こんにちは!食と料理の研究家、野菜ソムリエのキムラマサアキです。
今回は新潟県三条市の「キネマカンテツ座」をご紹介します。
一言で言えば「ミニシアターカフェ」ということになるのでしょうか。小さな映画館の中で食べ飲みができます。
フードメニューには独特のこだわりがあって、サバ缶を使った「サバサラ」やライスを使った「カンテツコロッケ」など、ほかでは食べられないオリジナルなものを揃えています。
新潟県三条市の中央商店街、通称「大通り」内に、お店はあります。
カレー色(黄色)が目印。
店名に「キネマ」を冠にしているくらいなので、映画が常時流れています。
ふむふむ、本日のキネマラインナップはこちら…。(蛇足ですが、我が母校)
夜の帳が降り始め、さて何をオーダーしようか?
多くのメディアにも取り上げられた「カンテツコロッケ」と「サバサラ」が特に有名です。
何を隠そうこちらのお店は「サバサラ」発祥のお店でもあります。
「サバサラ」について知らない方がいらっしゃるといけないので、ちょっとご説明。
「サバサラ」とはサバ+サラダという意味。作り方は鯖水煮缶にマヨネーズを3、4回転かけ、その上に荒目に切った玉葱みじん切りを、こぼれる様に盛り、さらに刺身醤油(なければ醤油)と一味をふりかけた、とてもシンプルな料理です。
詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
サバサラ総本家 jam session people/酒場カンテツ
各メディアに取り上げられ一気に全国区になった逸品です。その「サバサラ」の総本山、聖地がこの「キネマカンテツ座」というわけです。
お店に入ると、独特の空気感が漂っています。小さいころお世話になってテーブルゲームやDJする機材、廃校(勝手に妄想)になったと思われる小学校の机。
タイムスリップしたような、カオスな空間です。
妙に懐かしく、昔のことを思い出しながら、まずは「サバサラ」と「カンテツコロッケ」をオーダー。
まずはルービーと本家本元「サバサラ」
あんまりにも立派な器(下皿)に鎮座してきたので、食べ方に戸惑い。思わず尋ねしまいました。「これってどうやって食べたらいいすかね?」とたずねると、「ぼろぼろ玉ねぎをさらにこぼしながら食ってください。」とのこと。
ちなみに「マルハ」の創業者は新潟県三条市の出身であります。お店の関本オーナーも、「マルハ」しかお出ししませんとキッパリ!
ビールにサバの脂気がやけに沁みて旨い。
続いて、お目当の「カンテツコロッケ」
コロッケの中に何やら怪しく光るツブツブが…。コロッケを包む紙の店のロゴスタンプが、また可愛らしい。
お米っ!
新潟といえば泣く子もだまる良質なお米の産地です。
写真で見るほどお米の粒状感はなく、口当たりよくバランスは良いです。ぜんぜん違和感がなく、実に旨い!相当レシピ、比率は考えられている印象。
「カンテツコロッケ」の誕生はオープン当初、ご飯メニューが思うように売れず、せっかく炊いたご飯は余る一方で困り果て、冷凍保存していたが、しまいに冷凍庫もいっぱいになり、そこから誕生したコロッケらしい。
もぐもぐ食べながらメニューを眺めていると、見ななれない「パセポン」の文字。
どんなお料理か?尋ねてみると、パセリのポン酢掛けだそうだ。「パセポン」に魅かれつつも、油を身体に油を注入したかったので「ハムカツ」オーダー。
あまり見かけないソース。
ハムカツには、びしゃびしゃになるくらいソースを掛けるのが個人的にお好み。
ハムカツのソースといい、この昭和チックな匂いがするコースターといい、感心するほど独特のチョイス、センスです。
油もんばかり食べたので、一応バランサーの役目でバナナジュース。まあほとんど気休めです。
オーナーの関本ひでじろう氏。この日は自転車で転んで骨折しているところを、僕が行くというので、わざわざ来てくださった。ありがとうございます。
独特の店の雰囲気とオーナーの個性が際立つ飲食店。いや、まさしく「酒場」という表現がぴったりのお店。オーナーは日本料理をずっとされていて、割烹仕込みの料理の腕を堪能できます。「なるほど!」と思う場面もしばしば。
美味しく、愉しく、リーズナブルで、こんなお店が近所だったらヤバイ、毎日通ってしまうかも…。
この記事がリリースされる頃は、きっとまた海外にコロッケを売り行っていると思います。アジアを中心にコロッケも販売しにいくバイタリティと、何か怪しく可愛らしいセンスに舌を巻きます。ぜひ頑張っていただきたい!応援しています。
今回紹介したお店
キネマカンテツ座
新潟県三条市本町2丁目13−3
電話:0256-55-4504
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http://kantetsuza.com/
書いた人
キムラマサアキ
新潟県で初めての野菜ソムリエ。食・料理・食育の講 演を多数開催、多くのメディアに出演、出稿。農商工連携6次産業プランナーとして活動中。