煮干しと自家製麺を堪能するならココだ
多様化するラーメン界のなかで、独自の進化をとげている「自家製麺伊藤」をご存知だろうか?
秋田県角館の「伊藤」をルーツとしていて、煮干しのダシがきいたスープと、自家製麺の細麺が特徴的なラーメン屋。シンプルイズベストな1杯があじわえる。
銀座店、王子店にいたっては、あの有名ガイドブックにも選出されている。
▲ラーメン鉢のなかに煮干しが浮かんでいる看板
今回は雷門からもほど近い「自家製麺伊藤浅草店」にうかがった。
店内は、カウンターのみで9席。
ラーメンメニューは中華そばと比内鶏そば、それに焼豚をのっけた肉ソバの4種類だ。サイドメニューにチャーシュー丼や水餃子もある。
最近のラーメン屋にしてはわりとシンプルなメニュー構成にみえるのだが、伊藤系のなかではこれでもバリエーションが豊かなほう。王子の「中華そば屋伊藤」にいたっては、そばと肉そばの2択である。
シンプルイズ・ベストの極み
▲肉ソバ中 850円
肉ソバの中を注文。
事前知識がなかったら、あまりにもシンプルなトッピングに驚いてしまうだろう。
肉ソバにしたことで、焼豚4枚が追加されているものの、基本トッピングはネギのみなのだ。
とにかく麺とスープを味わってほしい。そんな強い意志を感じる一杯だ。
一般的なラーメンと比べるとスープの量もすこし少ないように感じるが、ひと口すすればその理由も明確。煮干しダシがものすごく濃厚で、この量で充分すぎるほど存在感があるのだ。
「もっと飲みたい!」という方は、100円でスープ増しも可能だ。
写真では、なんてことない細麺にみえるだろうが、伊藤の自家製麺は噛みごたえが極めて独特。麺の断面をよく見てると長方形の形状をしていて、ごりっとした強い歯ごたえがあるのだ。
通常の細麺ならばツルツル飲みこんでいく感覚だろうが、こちらの麺はボリボリとかみ砕いていくイメージ。食べごたえがある。
このように、伊藤のラーメンは、シンプルに麺を喰らい、シンプルにスープをすする。そういうふうに作られているのだ。
主張の強すぎない焼豚で、ちょうどいい。
▲水餃子 200円
「もうちょっとお腹にいれられるな」という方は、プリップリの水餃子を頼むのもいいだろう。
▲王子のそば
こちらで伊藤の味が気にいったかたは王子にある「中華そば屋伊藤」に足を運んでみるのもいいだろう。
そばと肉そばの2つしかメニューがなく、店構えもよりストイック。スープもさらに「オラオラオラ!煮干し!煮干し!」というパンチ力の強いものが味わえるぞ。
取材したお店
作者:松澤茂信(まつざわしげのぶ)
東京別視点ガイド編集長。
るるぶとか東京ウォーカーが積極的に載せないようなとこばっかし巡ってます。
そういう人生です。けっこー楽しいです。
(編集:編集プロダクション studio woofoo byGMO)
東京別視点ガイド:http://www.another-tokyo.com/
Twitter:https://twitter.com/matsuzawa_s