みんなのごはん読者のみなさん、こんにちは。
駆け出し酒場ライター、さいころ文庫の山崎あやさです。主な出没地域は都内立ち呑み屋さんのカウンター、好きな食べ物はビールです。
突然ですが、幼少期は「ご飯のおかず」であった食べ物が「お酒のお供」になっていたってこと、ありませんか?
馴染みあるおかずが、お酒にもダントツに合うことに気づく瞬間。
その控え目な風貌と存在感で感謝すら忘れていたけれど、そっと寄り添ってくれていた長き年月にはっとする。
母のように育ててくれた、友のように一緒にいた、そんな一皿、そんなおつまみ。
幼少期と、成人した今ではその付き合い方こそ変われど、決して失いたくない瑣末なる日々のワンシーンのバイプレイヤー……
私にとってのそんな一皿代表……それが
シュウマイです。
中国四千年の歴史を背負いながらも、決して偉ぶらず。餃子ほどの派手さはなくも、家族の団らんに、お弁当の端っこに、ラーメンのお供に、といつも日常を彩ってくれた陰の立役者です。
そんなわけで今回は、シュウマイを肴に美味しいお酒が呑めちゃう都内の銘店を5軒、紹介いたしますよ!
【もくじ】
1. 焼き鳥の超有名店はシュウマイの名店でもある!「いせや総本店」(吉祥寺)
もくもくと取り巻く煙すら、アクセサリーの如く。
ちなみに、席は立ち呑みと座り。2階は座敷になっているようです。
人数や飲み方でお好みの席をゲットしてください。
メニューは比較的少なめ。しかし、わかりやすくて良いですね。そんでもって、安い。焼鳥1本90円。……きゅうじゅうえん!
そんな焼鳥と人気を二分するのが、この自家製シューマイ(360円)。
頼むと、ものすごい早さで出てきます。下手なお通しより早い。
早いというより、この場合は「速い」。
出てくるのはボリューム満点、大ぶりなやつが3つ。高さは3〜4センチくらいかしら?直径もそのくらい。一口では食べきれないほどです。
ほわほわと湯気を立てるビジュアルに我慢出来ず、がぶり。
びっくりするほどの肉肉しさです。ストレートに肉の旨味で勝負します!といった、気合いすら感じるほどの、粗挽きの肉感です。でも玉ねぎの甘さも、調味料もほどほどなので肉感どっしりながらも、けっこう食べやすい。
そんでもってとろりとした口当たりの皮が、それを柔らかく中和してくれる。
王道で懐かしくも、贅沢なシュウマイでした。
焼き鳥も、もちろん美味しいですよ。
山崎(筆者)のお気に入りは、つくねの塩。これに七味をうっすらふりかけてやっつけるのが、たまらない。鶏皮のパリッとした焼き具合も、レバーの絶妙な火加減も、何食べても美味しい。これで90円かぁ。……きゅうじゅうえんか!
ちなみに各テーブルの上には梅シロップが置いてあって、これを焼酎やチューハイにお好みで入れるというユニークなシステムも。
都内近郊の呑み助さんなら、外せないお店です。
是非一度ご来訪を!
紹介したお店

- ジャンル:居酒屋
- 住所: 〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1-2-1
- エリア: 吉祥寺
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2. ラインナップがすごい!焼・揚・水・チーズ・辛…専門店の名に恥じない「野田焼売店」(駒込)
次なる舞台は駒込。
六義園や旧古河庭園などの国の名勝に指定されている名園もあり、小さいながら活気ある商店街があり、それでいて山手線沿線!ちょうど良く下町と都会が混ざり合う素敵タウンです。
そんな駒込駅から徒歩2〜3分。本郷通り沿いにあるこちらが「野田焼売店」さんです。
家紋みたいになってるお店のマーク(?) めっちゃ、焼売やん!かわいいぞ!
