12月である。早いものでいろいろあった2020年も終わりである。
私事になるけれども、年末に向けて忙しい毎日を送っている。ぼくは食品会社に勤めているのだが、家庭用おせち事業を任されていた同僚が上層部からの圧によって体調を崩したため、急遽、ぼくが「おせち事業部長代理」をやらされることになった。
お恥ずかしい話だが、昨年のおせち事業の実績は芳しいものではなかった。だから、同僚が倒れたときも、「おせち事業をやらされたら負け」という空気が充満していた。僕は担当事業部ではないので、家庭用食材事業経験のある者が任されるものだと高みの見物をしていた。ところが!僕をよく思っていない一部上層部によって、おせち事業を任されてしまった。未経験の仕事であっても負わされるのがノルマというもの。上層部に対するムカつきと、慣れない業務かつノルマも従来の仕事に加算されて、たまる一方のストレス。
僕が営業という仕事を選んだのは、外回りと称して外出時や出張先で、土地土地の美味しいゴハンが食べられる、のも理由の一つだったりする。ところが昨今の新型コロナ感染拡大により、外回りや出張は激減。それにともなって美味しいゴハンも激減するありさまで、魂が壊れかけのレディオ状態になっている。そのうえ、健診に向け、小太りで動きがノロマになったカラダをダイエットしていたストレスも加算されて、魂がカゴの中の鳥状態になっている。はやく魂を救済しなければ心が死ぬ。
「ノルマとコロナとノロマによるストレスを体内から消滅させるには、美味しいゴハンをたらふく食べるしかない!」と決意したとき、心の中に浮上してきたお店が今回ご紹介する「とと丸食堂」さんである。昨年の秋にオープンした、なんと日本初!漁港の駅「TOTOCO小田原」の中にある海鮮食堂である。
▲トレンディな外観の「TOTOCO小田原」日本初の漁港の駅だ!
営業で小田原へ行った際に立ち寄ろうと思っているうちに、コロナな世の中になり、営業に出かける機会がなくなってしまった。だが2020年師走、コロナとノルマとノロマを打破するために、行かなければならない。という心の声にしたがって行ってまいりました(しっかり感染対策しながら)。
▲世界一魅力的なピラミッド
「とと丸食堂」さんは、小田原のJR早川駅から徒歩圏内の「TOTOCO小田原」の2階にある。1階に魅惑的な直売ショップ、3階に自分で自由に組み合わせる海鮮丼屋さんがあって、心惹かれるが、次の楽しみに残しておく。
▲味わい深い眺め
2階のフードコートの外にはテラス席がある。相模湾と小田原漁港が一望できる滋味あふれる光景は幅広い年齢層、特に中高年の熱い支持を得られるのではないだろうか。ヤング向けには巨大あじのひらきというインスタ映えポイントもある。
▲巨大アジのひらきモニュメント ハッシュタグでインスタ対応もバッチリだ。
圧倒的かつ個性あふれるメニューから、迷うことなくおすすめの「とと丸頂上丼」をチョイス。券売機で食券を購入して、周りのお客さんが食べている刺身定食に浮気をしていると番号が呼ばれた。
▲よく見るとすさまじく魅力的なメニューが隠れているぞ!
▲「とと丸頂上丼」イクラが場外乱闘しがち。
どーん。これが「とと丸頂上丼」である。海鮮丼ではなく頂上丼。その名のとおり頂を目指すがごとき圧倒的高度を誇っている丼である。見せかけだけの丼ではなかった。山岳状の形態のほとんどを占めているのはマグロやアジ、サーモン、タコといった海鮮ネタであった。
▲刺身醤油のボトルで圧倒的高度をお伝えいたします。
難点はただひとつ。崩壊する…。海鮮山崩壊のおそれがあるため、ガツガツと食べ進められないことである。淑女のように小皿に取り分けて食べ進めていく。ボリューム満点である。
▲序盤はかきこめないので小皿利用がおすすめ
醤油とゴマダレで味変をしながら食べていく。僕のような中高年でも食べやすいサイズにカットしてあるのもとても良い。漁港飯をかかげているだけあって、ボリュームだけでなく、ネタもぷりぷりしていてとても美味しい。
▲中まで海鮮ネタがぎっしりで嬉しい。
▲5割ほど食べたの図
▲食べ方指南を見つける。
こんな食べ方を発見。濃厚魚介出汁。最強すぎる。そういえば食べているときは集中しているので、「ご飯とお刺身を少し残しておいて~」「ご飯とお刺身を少し残して~」というホールに響く女性の声にはアウトオブ耳だったのだけれども、このことだったのね。アナウンスに従って刺身とゴハンを残した器をいそいそとカウンターに持参して、出し汁を注ぐと、絶品濃厚魚介出汁茶漬けの出来上がり。
▲濃厚魚介出汁茶漬が爆誕!
これを、頂上丼で出来ずに心残りになっていた“すするように食べる”で流し込む。出汁マジ、海鮮のエキスが出まくりの優しい味で最高であった。こうして頂上丼と特濃魚介出汁茶漬のツープラトン攻撃によって、この年末に蓄積されたストレスは蒸発したのである。ありがとう頂上丼!
▲GOGO!蒲鉾キャッチャー 釣り上げるのはカマボコ。
帰りがけに設置したあった「かまぼこクレーンゲーム」に挑戦した。結果は…ご想像にお任せする。前回もクレーンゲームに挑戦した記憶が…。取材ではクレーンゲームで遊んでばかりの気が…。とにかく、頂点を目指したい、ストレスを解消したい人は、小田原に立ち寄った際は「とと丸頂上丼」を食べてみて!
紹介したお店
書いた人 フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング、更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?昨年本も出版しました。ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/
ツイッター:https://twitter.com/Delete_All