こんにちは。料理研究家の河瀬璃菜です。
私の出身地は九州の福岡県なのですが、そのお隣、大分を中心に九州で愛されている日田焼きそばのお店「想夫恋(そうふれん)」をご存知でしょうか?九州人のソウルフードといっても過言ではない存在です。
パリッとこんがり焼いた生麺のカリッもちっとした食感に、シャキシャキのモヤシ、さっぱりとした秘伝のソース!学生時代は本当によく食べたものです……!
そんな想夫恋の焼きそばを久しぶりに食べたいなぁ、関東にもないかなぁ……と思って調べたところ、なんと横浜市の青葉台にあるとのこと!これは嬉しすぎる!
さっそく懐かしの味を求めて青葉台へ行ってきたのですが、学生時代には知らなかった想夫恋の焼きそばへのこだわりっぷり、奥深さを知ることになったのです。
想夫恋の味が恋しい九州出身者はもちろん、想夫恋を知らない人にもぜひ知ってほしいし、食べてみてほしい!というわけで、紹介します!
生麺を茹でて焼くからカリっモチっ食感が生まれる
もともと、想夫恋は大分県日田市のご当地グルメ、日田焼きそばのお店。麺のパリパリ食感がたまらないのですが、これは「生麺を茹でてから焼く」という作り方によって生まれています。
こちらが、自社工場で手間暇かけて作られたという想夫恋のオリジナル麺!温度や湿度、水質、麺を打つ技術など細かいこだわりが凝縮されているのだとか。
まず、この麺を沸騰したお湯で茹でます。
茹でている間に、豚肉を炒めます。
ちなみに、作っているところを眺めるのが楽しいので、カウンター席がオススメ!青葉台店の店主、蓮尾さんに焼いていただいているところをお届けします!
豚肉が置いてあるあたり、鉄板が少し凹んでいるのがわかるでしょうか?
この凹みも重要なポイント!この凹みがあることで、豚から出た脂や旨味を逃さないというわけです。
麺が茹であがったら鉄板へ。
ある程度、全体に脂が回ったら、麺を平らに広げていきます。
焼きそばといわれて想像する作り方とは全然違いますよね。
真剣な表情の蓮尾さん。
蓮尾さんは14年前に脱サラし「昔食べたあの味をどうしても関東でも食べたい!」という想いで、この地で想夫恋を始められたのだとか。
自分が食べたいからお店を始めちゃうって、なかなかぶっ飛んでますよね。笑
さて、麺をひっくり返します!
おお~カリッときつね色になっていますね。この時点ですでに美味しそう……。
ここでやっとソースの登場です!
想夫恋のソースは、この世で3人くらいしか知らない秘伝のレシピで作られているんです!
新鮮なトマトを熟成させて作っているということで、爽やかであっさりとした仕上がり。このソースこそ、想夫恋の焼きそばを「毎日食べられる焼きそば」たらしめているわけです。
そろそろ完成かな~と思っていたところ、
ここでモヤシを投入~~!焼き上げた麺をほぐしながら、一気に混ぜ合わせていきます!
実は、このモヤシも自家製。豆の段階から細かくチェックし、水、温度、湿度を徹底的に管理して作られているのだとか……!
想夫恋、なんでもこだわり過ぎ!
ああああ見覚えのある見た目になってきた~~~!
早く!早く食べたいので、この辺で作られている工程は終わりにします。スミマセン。
これが日田焼きそば「想夫恋」の想夫恋焼きだ~~~~!
ジャーーーン!
こちらが、私が学生時代こよなく愛した想夫恋の焼きそば「想夫恋焼き 大」(1,160円)です!
先ほど作り方を見ていただいた通り、めちゃくちゃシンプルなのに、こだわりが半端ない。
シンプルなものほど、素材や調理のごまかしがきかないものですよね。
見てください。モヤシを最後に入れて炒め上げることで、しんなりせずにシャキシャキ感が残っているのがわかります。
想夫恋の焼きそばは、この「想夫恋焼き」のみですが、トッピングをすることは可能!
私はオススメだという「しそと海苔」(160円)に目玉焼きトッピング。
シンプルな状態から一転して、見た目もガラッと変わりましたね~!
とろ~り卵黄を潰して、さっそくいただきます!