そんなお店の店内は、タイル張りのテーブルに、雑貨屋さんみたいな照明。なんかちょっと異国感もある、可愛らしいお店。
カウンター8席、2~4人がけのテーブルがゆったりと配置されています。
しかしキッチン横にかかるTシャツには「ビールと焼売」。唐突な骨太感が最高です(笑)。
そんな「ビールと焼売」のTシャツをばりっと着こなす店長さん。
「ないじゃないですか、焼売専門店。餃子ばっかりで。だから面白いかなって。でもまぁ、ようは焼売が好きなんです」
と語ってくれました。
ビールも好きなんですか?と聞くと「ビールも、好きですね」照れ笑い。
あぁ、もうこの人絶対いい人だ。スタッフさんたちも雰囲気良くて、そういう居心地の良いお店って良いよね。
そんな焼売専門店。専門店の名に恥じない焼売ラインナップなんです。
もちろん全部食べたいので、盛り合わせをオーダー。
ちなみに焼売は、一緒にではなく出来上がったものから出てきます。
出来たてあつあつがいただけちゃうのだよ。むふふ。
トップバッターは焼焼売と揚焼売。
焼焼売は、皮がカリカリの食感です。中のお肉も際立つ皮の食感。
揚げはというと、こちらはさっくりの皮。似て非なるこの感じ。思いがけず楽しいぞ。
どちらもむっちりとした餡は、お肉の甘味がジューシー。
焼き、揚げ、と食べると明確になるのが、餃子との一線。なるほど、焼売は餃子に比べてなんとも優しい感じがするのだね!
ソースは2種類まで選べます。今回は王道を。コクのにんにく醤油とさっぱりの塩タレを頼んでみました。
そして、水焼売のご登場です!
透明の綺麗なスープに焼売が泳ぐ。予想以上のあっさり。皮の存在感が薄い分、肉の存在が際立って、しかし案外するすると入るものです。ネギとゴマも美味しい。これ、女子が好きなやつだ。
と、ニヤけていると、最後にチーズ、辛味、プレーンが並んでやってきました。
チーズは……なんと、バジルです!イタリアンです!中にはチーズがちゃんと包まれていて、かぶりつくとこいつがトロける……幸せ。女子が好きなやつ、やっぱこっちかも。
辛味焼売は、唐辛子が刺さるナイスビジュアル。
さぞ辛かろうと覚悟したけど、そこまででもない。ピリリと肉の甘味が引き立つ、さっぱりとした辛味。後味がきれい。
このお店、辛いの得意だろうなぁ。
最後に、プレーンを先ほどのソース2種類でいただきました。
どれもこれも美味しい。そんでもって選べるソースも合わせたら、無限に広がる焼売天国。
ちなみに先程頼んだ辛味焼売が美味しすぎて、本格四川麻婆豆腐の激辛を〆に。
辛い。旨い。辛すぎず、旨すぎる。
再訪を誓って、お店を後にしましたとさ。
紹介したお店

- ジャンル:点心・飲茶
- 住所: 〒113-0021 東京都文京区本駒込6-24-4 鈴木ビル1F
- エリア: 駒込
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3. 昭和感とノスタルジーを感じるシュウマイなら「来集軒」(浅草)
はてさて、次なる舞台は浅草。
東京随一の観光地とも呼べる街。江戸の歴史とか伝統とか芸能とか、そういうのがぎゅぎゅっと詰まっています。
TX浅草駅から徒歩2分、しかも国際通りという比較的大きな通りから、ちょこっと1本入っただけの路地。それなのに、なんだこの昭和感!
そんな路地で、控えめながらもはっきりとその看板で目を引く中華屋さん。
それが「来集軒」さんです。
創業は1950年。外観からして年季が入りすぎています。
ヒビの入った看板、ちぎれかけた暖簾。渋い、渋すぎる。
そんな渋い暖簾をくぐって、扉をガラリ。
店内も、これまた年季が入りまくりです。
メニューが貼ってある壁には、びっしり著名人のサイン。落語家や力士のサインもあるあたりに、浅草を感じつつ。おっと喪黒福造氏もメーテルさんも。
これ眺めてるだけで面白い。
はてさて、そんなノスタルジックなお店のシュウマイが、こちらです!
注文したら、比較的スピーディーに登場します。
そんでもって、このシュウマイがまたノスタルジック。
豚肉と玉ねぎの、甘い味。常時蒸されているせいか、外側はとろっとろ。しかし中はねっとりという独特の食感。
昨今のお肉がジューシー、とはまったく違う。むしろ肉は気配程度なのですが。
これはこれで美味しい。カタクリ粉のむっちりとした味わいが、しっかり楽しめます。
クセになりそう!
ちなみに小皿などは皆無なので、醤油は直接にかけてお召し上がりです。
ちなみに、試しに頼んでみたソース焼きそばは不揃いの縮れ麺。
案外しっかりした歯ごたえで、食べ応えバッチリ。これはビールに合うやつです。
辛子が添えられていたのでつけてみたら、やたらめったら美味しくて、びっくりしました。
浅草散歩の途中、つい足が向いちゃいそうなお店です。
昭和感をつまみに呑みたい方に、オススメ!
紹介したお店

- ジャンル:中華料理
- 住所: 〒111-0035 東京都台東区西浅草2-26-3
- エリア: 浅草
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4. 冷めてもおいしい「シウマイ」をアツアツで!「横濱 崎陽軒 シウマイBAR」(八重洲)
次のお店は、なんと東京駅一番街の中。
何を隠そう、誰もが知るあの横浜の老舗、「崎陽軒」のバル店舗です。
崎陽軒のシウマイといえば、やはりまず思い浮かぶのは駅弁。冷めても美味しい、を追求して生まれた逸品です。それがなんと、このお店では、蒸したてホヤホヤなやつをビールでやっつけられちゃうのです!素晴らしい!
店内は明るく、清潔感が漂っています。ファーストフード店のような気軽さがある。
本店の高級志向とはややも遠く、これが逆に庶民には落ち着くのだよ!
駅地下の一角にしては、比較的ゆったりした席配置です。
とりあえず、シウマイ弁当の筍煮で準備運動です。
こんなに味が濃かったかしら、と思うほどのしっかり味。
甘辛い味付けが、筍の渋みを旨みに変える。
さすがお弁当用。おつまみとして出てくる冷めたやつも美味しい。でも、温めなおしても美味しそう。そんでもって、もちろん酒のアテに最高!
と、筍の虜になりそうなその瞬間、本日の主役がご登場です。
注文したのは6種類のシウマイが全部食べられちゃう、シウマイ全種盛り合わせ。お値段は800円也。
ほわほわ湯気を立てる蒸籠で出てきます。まさに蒸したて!期待が高まる~!
まずは王道の、昔ながらのシウマイ。写真からもわかる通り、他のより一回り小さい一口サイズなので、パクっとお口に放り込んで、はふはふいっちゃいます。久しぶりに食べたなぁ、崎陽軒のシウマイ。抜群の安定感です。
アツアツのお肉には間違いなくビールですね。きゅっといくと、とたんに食欲と飲欲のスイッチがオン。
どんどん行きましょう。お次は特製シウマイ。昔ながらのシウマイよりも、ちょっとだけ肉感と旨みがしっかり。帆立の風味が感じられるのが、嬉しいのですよねぇ。そんでもってさらに肉感が味わえるのが、黒豚シウマイ。黒胡椒のパンチが効いていますが、辛すぎず、食べやすい。おっと、こいつもビールと相性良し。
大ぶりにカットされたエビがゴロンゴロンと入って、プリップリの食感が楽しめるえびシウマイ。
カニはカニでもズワイガニ、そこにクワイのシャキシャキが加わって、これまた楽しい食感と優しい旨みが嬉しいかにシウマイ。
ちなみに季節のシウマイは桜えびシウマイ。甘味の強い独特の海の旨味が、たまりませんでした。
ビールもシウマイも、あっという間になくなっちゃった。
ご馳走様でした。
ちなみに入り口ではお弁当系も売っています。
やばい……買いたくなっちゃうじゃない……。
紹介したお店
東京駅一番街 横濱崎陽軒 シウマイBAR
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅一番街
TEL:03-3201-5600
URL:https://r.gnavi.co.jp/gv1z2w960000/
5. ブロードウェイの日常的シュウマイ!テイクアウト&イートインの「手づくり点心 また明日。」(中野)
最後にご紹介しますのは、テイクアウトでもイートインでも食べられる日常シュウマイ。
舞台はサブカルの聖地としてその名を馳せ、最近では住みたい町ランキングでも上位常連の町、中野。そんなサブカルの聖地を聖地たらしめるランドマーク的存在、中野ブロードウェイの地下にあるのが、この「手づくり点心 また明日。」さんです。
その店名の通り、今日も明日も楽しめるお値段。
シュウマイは肉が90円、ホタテとシュウマイが95円、並ぶ肉まんもあんまんも198円と激安です。
いつも行列の人気店、ですがわりとテイクアウトが多そう。行ったその日も、2人がけのテーブルが4つ並んだイートインコーナーは比較的すいていました。このお店、食べ物の持ち込みはNGですが、飲み物はオーケー。
それならばと、はす向かいのスーパーでいそいそとビールを買い込みます。
テイクアウトもイートインも、お会計は一緒。
レジのお姉さんに注文を伝えると、テキパキとショーケースの中からよそってくれます。
一番人気のシューマイセットは、3種類のシューマイが4コずつ入って1,035円。
もちろん、そいつに決まりです。
ぐふふ。このイートインコーナーで透明のパックで缶ビールな感じ。わくわくしますなぁ!
焼売のビジュアルは、どれも独特の、細身で高め。
試しに測ってみたら6センチありました!
まずは肉シューマイから……。
ふむふむ、むっちり柔らか、でも歯切れが良い、綺麗なお肉感です。甘味はあるけど、しつこすぎない。優しくさっぱりした後味。これは何個でもいけそうで、危険なやつ!
続く海老は比較的粗く叩かれていて、食感がしっかり感じられます。プリプリの海老、しっとりジューシーな豚肉、相性はもちろん抜群。海の甘みと、大地の甘みがしっかり感じられて贅沢な味わい。
ホタテは貝独特の旨味が凝縮しています。貝柱の繊維までばっちり感じられて、海鮮感強し。あ~これ好きだ~。そしてビールに合う~。
イートインコーナーの横には厨房。オープンキッチンたるそこで、皮を伸ばしたり、包んだり。手作りとはまさにこれ!美しき料理は、エンターテインメントなんですね!
蒸される前のあんまんがずらり並んでいたので、思わず写真撮らせてもらっちゃいました。
気さくで優しいスタッフさんの接客も魅力的。
本当に、毎日来たいお店です。
紹介したお店

- ジャンル:点心・飲茶
- 住所: 〒164-0001 東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイB1F
- エリア: 中野
- このお店を含むブログを見る | 中野の飲茶・点心をぐるなびで見る
そんなわけで今回は、都内で焼売が美味しいお店を5軒紹介させていただきました!
焼売って、どれもこれも似たようなもんだと思ってたわけですが。
全然、そんなことないのね!実は超個性的!
とっても優秀なおつまみさんでした。
さいころ文庫 プロフィール
編集・ライターの山﨑あやさとデザイナー・イラストレーターの上坂俊吾の2人組。東京都内の立ち呑み屋を紹介する情報誌「東京女子立ち呑み」などを発行。女性にも入りやすい酒場を探して、都内近郊を日々呑み歩いている。
Twitter : https://twitter.com/saikorobunko
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