こんにちは、ほそいあやです。
皆さんはクルド料理は好きですか? 好きですよね!
クルディスタンとは、トルコ、シリア、イラン、イラクあたりの一帯を指しますが、日本に住むクルド人の中でもトルコ人が多いこともあり、料理店はトルコ料理が多くなります(クルド人が日本で飲食店を始めるとケバブ屋になりがちだそうです)。
ケバブなどの他にも、ヨーグルトやクスクスを使った面白い料理がたくさんあるのですが、日本人の口にも馴染みやすく、多分嫌いな人はいないんじゃないかと思ってしまいます。今日は、東京で唯一“クルド料理”という看板が掲げられたお店の紹介です。
JR埼京線十条駅の真ん前、クルド家庭料理「メソポタミア」にやってきました。
青い壁と赤いソファ。手作り感があたたかい店内です。
現地では食事中に飲むというヨーグルトドリンク(200円)。まったく甘くなく、酸味もそれほどでもなくさっぱりしています。食事中にヨーグルト飲むの? と思ってたけどこれなら料理の味を邪魔せず、お茶代わりに飲めるヨーグルトって感じ。
「ムサカ」というナス、ピーマン、トマトの煮込みをペースト状にしたやつ。ナス、ピーマン、トマトとのことだけど、焼きナスの焦げたような匂いが強く、それがすっごくくせになるのだ。塩気も強いので、お酒のつまみに最高。パンに塗って食べても絶対いける。
「クスル」という、きゅうりとトマトのクスクスピラフ(600円)と、ヨーグルトスープ(200円)。ランチにもあるセットです。完全ベジタリアン食だ。
ヨーグルトスープは、スープというよりヨーグルトのリゾット。ハトムギたっぷりで健康的。酸味が食欲をそそります。緑色のは乾燥ミントで、さわやかさに拍車をかけています。
トマトのよく染み込んだクスクスのピラフは、ピラフというよりサラダに近いかも。クスクスのプチプチした歯ごたえと野菜のザクザクした歯ごたえが合わさって良し。優しいだしのきいたトマト味が心地よくて、たくさん食べたくなってしまう。
オクラとひき肉のトマト煮(750円)。ごはんはメソポタミアピラフ。散りばめられてる茶色いのはリゾーニという米型のパスタを炒めたもの。
このごはんは薄い塩味で油はほんの少し、おかずなしでこれだけでも食べられる。オクラとひき肉のトマト煮はそのままの味だけど、クルド料理のトマトの味の出し方はちょっとくせになる。ひき肉のうま味をプラスしたラタトゥユという感じでハマります。
私はここのサラダが気に入りました。さっきのクスルにもこのサラダが混ぜられています。ちょい辛でシャキシャキしてるのが本当にうまい。
ラハマージュン(500円)。中東のピザといわれる、ナンに羊のひき肉をのせたもの。でかいな。
こうやって巻いて食べます。手が汚れないシステム。羊、トマト、ニンニク、クミンなどの味が絡み合って満足感あるごはんになってる。ビールにも合うし、歩きながらでも食べられるし、ケバブみたいに屋台メシにしたらヒットしそう。
よく見たらほろ酔いセットがある。食後に気づいたけど頼んじゃおう。
焼き鳥ってあるけど、土地柄鶏肉ではなさそうだ。
やっぱり羊肉でした。串ものは総称して焼き鳥と呼んでいるのかも。大きめの羊串は弾力があって噛みごたえあり。トルコの羊肉は中国のものと比べるとスパイスが少なめで肉の味がわかりやすいです。そしてまたこのサラダが嬉しい♪
デザートは、「レワニ」というココナッツとゴマのヨーグルトケーキ(400円)とメソポタミアコーヒー(450円)。
甲冑かと思ったらコーヒーだったのでびっくりしました。
レワニは結構甘く、しっとりしていてツブツブした舌触り。甘いけどヨーグルトのおかげでしつこくなくてさわやかです。さぞコーヒーに合うお菓子だろう。
コーヒーの甲冑を取ると、デミタスカップの中からは想像と違う香りが。飲んでみると、……あれ? これはコーヒーなのか? コーヒーの香りとは違うし、粉っぽいし。
実はこれはピスタチオの粉末から作られたコーヒーなんです。だからコーヒーではない。ピスタチオ茶? いやお茶というよりはコーヒーに近いかも。混乱してきた。
トルコにはピスタチオの産地があるのだが、出荷のときに割れて売り物にならなくなった豆を粉砕してコーヒー代わりにしたのがはじまりだそうです。
もちろんノンカフェイン。香ばしくてかなり気に入りました。もっと大きいカップで飲みたいなあ。
以上、クルド家庭料理「メソポタミア」でした。リーズナブルな価格で珍しいものが食べられるし、全部おいしかった。ランチだけでも異国情緒が味わえるので、すごくおすすめのお店です。
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著者プロフィール
ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
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