今回の料理:春待ちおでん
花よりおつゆ
枝元 今年は桜の開花が早かったですね。でも、花見に行っても夜は寒いことあるし、体も冷えちゃうじゃないですか。そんな時、おでんが食べたいって思うんですよね。
西原 地べたに座って下から冷え、上からも冷えてくるから、温まろうと思って日本酒を飲むでしょ? すると泥酔して、土に返ってしまいますから。
枝元 ははは。なので、人を待ちながらおでんを作るといいなって。名付けて、春待ちおでん!
西原 素晴らしいですね。
枝元 西原さんはおつゆが好きなので、多めにしました。せっかくだから、ちくわにアスパラも入れるよ。キュウリみたいに穴に詰めよう。
西原 あ、アスパラだと詰めるの簡単ですね。これ、居酒屋で380円だったら頼んじゃう。
枝元 へへっ。穴に詰めるのをやりたかっただけなんだよね。でも、アスパラが入っているだけで春らしい気持ちになるでしょ。
西原 すてき! おしゃれおでんですね。おでんと言えば、しょうゆ色でコンニャクやら練り物やら茶色いものがいっぱいだけど、これはとってもきれい。
枝元 最後にはんぺんとスナップエンドウを入れて、ひと煮立ちしたらできあがりです。エンドウも春っぽい。さっと煮るだけで食べられます。私、大人になってからは、おでんは塩味で食べることが多いの。以前住んでいた近くに「おかめ」というおでん屋さんがあって、そこが私の理想型。すっごくおいしいのよ。
西原 塩味は知らなかったです。東京だと真っ黒の関東炊きってあるけれど、あれに漂うちくわぶをみたら、投げつけてやりたいですね。
枝元 味は淡泊なので、粉ザンショウをふるとおいしい。おかかをふって、少ししょうゆをたらして食べるのもお勧めだよ。
西原 うーん、幸せの塊。はんぺんは冬のお布団みたい。このおでん、見た目がものすごく上品で、高級な料理本の表紙を飾りそう。
枝元 おっほっほっほっほっ。
西原 おつゆも最高。これだとお酒1杯でつゆ3杯を飲んじゃいそう。全然お酒が入らなくなっちゃう。
枝元 でも絶対体にいいですよ、その方がね。
西原 飲み会でお酒が苦手な人は、ずっとこのつゆを飲んでいればいいですよ。おいしい!
【構成・矢澤秀範、写真・根岸基弘】
春待ちおでん
材料(4人分)
作り方
- 鶏は沸騰した湯に入れて表面の色が変わるまでさっとゆで、ざるに上げてすすいでアクを落とす。鍋に分量の水と昆布を入れ、沸騰してきたら鶏と皮をむいたカブ、塩を入れて20分ほど煮る。
- ちくわの穴にグリーンアスパラを詰めて斜めに3~4等分する。鍋に追加し10分煮る。
- 4等分にしたはんぺんとスナップエンドウを加えて2分ほど煮る。
- 器に盛り、好みで粉ザンショウやからしを添える。
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