浅草エリア在住の自意識過剰なOL、やままです。
この界隈に住み始めたのが2017年秋のこと。以来ずっと気になっていたお店に伺うことができ、すっかり大好きになってしまったのでご紹介させてください。


東京メトロ銀座線の田原町駅、もしくは、つくばエクスプレスの浅草駅が最寄の洋食居酒屋さん「我(わが)まんま」です。駅を降りたら国際通りを浅草ROX方面にまっすぐ歩き、太鼓のお店「太鼓館」を過ぎた次の歩道を左に入っていった場所にあります。
メニューは壁を見よ!手書き色紙に刻まれた魅惑の料理たち
気になったきっかけは散歩中での偶然の出会いでした。上記写真をご覧ください。
急募
お客様を募集してます
食べる事が大好きな方
特に美味しい料理が大好きな方
年齢不問
明るく元気な方
私のことだ……!
自意識過剰族の特徴は、どんな話も「私のことだ……」と思い込むことにあります。12星座占いも、別の星座の結果を提示されても「私のことだ……」となります。
閑話休題、この貼り紙に心奪われ、店構え全体を見渡してみれば
手書き、手書き、手書き!
店頭からあふれ出すアットホームな雰囲気、素敵でしょう。
期待を裏切らない、心安らぐ店内。居酒屋というより、昔からある近所の喫茶店に来たような心地がします。
厨房側から出入り口を臨めば、テレビとボトルキープ棚にほっこり。テレビがあるお店は大好きです。ひとりで飲んでも楽しいし、テレビを観ながら隣の知らない人とワーワー話すのも愉快だし、連れ合いたちとの会話がもたなくなったときの救いの手でもあります。「ながら食い」はよくないと言いますが、居酒屋さんでテレビを観ながらいただくお酒とごはんは妙においしく感じるのです。
天井近くにトリックアート風の絵が貼られているのも、素敵です。お店が広く感じるね!
「我まんま」にはテーブルにメニュー表が置かれておらず、代わりに壁一面に貼られた手書きメニューを見ながらオーダーします。
洋食を中心にしつつも、牛すじ煮や焼きそばなど、オーナーシェフ・舟橋さんが食べたいと思ったものがジャンルを問わずなんでも揃えられているのが特徴。店名の「我まんま」はそのコンセプトを表現したものだとか。
飲み物は、ワインからホッピー、日本酒までさまざまな種類があります。
何にしようかと迷っている私の目に飛び込んできたのは、「パクチーレモンサワー」。
最近のパクチーブームの過熱ぶりは異常じゃないか!?……なんて、冷やかし半分の気持ちでオーダーしたのですが、なかなか好みの味で。単品では香りが強いけれど、このあといただいたお肉料理との相性が良好だったのです。
大人気商品のスペアリブはレギュラー・特大・超特大の3サイズ
「我まんま」の名物はスペアリブ。
- レギュラー(300gで880円)
- 特大(500gで1,480円)
- 超特大(800gで2,280円)
という、”スモール”ではなく”レギュラー”からはじまる3サイズ展開です。サカゼンもびっくりだ…!
超特大ってどのくらいの大きさか気になりますよね……!
快く「じゃあ、普段はスペアリブの大きさに合わせてお皿を変えているんですが、今回は敢えて同じ種類のお皿を使って、見比べられるようにしてみましょうか!」とのこと!
「わがまま言ってすみません……」
「いやいや、ここは”我まんま”ですから」
シェフ……!!笑顔が眩しいです。ご厚意に甘え、今回は取材用ということで特別に同時発注させていただきました(ご希望の際はあらかじめ予約時にご相談をお願いします)。
そして現れたのが、こちらです。
3、
2、
1、
ドーーーーーーーーーン!!
この調子で別アングルでも、
ドーーーーーーーーーン!!
続いてはiPhone6と超特大スペアリブ(800g)の大きさ比較だ、
ドーーーーーーーーーン!!
いろんなアングルでご覧いただきましたが、超特大サイズ、思っていたよりも大きくないかも?というのが第一印象でした。
ところが、その食べごたえがすごい!健啖家の男性2名と一緒でなければ、完食できなかった可能性があります。「超特大」の名称は伊達じゃない……!
スペアリブというと太い骨がついたすね肉を思い起こしますが、「我まんま」のものは骨がきれいに取り外されています。かぶりつくタイプの”The 肉”ではなく、煮込み料理をいただくように上品に楽しめるのです。
いただいてみると、スペアリブのはずなのにサラダチキンを食べているときのような「軽さ」を感じました。ガッツリ、肉!という重たい感覚にならないのです。「お肉がとろける~!舌で噛みきれちゃう~!」とは対をなす、「やわらかいながらも、噛んで楽しむお肉料理」。
スペアリブのおいしさもさることながら、お肉を煮込んだソースの味に一同感激でした。しっかり濃厚な味付けながら、もたれない甘酸っぱさがあります。
「ソースが旨い!飲める!パンでお皿を拭いたい!」と騒いでいましたら、
「パイナップルベースのオリジナルソースなんですよ」
と舟橋シェフ。恐るべしパイナップルパワー……!お肉の良さを最大限まで引き出している!!
「余分な脂を落としているので、80代のおばあちゃんがお1人でレギュラーサイズ(300g)を召し上がっていますよ」
それはすごい!!でも、その事実が「我まんま」のスペアリブのことをいちばん的確に表現している気がします。お肉感のあるビジュアルとは裏腹に、本当にさっぱりしているんです。


