まいど憶良(おくら)です。
切りたて新鮮な焼肉丼がお安く食べられるお店があると聞き、神戸市は三宮にやって来ました。
センタープラザの案内所横のエスカレーターを下って右手に見えるのは長田本庄軒さん。
ここは以前レポートさせていただきましたが、この店を右手に見ながらさらに奥に進んだ先に今回ご紹介する肉のヤマキさんがあります。
ちなみに長田本庄軒さんのレポートはこちらから。
肉のヤマキさん最大の特徴と言えば店舗入り口にあるお肉のスライサー。
そしてその下に燦然と輝く、このお肉の山。
そうなんです。
ここはお肉の塊を目の前でスライスして、それを使って焼肉丼を作って食べさせてくれるお店なんです。
肉のヤマキという店は全国展開しているチェーン店なんですが、ここ三宮センター街店では関西で唯一牛すき焼き丼を食べることができるんです。
さて、まずは3種類のメニューのどれを選ぶか、そして並、上、特上などのランク、さらにグラム数を選びます。
今回は焼肉だれの焼肉丼と、牛すき焼き丼、そして肉すいを頼みました。
料理はライブだ! 目の前でスライスされるお肉!
店長さん :「このお肉を切っていきますね」
例えば食べ応えが欲しいから「ちょっと厚めに切って欲しい」とか、お年を召した方からは「歯が弱くなったので薄切りにして欲しい」なんていうリクエストがあがることもあるそうですが、そういう要望にも応えてもらえるんですって。
これはオーダーが通ってからお肉をスライスするというスタイルならではの対応ですね。
切ったお肉はすぐに計量器に乗せられて、
その場で何グラムかを見ることができます。
グラム数が微妙な時には、
店長さん :「ちょっとおまけしておきますね」
なんてことも。
いやぁ、それにしてもきれいなお肉です。
スライスしたら即、たれを揉みこんで焼く!
美味しいお店の特徴として調理中の表情に2パターンあるということは私の記事の中で何度かご紹介しています。
・わずかな食材の変化も見逃さないぞと真剣そのもの、ちょっと怖い表情で調理するパターン。
・調理が進んでいくと「うわぁ、美味しくなってきたぞぉ」と笑顔になるパターン。
だいたいこのパターンが多いようですが、
この店では真剣な顔と笑顔、どちらも見せてくれました。
切ったお肉はすぐにタレに揉みこまれてそのまま焼かれます。
先ずは素早く火を均一に入れるため、ガスの力で焼いていきます。
ほぼ焼けたら仕上げに備長炭の上にお肉を移動して、香りづけをしていきます。
脂が下に落ちて、
ぶわっ!
と火が上がった時に炭から香ばしさが立ち昇ってお肉に入るんです。
同時にタレの焦げる匂いが辺りにふわっと広がり、鼻を刺激します。
さて、いよいよ丼に肉を並べていきますよ。
席まで届くお肉の香りですでにテンションもあがっています。
と、来ました、待ってました。
こちらが一番人気の焼肉だれ上100g 790円(※税抜き。以下値段は全て税抜き表記)です。
肉100gではちょっと寂しいという人には、こちら、
焼肉だれ上150g990円、こちらは男性に人気のメニューです。
※(奥に見えるのは肉すい中サイズ280円、手前は無料のキムチ)
肉質は並がカナダ産バラ肉、上がアメリカ産バラ肉、特上がアメリカ産リブキャップ。
リブキャップはサーロインと肩ロースに挟まれた部分の中で、背肉の上のお肉です。
カブリとかリブカブリとも呼ばれている最高クラスのお肉なんですよ。
※(使用するお肉は変更になる場合があります)
今回頼んだのは上ですが、お味は…。
うんっ、美味しいっ!
柔らかすぎずも硬すぎもせず、しっかりご飯をくるんで食べられます。
焼肉を白ご飯にバウンドさせて食べるだけでも美味しいのに、最初から丼として美味しいように作られているんですから美味しくないわけがありません。
箸休めには絶品肉すいを
関東ではあまりなじみがないという方が多い肉すいですが、肉のヤマキでは関東の店舗でも出しています。
もし肉すいを知らなかったという人は是非お試しあれ。
肉すいとはなにかと言われますと、吉本新喜劇の故 花紀京さんが 肉うどんのうどん抜きを頼んだことが発祥といわれている、関西ではわりとポピュラーなメニュー。
近畿、中国、四国地方ではコンビニでも売られているんですよ。
イメージとしては肉入りのお吸い物といった感じです。
こちらの肉すいはよそのものに比べてちょっと酸味が目立つ気がしますが、この酸味はけっして尖った味でなくてまろやかな酸味なんです。
これがほどよい「ピッ! 」としたアクセントとなっていて、焼肉丼との相性もばっちり。
それだけでなくて後で出てくるすき焼き丼とも合うんです。
肉すいを挟むとまた一層丼が美味しくなりますので、絶対おすすめです!
