南北600㎞と、実はとっても広くて縦に長い鹿児島県、いわゆる県本土と離島とでは気候も文化も食べ物もかなり違います。なかでも奄美大島は独特の文化で知られています。
そんな奄美の代表的な郷土料理である「鶏飯(けいはん)」を鹿児島市内でも気軽に食べられるのが「奄美の里」内にある「花ん華(はなんか)」です。
鶏飯は江戸時代に薩摩藩の役人をもてなすために作られるようになったともいわれ、ご飯に鶏の身をほぐしたもの、錦糸卵、シイタケ、パパイア漬けなどの具を乗せ、鶏ガラで取ったスープをかけて食べます。
↑産業道路側の入口
「奄美の里」と聞くと鹿児島県人には観光客が行く施設、という印象が強いかもしれませんが「花ん華」は40年以上の歴史を持つ店で、鶏飯のファンも多いのです。しかも2016年2月に奄美の郷土料理をアレンジしたものや、会席料理をいただける和食レストランとしてリニューアルオープンしています
↑レストランの建物もすっかりリニューアルされています
ということで私もリニューアルしてから初めてお邪魔してみました!
以前は建物の2階にありましたがリニューアルを機に1階に移転、2階はウエディングにも対応できる洋食のレストラン「IL MOLE」となりました(ちなみに1階にあったお好み焼き店はクローズしています)。店内も以前の南国風の雰囲気とはガラッと異なり、モダンで落ち着いた雰囲気のテーブル席や和室などが設けられています。
(以上2点写真提供:奄美の里)
お目当ての鶏飯はお昼の和楽膳1380円などでいただくことができます。今回は昼でも夜でもオーダーできる島じゅうり膳1580円でいただきます。
まず運ばれてくるのは食事する方すべてに出されるという豚みそで、社長の「母の味」を再現したという一品です。
↑豚みそ、一般的な豚みそより水分少なめ。お茶請けにもなります
続いて鉄製の鍋に入った鶏飯のスープ。
こちらのスープは、鹿児島県産の桜島鶏の鶏ガラを、ホロホロと崩れるほど5~6時間以上煮込んでとったものに醤油などで味を整え、やや濁った感じが特徴とか。
そしてご飯や鶏肉などの具、塩豚と根菜の煮物、奄美近海魚の唐揚げ、ジーマーミー(ピーナツ)豆腐、ドラゴンフルーツのわらび餅なども運ばれてきました。
↑ご飯に乗せる具材いろいろ~
↑塩豚と根菜の煮物。塩漬けした豚肉があっさりしています
↑奄美近海魚の唐揚げ
↑ほんのり甘いジーマーミー豆腐
↑ドラゴンフルールのわらび餅
鶏飯の良いところはスープ、ご飯、具が別々に出されるので、自分の好みの量や盛り方で食べられること。
ご飯に具を盛ったら熱々のスープをかけていただきましょう。
鶏のダシが良く出た優しい口当たりのスープは、スープだけで飲みたくなるほど味わい深いです。ちなみにこのスープは余分な脂分は取り除いてコラーゲンをたっぷりと含んだ部分だけを使用しているので、健康食としても美容食としても期待できるのだとか。
お話を伺ったスタッフの方も「疲れたときは鶏飯を食べると元気が出ます!」と自信をもっておススメされていました。
↑自社農園で育ったドラゴンフルーツを使っています。これが添加物なしの天然の色!
他にも鶏飯がメインの日替わりランチ、奄美近海魚の刺身と鶏飯の組み合わせや、鹿児島の郷土料理と鶏飯を組み合わせた膳もあります。また夜は油そうめんなどの奄美料理、奄美の味を和食の料理人がアレンジした料理や会席料理なども人気があるそうです。
鶏飯でお腹いっぱいになったあとは、約16000坪もある敷地内の散策もおすすめです。奄美大島の自然を再現した奄美風庭園や美しい日本庭園、本場大島紬の高級ブランド「都喜ヱ門」の織り工程や作品が見学できるゾーン、奄美だけでなく鹿児島県内のお土産品も買える売店などがあります。
特に大島紬に使う絹糸を使った組み紐体験は1000円とリーズナブル。1時間ほどでストラップなどにできる組み紐が作れるそうなので、あのアニメ映画の主人公になったつもりでチャレンジしてみては?
紹介したお店
奄美の里 健美和楽 花ん華
鹿児島市南栄1-8-1
☎099-267-1331
営業時間 11:30~14:00、17:30~21:00LO(土日祝日は11:30~21:00LO)
休み なし
駐車場 150台
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。