福岡の観光地で、私がアウトドア派におすすめするなら「志賀島」です!
島なのに海の中道と陸続きで福岡市内から車で30分ほどの場所にあるこの島は、ドライブやサイクリングコースとして人気で、海水浴やマリンスポーツも盛ん。この島の周囲で一年中取れる名物のサザエも壺焼きや丼でぜひ堪能してほしい…そんな思いから、居ても立ってもいられず、志賀島へ行ってきました。
県道59号を西へ、福岡のレジャースポットのひとつ「海の中道海浜公園」を過ぎてしばらくいくと、左右に博多湾と玄界灘の美しいオーシャンビューとともに目的地の志賀島が見えてきます。
日本史を勉強した方なら、「『漢委奴国王』という文字が刻まれた金印が発見された場所」といえばお分かりになるのではないでしょうか?島へ続く道路の周囲には写真のような壁画がありますし、島内には「金印公園」もあります。
今回紹介する「中西食堂」は島に入ってすぐ右に見える志賀海神社の鳥居が目印。ここをくぐり抜けてしばらく進むと左手に店があります。
2019年に創業50年を迎えるというだけあり、店構えはいかにも“島の食堂”らしい、味のあるレトロな雰囲気。しかしこの店に、多くの有名人までもを魅力してきたというご当地丼があるんです!
店内はテーブル席と座敷席。壁には元横綱の曙太郎さんや福岡市出身の人気芸人・博多華丸さんなど、ここを訪問したという有名人のサインが所狭しと飾られています。
厨房の上に飾られたメニューです。「ちゃんぽん」(600円)や「特製皿うどん」(600円)もちょっと気になりますが、初めて訪問する方はまず名物の「さざえ丼」(700円)を注文しましょう。サザエをもっと食べたいという人には、そのデラックス版である「曙丼」(1000円)もあります。
できあがりを待つ間、この店を現在切り盛りしている店主の大井さんに、志賀島のサザエの魅力について聞いてみました。
「一般的に硬くてコリコリとしたイメージがあるサザエですが、志賀島のサザエは比較的波の穏やかな場所で育ったものが多く、身はふっくらしていて柔らか。年配の方でも楽しめる歯ごたえなんです。一年中楽しめますが、一番の旬は春先から初夏。ワカメが増える時期で、それをエサにするサザエも身も大きくなるんです。うちのサザエは毎日島の海女さんが持ってきてくれるんで、いつも新鮮ですよ!」
そんなサザエに魅了された一人が曙太郎さん。関取時代からこの店に通い詰める彼のために特別に作ったという大盛りサザエ丼はその後、彼から公認をもらって「曙丼」という名になり、看板メニューのひとつとして好評なんだそうです。
これがその「曙丼」です。
志賀島で育ったサザエとワカメをふんだんに使い、彩りを出すためエビを加え、それをとろーりと半熟の卵でとじるボリューム満点の一品。スプーンですくうと、魚介ダシの風味と一緒に磯の香りがふわっと広がります。
豪快に盛り付けられた大ぶりのサザエは、アワビを超える柔らかさで“モチモチ”という表現がぴったりかも?ワカメのコリコリとした食感とのハーモニーもイイですね。気が付けば私も曙さん並みに、スプーンで豪快にかき込んでおりました(笑)
「味の変化を楽しむならワサビを入れてみて」と大井さん。この食べ方は、博多華丸さんがテレビ番組で紹介したのがきっかけらしく、今では来店客のほとんどが試しているのだそう。テーブルにはショウガや七味唐辛子と一緒に、袋詰めのワサビが用意されています。
それをほんのり甘味のあるダシに混ぜて、再び丼をかき込みます。
ワサビのほどよいツーンとした風味がサザエやワカメの味を引き立て、確かに相性ピッタリ。これを考案した華丸さん、さすが常連というだけあってこの店の味を知ってるなって感心してしまいました。
店の一番人気は小さめの「さざえの壺焼き」2つと「さざえ丼」をセットにした数量限定の「壺焼きセット」(1100円)ということもあり、「曙丼」と一緒に「さざえの壺焼き」(850円)も注文しました。
大きめのサザエ3つで提供されるこちらのメニューもなかなかの逸品。醤油ベースの甘ダレがじっくりとサザエの身に染み込み、うま味が増します。車で来ていなければ、間違いなくお酒と一緒に味わっていたことでしょう(笑)
ふらっと立ち寄れる福岡の島旅グルメ。志賀島へ行く際は、明るく気さくなお母さんが作る「中西食堂」のご当地丼をお忘れなく!
紹介したお店
中西食堂
電話:092-603-6546
営業時間:11:00~17:00頃(売切次第終了)
定休日:火曜

- ジャンル:食堂・定食
- 住所: 〒811-0323 福岡県福岡市東区志賀島583-8
- エリア: その他東区
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書いた人
ニシダタケシ
福岡・九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。
流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。
憧れの人は出身校の大先輩・タモリさん。グルメレポではたま~にデカ盛りにも挑戦しますよ!