キムチはなんと無料で食べ放題! 味変にも活躍。
次にプラスしたのはキムチ。
実は三宮センタープラザ店ではキムチが食べ放題なんです。
(※キムチ無料等のサービス内容は店舗によって異なります。また予告なく終了する場合もあります。)
これを肉の上に乗せて食べたり、
焼肉のたれや一味をかけたり、
好みによってマヨネーズをかける方もいらっしゃるようですが、
なんやかやしている内に、あっという間に完食してしまいました。
三宮センタープラザ店限定すき焼き丼!
切りたての肉にこだわる理由。
お肉というのは切った途端に酸化が始まります。
お肉を薄切りにするということはグラムあたりでいうとより空気に触れる面積が大きくなるということにほかなりません。
つまり最も酸化して劣化しやすいお肉がすき焼用のお肉といえるでしょう。
と、考えるとスライスしてすぐに調理されるヤマキのスタイルは理にかなっているといえると思います。
さて、すき焼きの作り方ですが、まずお肉に直接三温糖を振りかけて焼きます。
お肉を焼いてから次々と調味料を加えていくのが関西風のすき焼き。
そこに今度は割り下を加えて加熱していきます。
割り下を使って肉を煮込むのは関東風ですので、この作り方は関西風と関東風の融合といえるかも知れないですね。
店長さん :「そう、この割り下がメチャ旨なんですよ」
煮込んで味の染みたお豆腐と、
シイタケを加えて更に焼いていきます。
熱がむらなく伝わる南部鉄はすき焼きに適した調理器具なんです。
最後に紅ショウガと、
煮汁も加えて完成。
すき焼き丼並100g690円です。
甘辛のたれが白ご飯にもかかって、
これまた旨い。
とても690円とは思えない美味しさです。
肉のヤマキで焼肉丼は食べたことがあるよ、という方も、ぜひ神戸の三宮センタープラザ店ですき焼き丼を食べてみてください。
また新たな感動があると思います。
肉にこだわる、鮮度にこだわる焼肉丼屋さん。
憶良 :「こういうスタイルに行きついたというのはどういう経緯だったんでしょう」
店長さん :「昔ってご近所にお肉屋さんがあって、欲しい分だけお肉を買って帰るってことがありましたよね。
用途に合わせて、また常連さんならその人の好みに合わせてスライスされたお肉はなんだか特別おいしかった、なんていう思い出があるという方もいるんじゃないでしょうか。
今ではスーパーなどでスライスされたパック肉が一般的だと思うんですが、切りたての新鮮なお肉も味わってほしい、というコンセプトでこのスタイルをとっているんです」
憶良 :「なるほど、今では当たり前になっていて気にもしてなかったですけど、パックのお肉ってカットしてからものすごく時間がたっているんですよね。
お肉の扱いについて他にもこだわりがあるんですか」
店長さん :「特製の冷蔵庫を使っています。
お肉は冷凍状態で店に届くんですが、これを6時間かけてゆっくり解凍していきます。
特製の冷蔵庫で解凍すると、肉の中と外の温度を同じ温度に保つことができるんです。
肉全体をムラなく優しく解凍することが大切で、肉に余計なストレスを与えないことが焼きあがった時にも柔らかく、ベストな状態で食べていただくための条件になるんです。
お肉の解凍から保存、スライス、焼き方、盛り付けまで、常にお肉と会話して、お肉の状態を確認しながら最高の状態で食べてもらう、それが肉のヤマキの自慢なんです」
肉を切る瞬間からが調理がはじまる。
憶良 :「すべての工程がお客さんの目の前で展開するっていうのも珍しいですよね」
店長さん :「そうですね。お肉のカットから見ることができるというのは珍しいと思います。
一つにはすべての工程が見えることで安心して食べていただけるということがあるんですが、もう一つ大きな意味があるんです。
それは目の前調理は最高の調味料の一つという考え方です。
スタッフが一所懸命調理している姿も一つのスパイスだと思って作っていますので、出来上がりまでの工程も楽しんでいただきたいと思います」
憶良 :「お肉を美味しく食べる工夫がしっかりと調理工程と融合しているんですね。
お肉への大きなこだわりが、言われないと気がつかないくらいさりげなく盛り込まれているって凄いですよね」
店長さん :「もうひとつ、お肉屋さんが焼く焼肉丼、すき焼き丼というのも自慢です。可能な限りスピーディに切りたてお肉を食べられる焼肉丼屋、そしてお肉屋さんだからできる価格帯、これが特徴だと思っています」
憶良 :「肉質から、肉の厚さなど自分の好みにカスタマイズされたどんぶりを探すのも楽しそうですね」
店長さん :「まず一度食べてみてください。
格好を気にせず、ガツガツっ!と掻き込んでもらえると嬉しいです。
みなさんのお越しをお待ちしています」
さわやかな店長さんの笑顔に見送られながら店を後にしました。
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は高速道路を使わずに名古屋から鳥取あたりの温泉に行って浸かり、道中や行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込むと例え深夜に帰ったとしても料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に悪いことを考える人はいない。」という持論を持っている。
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