しその爽やかな風味に、あっさりとしたソース味が最高に合う!!!
そしてやはり、このカリッもちっとした麺!!!
舌ざわりがなめらかで歯ごたえと弾力があり、素材にこだわっているから風味も豊か!
ソースのあっさりさも相まって「毎日食べられる!」というファンが多いのも納得です。
は~~コレよコレ。一気に学生時代に戻ったかのような懐かしさを覚えました。
具材の豚肉にも、こだわりがあるそう。
吟味された豚肉を使っているのはもちろん、モモ肉やバラ肉といっしょに、ロースやヒレ肉も入っているので、一切れ一切れの食べ応えが全然違う!
本当にいちいちこだわり過ぎている。
焼きそばで1,100円って……と思われたかもしれませんが、このこだわりっぷりならこの値段になってしまうのも頷けますね。
先ほどは定番の目玉焼き、お店オススメのしそと海苔を紹介しましたが、他にも生卵や海苔(単体)、カイワレと海苔といったトッピングもありますよ。
サイドメニューの餃子もお忘れなく!
メニューを見ていて見つけちゃいました。餃子の文字を!
これは頼まざるを得ない……!餃子大好き!
こんがりと焼かれた一口サイズの餃子(8個400円/4個200円)!4個か8個か選べますが、可愛いサイズ感なので8個がオススメ。
そんな可愛い見た目とは裏腹に、しっかりと肉の旨味とジューシーさを味わえて、これまた美味しい!
美味しい焼きそばに、餃子……ときたら頼まないわけがない!
ビーーールーーー!
これぞ三種の神器!焼きそば食べつつ餃子つまみつつ、ビールをグビグビ。
うん、間違いない!
ちなみに、大盛りを頼んでしまって、食べきれなかったよ~!という場合はお持ち帰りもできるので、ご安心を!
自宅で作れる想夫恋焼きそばセットもあるので、お家であの味を食べたい!という発作が起こっても大丈夫!この味にハマってしまった人は買って帰ると良いですよ!
想夫恋は横浜市 青葉台からバスで7分!
関東に唯一ある想夫恋は、神奈川県横浜市の青葉台駅(東急田園都市線)からバスで7分。
地図を見ると、恩田駅から近そうに見えるのですが、これは完全なるトラップです!
正解は、東急田園都市線 青葉台駅から東急バスに乗り(青61か青118)、「田奈高校」バス停で下車。そこから徒歩1分の場所に、想夫恋 青葉台店はあります。
筆者は恩田駅からタクシーで行こうかなと思っていたのですが、タクシーなんてものは一台もおらず、坂道が多い険しい道のりを30分歩く羽目になりました。皆さんは私の二の舞にならないように気をつけて……!
想夫恋店内にはカウンターとテーブル席。
週末になると、この味を求めて、遠くは名古屋からお客さんが来るほどの人気店です!
さらに先日、こちらのお店がテレビ番組に出たとかで、さらに多くのお客様が訪れるようになったそう。
「脱サラして、のんびり営業したいと思ってたのに、お客さんが増えてしまったから、今は平日夜の営業してないんだよ……」ということです。
平日のお昼は比較的のんびりしているので、行く際は平日のランチタイムが狙い目!
私にとっては懐かしの味を求めて訪れた想夫恋。
話を聞いて、昔は知らなかった数々のこだわりや、愛情が詰まっている焼きそばだということを知りました。
人の想い出に残る味というのは、こうして作られていたのですね。また必ず再訪します!ごちそうさまでした!
紹介したお店

- ジャンル:焼きそば
- 住所: 〒227-0034 神奈川県横浜市青葉区桂台2-38-15 第2スズキビル103
- エリア: 青葉台
- このお店を含むブログを見る | 青葉台の焼きそばをぐるなびで見る
TEL:045-963-1888
営業時間:月・水・木・金 11:30~15:00(L.O.14:30)
土・日 11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~21:00(L.O.20:30)
定休日:火曜
著者プロフィール
河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。
レシピ開発、商品開発、食の企画やコンサル、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々な活動をしている。
SONY XperiaのCMやKIRIN本麒麟の広告への出演などその活動は多岐にわたる。
近年では地方を元気にするための6次化商品の開発に力を入れている。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など
Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508