かつて、東京都品川区にあったというラーメン店「イレブンフーズ」。
取材拒否の店だったために一般的な知名度は低いのですが、ラーメンマニアの間では語り草になっている“イニシエ系”の店なのだそうです。
福岡市中央区警固にある「ヤキニク・ラーメン フタバ」の店主・栄浩司さんも、
学生時代に「イレブンフーズ」へ足しげく通ったというファンの一人。
この店との出合いこそが、栄さんの人生におけるターニングポイントになりました。
バーでのアルバイト経験をきっかけに飲食業界に就職した栄さん。
結婚後は、妻の地元である千葉で20年以上にわたって焼肉とラーメンを提供する店を営んでいました。
ある日のこと。
アメリカンファッション好きで栄さんがよく通っていたという地元・福岡の洋服店「サムシング」のあった場所がテナントを募集していることを知ります。
「いつかは故郷で、千葉と同じようなお店を開きたい」という思いを持っていた栄さんは、この話に縁を感じて福岡で店を出すことを決意。
「新しい店ではイレブンフーズの味で勝負をしたい」と関係者へ熱心に頼み込み、なんと、門外不出であるはずのレシピを伝授してもらうことに成功しました。
国体道路沿い、警固六つ角近くの場所に2017年12月、念願の店を開業。
店の名前は栄さんの実家である「フタバ模型」から拝借し、「ヤキニク・ラーメン フタバ」にしました。
店内は1階、2階ともに奥行きが短く、細長い造りになってます。
そのため、「1階をカウンター席にしてラーメンを、2階にテーブル席を置いて焼肉を提供する」というフロア毎で異なる料理が楽しめるスタイルにしました。
提供するラーメンは、
「ラーメン」(700円)、「チャシュウメン」(1,000円)、「大盛りラーメン」(800円)、「大盛りチャシュウメン」(1,100円)のみ。
「イレブンフーズ」の味を忠実に再現し、自分が愛したラーメンで勝負をするという栄さんのこだわりはこのメニューからもひしひしと伝わってきます。
伝説の味を再現したというラーメンを実食!
まずは、豚の丸骨と刻みタマネギなどの野菜を
煮込んで作ったという半濁のスープ。
目の粗い網で濾すことで程よくパンチを残し、
甘過ぎない濃い口の醤油でコクと風味を添えます。
ラードは使わないため、あっさりとした優しい味わい。
トッピングのザク切りにしたタマネギ、ワカメ、黒キクラゲ、ノリはイレブンフーズと同じスタイルで、ワイルドに盛り付けられています。
麺は、“家系ラーメン”の麺を手掛ける「酒井製麺」を使用。
ガッツリ・モチモチとした食感の太麺はかなりのボリュームがあり、食べ応え十分。
のど越しも抜群です。
大きくて肉厚のあるチャーシュー。
「火加減にこだわっている」という栄さんの言葉どおりでとても柔らく、肉汁の旨みもたっぷり含まれていました。
卓上には、豆板醤と唐辛子のペーストがあります。
味の変化を楽しむときはこちらをどうぞ。
夜は、2階が伊万里牛を楽しめる焼肉がメインの営業になりますがこのラーメンもオーダーすることが可能です。
焼肉のあとの〆の一杯でもオススメですよ!
伝説の味を継承する九州には他に類を見ないNEWタイプの豚骨ラーメンを皆さんもぜひ一度味わってみてください。
紹介したお店
ヤキニク・ラーメン フタバ
電話:092-715-1129
営業時間:11:30~14:00、18:00~翌1:00
定休日:不定
書いた人
ニシダタケシ
福岡・九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。
流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。
憧れの人は出身校の大先輩・タモリさん。グルメレポではたま~にデカ盛りにも挑戦しますよ!