
スープが付きますので、こういう状態となります。
この、焼飯にチャーハンがつけられるというシステムが話題となって、チャーハン付き焼飯を頼む人も多いのです。
ちなみに「チャーハン」と「焼飯」は全く同一の物です。
単品名「焼飯」。 追加されるのはチャーハンと、単なる言いやすさ、区別の仕方だけの問題だとか。
なぜそこまでチャーハンにこだわるのか・・・?
店長さんにお聞きしました。
憶良 :店の名前もチャーミングチャーハン。
全てのメニューにチャーハンを付けられる。
そしてすべての定食は白飯を100円でチャーハンに変更可能と、店内はチャーハンで満たされている状態ですが、店長さんはチャーハンのどういう魅力に取り憑かれたのでしょうか?
という質問に対して、さぞ熱いチャーハン愛と、チャーハンの魅力について熱く熱く語る店長さんの姿を想像していた私ですが、その想像をはるかに超えた意外な答えが返ってきました。
店長さん :いや、チャーハンに対する、そういう特別な思い入れはありません。
憶良 :おおっ!なんてこったぁ。
店長さん :もともとの店が同志社大学の近くにあったということで、お腹一杯食べてもらおうという事と、安く、おいしいチャーハンが食べられたらいいかなと考えたのがチャーハン追加システムの始まりです。
そして、どうせなら全部のメニューにもチャーハンを付けられるようにしたらいいかなぁと。それが店の移転後も受け継がれているという事です。
憶良 :では焼飯にも付けられる、というのはどういう事でしょう。
店長さん :まぁ、付けたいというなら、焼飯に付けてもいいのかなと、ちょっとしたユーモアだったと思います。
そこが、なんだか受けちゃったようですね。
厨房に潜入してみた!


特製のレモンソースをかけ、
カタクリでとろみを付けていきます。
手早く煽って、敷かれたサラダの上に盛り付けられました。
二品目は麻婆豆腐。豆板醤(とうばんじゃん)に続いて、味付けしたミンチに、隣の寸胴から鶏ガラスープを入れて、
味のベースが作られていきます。甜面醤(てんめんじゃん)、朝鮮唐辛子、砂糖、ニンニク、生姜、豆鼓(とうち)などが鍋の中で融合し、豆腐を迎え入れました。
追加で自家製甜面醤がはいり、カタクリでとろみが付けられます。
自家製ラー油を回しかけると
完成です。器に入った後、追いラー油が入りました。
そのチャーハンはお茶目でチャーミングだった
そして、魅惑のチャーハン。
ちょっと珍しいと思ったのが、調理前にお玉を加熱していたこと。
チャーハンのチャーミングポイントその一。
油はラードとサラダ油をブレンドした特製油。
まずはたまごを入れます。
その上に人数分。今回は2人前で、お玉2杯分が鍋に投入されます。
チャーハンのチャーミングポイントその二。
チャーハンの具には、チャーシューが入っていません。代わりに脂を落とした豚ミンチが入っています。
これにより、油っぽくなく、あっさりとしたチャーハンに仕上がっていきます。
チャーハンのチャーミングポイントその三。
チャーハンをあおるときに、お酒が入ります。もちろんアルコール分は飛びますが、この一工夫、ひと手間で風味が変わります。
チャーハンのチャーミングポイントその 四。
「チャーハン専門店と思ってこられる方もいらっしゃるようですが、ウチが目指しているのは、高級なチャーハンじゃない、安くて美味しいチャーハンです」とのこと。と、店長さんも言うように、ここのチャーハンは基本がしっかりした、軽い仕上がりです。
実際常連さんでも一品料理プラスチャーハンとか、定食をチャーハンに変更して食べる人がほとんど。 毎日でも食べられる軽くてもたれないチャーハンだからこそ、焼飯プラスチャーハンを注文する人が後を絶たないのです。なるほど、秘密が見えてきました。
人気メニューをいざ実食
鶏レモンソースはあっさりと、爽やかな味わい。大衆中華屋さんではあまり見かけない鶏レモンソース。 自身美味しいものが好きで食べ歩きもするという店長さんは、和食、アジアン、イタリアンのお店で修行をした経験、技術を料理に注ぎます。
また、店を構えてからも「もっと美味しいものが作れるかも、まだ工夫が出来るかも」と、常に改善を重ね、進化する料理を追求する姿勢が この美味しさの素となっています。この特製レモンソースも、店長さん自慢の一品。爽やかでやさしい酸味が食欲を増してくれます。
次は麻婆豆腐を実食です。
この値段で、この旨さには脱帽ものです。今回頂いたのは辛さ普通バージョン。口に入って即、ピリリっと来るのは山椒。後でじわっと来るのは自家製ラー油。
辛い物好きな人は辛めの注文でも良さそうです。うん、美味しい美味しい。
いくらでも食べられそうです。私は辛さに強い方なので、今度食べる時は是非辛口にしたいです。
当たり前のことですが、料理人の作る中華は一味違います。特に豆鼓がいい仕事をしているなぁ、と思いました。チャーハンだけがクローズアップされがちなお店ですが、是非店長さんの、こだわりと愛情が詰まった料理を楽しんで欲しいと思います。
次は看板料理のチャーハンです。
見ただけでわかる、チャーハンのパラパラ具合。 勿論パラパラを意識するあまりパサパサ、なんてことはありません。しかも余計な、重たい脂分をカットする事で、パクパクと、どんどん食べられます。考えたら、いくらおいしいとしても、脂っこいチャーハンを二皿も一度に食べられませんよね。
テーブル上には、味変アイテムも用意されていましたので使ってみましょう。
ひとつは紅ショウガ。アクセントとなり、口をさっぱりさせてくれるのはご存知の通り。
そしてもう一つの味変アイテムが、こちら。
自家製食べるラー油。
これがメチャ旨い。
実はこれ、自家製ラー油を作った時の副産物。
カシューナッツやリンゴ、ドライフルーツなどが入っている、試行錯誤を繰り返して作られたラー油を作った残り、その物なんです。
食べるラー油にするために味を加えて整えたという事すらないというのが信じられないほど美味しい。
思わず、これ、売ってないんですかと聞いてしまいました。
あっさりめに仕上がっているチャーハンにプラスする事で美味しさもぐんっとアップします。
特にチャーハンへの異常な愛情はないと言うものの、やっぱりこだわりの詰まったチャーハンと、これまたこだわりのメニューが食べられる中華のお店でした。
憶良 :最後に、この記事を読んでらっしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。
店長さん :フカひれチャーハンとか、カニチャーハンとかいう高級で美味しいチャーハンを想像して来られても困ってしまいますが、安くて美味しいチャーハンを食べたいという事でしたら是非お越しください。
今回ご紹介したお店
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は高速道路を使わずに名古屋から鳥取あたりの温泉に行って浸かり、道中や行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込むと例え深夜に帰ったとしても料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に悪いことを考える人はいない。」という持論を持っている。
ブログ: