こんにちは。札幌に住んで2カ月の猫田しげるです。
札幌に住んで一番良かったと思うことは、「ジンギスカンとザンギが旨い」ということです。本音です。
ジンギスカンはガイドブックに載っていないマニアックな店が安くて旨い。詳しくは以下の記事を読んでください。
ザンギって唐揚げと一緒でしょ?と思う人も多いと思いますが(もはや北海道民がそう言っている)、東京から来た私にしてみると全くの別物ですよ!
何でしょうねえ。衣のカリカリ感も違うし、味の染み込み具合も比にならない。つまり唐揚げよりもザンギの方が美味しいです。
今や居酒屋で「唐揚げ」は頼まないのに「ザンギ」なら頼む、不本意な地元愛みたいなのが湧いています。
というわけで、そのザンギの名店にやってきましたよ。
札幌市民なら誰でも食べている、泣く子も黙る「中国料理布袋」。
昼夜問わず混んでいます。観光客も多いですが、地元のサラリーマンも大好きな店です。
昼過ぎでも満席。よく食べそうな若者が多いですね。1階と2階があります。
2階には個室もあり、自分の家のようなユルい空間。食べ終わったら寝ても良さそうw。
ザンギの店だと認識していましたが、店名の「中国料理」に違わず、ジャージャー麺とか中華丼とか普通の中華料理もいろいろあります。
マーボーラーメンにも心惹かれます。
でもここでまず頼むべきは「ザンギ定食」!AとBがありますが、しこたまザンギを食べたい人はザンギ7個の「ザンギ定食A」(920円)が良いでしょう。
「ザンギ定食B」(910円)はザンギ4個に小麻婆がつく、欲張りさん向けのセットです。
これがザンギ定食(A)だ!!
何かの冗談のようなザンギの山です。どんなに嫌なことがあった人もこれ見たら一気にハイテンションになるでしょう。リストラ、失恋、就活失敗した人は布袋に駆け込みましょう。
携帯の待ち受けにしたいほど素敵なビジュアルです。
この香ばしい色!カラッと揚がっていないわけがありません。
箸で持てる許容範囲を超えています。トングが欲しいです。
このサイズ感。女子のこぶしぐらいはあるでしょう。
早速食らいついてみます。
個室に響き渡るぐらいのボリュームで「カリッ!」と音が出ましたよ。みなさんに聞かせてあげたいぐらい。
んまあジューシーなこと。肉汁様が溢れ出てきました。
もも肉はふっくらぷりっぷりで、カリッぷりっジュワッの三重奏にしばし無心で食べ続けてしまいました。
おっとー、コレを忘れてはいけないよ!
この店の特徴は、タレ!この酸味のきいたネギ入りのタレがまた旨いのです。
もともと創業時はタレはなかったのですが、創業者の息子さんが考案。
実はユーリンチーのタレと一緒なのだそうです。
やっぱりオンザライス!
ご飯にのっけます。唐揚げとご飯を一緒に頬張るわけでもないのであまり意味はないのかもしれませんが、人はご飯がそこにあると何かをのっけたくなるものです。
ご飯も唐揚げがのってる方が気合いが入るんじゃないでしょうか。
ザンギのタレがまたご飯に合うこと!もはやタレだけをご飯にぶっかけていただきます。
他にも、味変の調味料が卓上に置かれています。
あ、飽きたわけじゃないですよ。飽きるわけないじゃないですか。あくまでも味のバリエを楽しもうと。
特に山椒はオススメです!タレとダブルで付けると香りが増してさらに箸が進みます。
油好きのオイラーですので、ラー油にも浸してさらにオイリーにします。
「しかしなんでこんなにカリッカリで中がプリップリなんすか」 と聞いたところ、まずは鶏もも肉を塩水処理した後、1日かけてドリップ(水分など)を抜き、次に醤油・酒・生姜など様々な材料を配合したタレに浸けて1日寝かせ、デンプンと小麦粉などを混ぜた衣を薄くつけた後、余計な粉をそぎ落とし・・・(略)
それを白絞油や菜種油の混合油で175〜180℃で一度揚げ、次に少し低温で2度揚げ、少し置いて余熱で火を通し、最後に180℃の高温で揚げて仕上げ・・・(略)
と、聞いていて眠くなるほど手間がかかる作業ですが、肉の間に余分な粉が入らないよう、しっかり味をしみ込ませ、冷めても柔らかさが持続するよう3度揚げしているのだそうです。
しかしこの布袋、何がすごいって味も秀逸ですが、店員さんの教育が非常に行き届いている!!
電話をするたびに「間違ってどっかのホテルにかけたのか」と不安になるぐらい、対応が完璧です。
アルバイトが電話に出ると「店長さんは今いなくてえ〜」となることも多いのですが、布袋にはいつ電話をしても、
「取材対応できる者がただいま不在ですので戻り次第折り返し致しましょうか」
とキビキビと返ってきます。
そんな教育ができる創業者の佐藤勲さんは素晴らしい人に違いない。
なんと佐藤さんは現役、72歳で店に立っています。
全く驕らず、気取らず、ひたむきに他のスタッフと一緒にお店を支え続けています。
(私)「布袋さんは多くのメディアに取り上げられていて有名ですが…」
(佐藤さん)「うちはどんな取材も断らないからいろんなメディアに出てるだけですよ!」
いやいやそんなあ。
そしてこのお店、札幌駅前のおしゃれビル「赤れんがテラス」に2号店を出したり、ザンギを挟んだ「ISAOサンド」を開発したりと、けっこうグイグイ攻めてるのですが、そういった新企画は全て息子の郁文さんや従業員に任せているのだそう。
ちなみに3号店となる「福禄寿」もあり、こちらでは寿司と中国料理という新たなコラボが楽しめます。
佐藤さん曰く「うちは何やってもOK。ちゃんと意図があってチャレンジするなら、何でも自由にやらせます。判断するのは私ではありません。結果はお客さんが出してくれるものだから。でも失敗したとしても責任は私が持ちますよ。GOを出したからにはね」。
現場にうるさく口を出す創業者も多い中、佐藤さんは従業員の意思や想いを尊重して、可能性を伸ばしてくれるんですね。しかもボスとして下を守る。
いいなー、ここで働けて!
と心底思いました。人間性も磨かれそうだし、何よりまかないでザンギが食べられる!
最後に、素敵なお知らせです。
8月9日、「布袋」の4店舗目が狸小路のメガドンキあたりにオープンするそうです。
どんなお店ですか?と聞くと、「いやー、オープンするのも最近知って。うまいことやってくれてるみたいですよ」とボスなのにばくっとした情報で、ますます期待が膨らみました。
楽しみですねえ。
紹介したお店
プロフィール
猫田しげる
デカ盛りと食べ放題を求めて津々浦々。おいしいものもおいしくないものも大好きです。
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