有機肥料だけでつくられた野菜のうまさ
ここでちょっと気分転換。ソースのおいしさを余すことなくいただきたい、ということで、お皿に添えられていたレタスでスペアリブを巻いてみました。
……相性抜群!!
言うなれば、生姜焼き定食における「汁&キャベツ千切り」。肉の旨みが浸みだしたソースとシャキッとした野菜、おいしくないわけがないのです。感激してバーニャカウダもお願いしました。
3種のドレッシングと食欲をそそるガーリックたっぷりのバーニャカウダソースが添えられた、色とりどりの野菜たち。かぶにラディッシュ、黄緑色のビタミン大根、黄色い金美ニンジン……実物はもっともっとカラフルで、思わず「わあ、きれい」と声をあげてしまったほどです。
中が赤い「紅芯大根」とスペアリブを一緒に。大根のみずみずしさとフルーティーなソース、一緒にいただけばやっぱりうまい!
「我まんま」の野菜は埼玉県小川町の「風の丘ファーム」のものを仕入れており、農薬を使わず、有機肥料だけで作っている野菜なのだそうです。ドレッシングやソースを出していただきながらこんなことを書くのは気が引けてしまいますが、ニンジンやトマト、パプリカは特に、何もつけずにいただいてみてほしいです。調味料を必要としない、すでに完成された味なのです。


これまでに数回伺っていますが、毎回サラダメニューを頼んでしまうのです。その理由は、どのサラダも色鮮やかで、目にも舌にもおいしいから!
写真左は「8種の野菜サラダ(780円)」、右は「ツナ・アボカド・オリーブの地中海サラダ(950円)」。地中海サラダはなかなかの大きさですが、ひとりでペロリと食べきれてしまいます。
ほっこり!手づくり感たっぷりの肉料理
「今日のおすすめメニュー」が記されたホワイトボードを見てみれば「超~新鮮 牛レバーレバテキ(680円)」の文字が。「届いたばかりで本当に新鮮ですよ!」という超~グッとくるお言葉にそそられ、お願いしてみました。胡椒のスパイシーな香りが特徴的。甘めのソースとレバーのまろやかな旨みが合います。
「自家製のステーキソースに、名古屋コーチンのスープで作った甘ダレ、レバーの出汁をあわせて作っているんです」
またしてもソースパワー炸裂。添えられている生野菜できれいに拭うように完食してしまいました。
そしてお肉料理で私がおすすめしたいのが「黒毛和牛牛スジ煮(780円)」です。洋食居酒屋さんだけれど、舟橋シェフが食べたいと思えばメニューに加わる。それが「我まんま」スタイル!
コラーゲンたっぷり、ほんの僅かな時間置いておいただけで、ご覧の通りの膜が張ってしまうほど。色は濃いのですがスペアリブのソースにも通じるさわやかな甘さで、あんまり他人とシェアしたくないくらいです。「ごはんに乗せて独り占め」が夢。
「牛スジ煮って5~6時間くらい煮込むものなんですが、これは黒毛和牛A5ランクの肉で、煮込み時間は1時間半くらいがギリギリ。それ以上だと溶けてしまうんですよ」
そんな限界ギリギリまで煮込まれた、とろっとした上質な牛スジがたっぷり楽しめます。


