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新幹線が万里の長城と始皇帝陵の中を激走する摩訶不思議インド料理屋「シッダババ」に行ってきた【フミコフミオの夫婦前菜第27回・無職編】

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年末に会社を辞めて早2ヵ月。妻や親族からの冷たい視線は日ごとに強まるばかりである。サラリーマン20年間にコツコツと積み上げた実績は無に帰したのだ。冷たい視線を飛ばしてくるのは、妻や親族にとどまらない。近隣に住む老人。散歩する夫婦。それに同伴する飼い犬。野良猫。梅の花。森羅万象のものが無職の僕を嘲笑っているようだ。当連載の編集担当氏まで【無職編】なる侮辱的なサブタイトルに変更するような冷血な振る舞いをしてくる。実に厳しい時期なのである。

まあ、もともと趣味嗜好がまったく異なる妻とは大小の衝突は日常茶飯事であったのだが、最近はお互いに譲れないものが大きくなりすぎて、さあランチに行こう、映画鑑賞をしようとしても、まとまらず、各々外出する事態が頻発している。数年前。映画館ロビーで意見が割れ、僕は「ゼロ・グラビティ」妻は「永遠のゼロ」をそれぞれ見たこともあった。以来、完全に意見が一致したことはゼロ。このゼロは永遠かもしれない。

そんな絶望的な状況のなかでも世の中は素晴らしいなあ!大きいなあ!と感嘆符をつけてしまうことがある。僕と妻の趣味嗜好を受け入れてくれるプレイスが見つかったときである。世界の半分を手中に入れたい僕。美味しいカレーを食べたい妻。そんな2人を温かく包み込んでくれたのが、湘南茅ヶ崎にあるワンダーなインド料理屋「シッダババ」である。

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お店に入っていきなり驚愕。店内の床ほぼ全面がガラス張りなのである。それから上履きに履き替えて上がったガラス張りの床はまさに世界の半分。そう、当該シッダババさんは、立派なインド料理屋なのに、店内の床全体を日本の鉄道模型が激走する巨大レイアウトのあるミステリアスなお店なのである。意味がわからない

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700系新幹線が店内を疾走するインド料理屋。ワンダー!

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日本風の街並みに突然あらわれる始皇帝陵のあれ。

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住宅街にひろがる万里の長城

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スケール感すごい。というかスケール感の統一がないのが素晴らしい。小さいことは気にするなという大いなる力を感じる。ちなみにNゲージとHOゲージも混在していたり、街並みも日本風だったり欧米風だったり・・・。それでいてインド・ネパール風の街並みが見当たらない。謎すぎる。

 

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眼下にレイアウトがあるインド料理屋は唯一無二なのではなかろうか。人がまるでゴミのようなのである。

 

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もちろん本場カレーも絶品。インド人と思しきスタッフの方がつくるカレーが常時数種類提供されているので、何人かで来店したら、別々のものをオーダーしてシェアして楽しむと良いのではないか。

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僕らはカレーが2種類ついてくるセットを頼んで、日替わりカレー、キーマエッグ、ベジタブル、バターチキンをセレクトしたけれど、どれもこれも違う辛さと味で美味しかった。僕が感動したのはナンの美味しさで、ほのかに甘さのある風味が辛口のカレーにぴったりだった。おすすめ。

「こういうレイアウトっていうの?ジオラマっていうの?憧れるなあ。男のロマンだよ」と思わず口に出したら、妻はにっこりと笑って、「ロマンだけで生活は出来ません。お金を一銭も稼がない無職の人に模型を買う権利などありません」とあたたかい言葉を投げかけてくださった。ありがたい。一応、とある会社さんから内定をいただいているのだけど、信頼回復までは少々かかりそうなのである。何はともあれ「シッダババ」のカレーと巨大レイアウト、マジおすすめ。

 

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▲完全にインド料理屋。タンドリーも美味しそうなのである。

 

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▲立派なインド料理屋なのだが、巨大鉄道レイアウトをアッピールしていないのがもったいないというか、謎でした。

 

今回のお店

r.gnavi.co.jp

 

書いてる元サラリーマン

フミコフミオ

海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の元会社員、現無職マンです。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!

ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/

ツイッター:https://twitter.com/Delete_All

 

フミコフミオさんの過去の記事はこちらから

r.gnavi.co.jp


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