ほかにも「ゆで豚柚子胡椒ポン酢(550円・写真左)」「和牛シロコロホルモン焼(720円・写真右)」などなど、和テイストな肉料理もいろいろ揃えられています。家庭的なお料理ながら、お肉もソースもやっぱりプロの味。ほっとする上に、口のなかの充実度がすごい。
「洋食居酒屋」ですから……
スペアリブと双璧をなす人気メニューが、「ビーフシチュー(写真はレギュラーサイズ1,300円)」。こちらもA5ランクの黒毛和牛を使っている贅沢な一品!その人気ゆえ、なんとキングサイズ(2,500円)まであります。
お肉のおいしさは当然ですが、私はここでもやっぱりデミグラスソースの旨さを訴えたい……!洋食料理にもかかわらずモッタリとした濃厚さを感じません。濃いけれど爽やか……そんな女性に私はなりたい。その秘密は、5日間コトコトと煮込み、牛肉と野菜の旨味をふんだんに活かしていることにあるのだそうです。
実は浅草発祥の料理だった!ボルガライス
デミグラスソースを用いているお料理、「ボルガライス(1,200円)」のこともご紹介させてください。オムライスに豚カツが乗った、知る人ぞ知る福井県の名物グルメです。
しかし、メニューには「発祥の店」の文字……舟橋シェフ、福井県ご出身なんですか?
「いえ、違います。ボルガライスはもともと浅草の下町グルメなんですよ。浅草のシェフがたまたま福井県で展開して、人気になったようで」
なんと舟橋シェフ、浅草で最初にボルガライスを提供し始めたとされているレストラン(約20年前に閉店してしまったそうです)に勤められていた時期があるのだとか。
「料理名の由来は諸説あるようですが、私が勤めていたレストランでは、シェフが”モスクワのボルガ運河のようだから”という理由で名づけられていました。ほかにも、ワシントンライスなんてメニューもありましたよ」
ワシントン?ジョージ・ワシントンの好物ですか?
「いえいえ、今で言うドリアのことです。ごはんの上にホワイトソースがかかっているでしょう。その白さに着想を得て、白⇒ホワイト⇒ホワイトハウス⇒ワシントンD.C.、という流れで、ワシントンライスです(笑)」
ホワイトからホワイトハウスという連想ゲーム、私には真似できません。格好いいですね!
「我まんま」のボルガライスは、ガリっとしたカツの衣が力強く、オムライスの卵はふんわり。デミグラスソースが合います。
オムライスのケチャップ味は控え目で、口の中で味が渋滞しません。ボリューム満点ではありますが、ある日の夜ごはんで伺った際に、ひとりで完食してしまいました。
喫茶店に行くような気軽さで上質肉を楽しむ
「自家製濃厚プリン(380円)」をデザートにいただきました。
大好きな”とろけない”プリン!手作り感あふれる舌触り、たまりません。
巨大な肉塊や熟成肉など、「肉ブーム」はまだまだ続きそうですね。おしゃれなお店をたくさん見かけますが、フラッと訪れるには少し敷居が高く感じることも。気軽に、友だちの家に行くような感覚でおいしいお肉をいただけるのが「我まんま」です。
なんと日曜日の午後には、料理教室も開催中(申込みが2名以上の場合のみ実施)!どこまでアットホームなんでしょう……。料理は苦手ですが、やさしい笑顔の舟橋シェフに教えていただけるなら参加したいです。
まずはその前に、「我まんま」名物のひとつである「究極の原価ステーキ」をいただかなければ。
訪れるたびにお肉との素敵な出会いが待っているお店です!
お店情報

- ジャンル:洋風居酒屋
- 住所: 〒111-0035 東京都台東区西浅草2-1-8
- エリア: 浅草
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電話番号:090-8745-8539
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
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著者プロフィール
85年生まれの自意識過剰な銀座OL。人生の楽しみは食べること。”食べものエッセイスト”を自称し、ブログ「言いたいことやまやまです」にて食べもの関連記事を公開中。好物はスーパーの総菜コーナーの白身魚フライと、料理の汁に浸した白米ORパン。糖質制限は諦めたのでビールと日本酒ばかり飲んでいます。
ブログ:言いたいことやまやまです
Twitter:@やまま
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