こんにちは! ほそいあやです。
アヒージョにイカの塩辛を入れるのは、わりとポピュラーですね。
海産物はアヒージョに合うし、肝がコクをもたらしてくれます。
今回は、アヒージョ好きでもあり塩辛好きでもあるわたくしが、 個人的興味のみでいろんな塩辛をアヒージョに入れてみようという企画でございます。
とくにルールはありませんが、具は淡泊なキノコがわかりやすいと思い、エリンギで統一しています(それ以外の材料はオリーブオイル、にんにく、鷹の爪)。
さあ、塩辛の瓶を引っ提げてアヒージョの旅に出かけよう!
かつお(酒盗)
まず安全なところから。やっぱり酒盗かなと思いました。
スーパーで売られている酒盗は甘みも加えられ食べやすく調味されていますが、これはめちゃくちゃ塩辛いやつです。原材料はかつおと塩のみ。
このまま食べるとちょっとしょっぱすぎるので持て余していました。アヒージョがうまくなるのならこれ幸い。
ちょっと入れ過ぎた感はありますが、すごくいい匂いです。
いただきます! うん、アンチョビっぽい。シンプルにおいしいです。手に入りやすいし、アヒージョ用にストックしておくとラクチンですね、酒盗。
かつお(酒盗)
おいしさ ★★★★☆
安心度 ★★★★★(誰の口にも合うかどうかの度合い)
珍味度 ★☆☆☆☆
星採点はあくまで個人の感想です。
さば
続いても絶対おいしいであろう「古のさば塩辛」。さばと塩のみで、塩を強くした長期保存可能タイプ。
こちらのおいしい塩辛屋さん「駿河屋賀兵衛」のものです。
秋葉原の「ちゃばら」で買えます。店員さんが「ほぼアンチョビです」といっていた通り、味も形状もアンチョビペーストそのもの。
入れ過ぎないようにオイルに馴染ませます。にんにくと魚の香りを感じながらぐつぐつ。
臭みもなく、うまみもたっぷり。奇をてらわずオーソドックスなアンチョビ系でいきたい人におすすめ。酒盗やこういうさば塩辛があれば、誰にでもカンペキなアヒージョが作れることがわかりました。
さば
おいしさ ★★★★☆
安心度 ★★★★★
珍味度 ★☆☆☆☆
ほや
海のパイナップル、ほや。こちらも駿河屋賀兵衛の塩辛です。
ほとんどのほや塩辛はそうですが、ほやの繊細な味をじゃましないように、塩は薄め。
夏以外でも購入できるほやということで、ほや好きにはありがたい塩辛です。
わーもったいなーい(笑)。でもすごくワクワクする。あの独特なほやの味がどう出るのか?
身が縮んでチリチリになったほやが怪しげなアヒージョ。しかしガーリックオイルとの相性は悪くない。ほんのりとしたほやの甘みが全体に行き渡っています。味が薄いので、思いきってたくさんいれたほうがいいかも。かなり単価の高いアヒージョになってしまうけどね。個人的には気に入りました。複雑な風味があって奥ゆかしいです。
ほや
おいしさ ★★★☆☆
安心度 ★★★☆☆
珍味度 ★★★★☆
牡蠣
海のパイナップルときたら海のミルクもやっておかないと。こちらも塩気が強いけどしっかりと凝縮された牡蠣の味を楽しむことができます。
牡蠣はアヒージョの具にするくらいだし、おいしくないわけないだろう。
普通のキノコがすごくおいしいものに変身しました。海の味ばんざい!
若干のクセが淡白なエリンギに効果的に働き、珍味としてもイイ線いってる。
残ったオイルでパスタでも作れば二度楽しめます。
牡蠣の塩辛はデパ地下で売られているのでぜひ試してみてほしい。
牡蠣
おいしさ ★★★★☆
安心度 ★★★☆☆
珍味度 ★★★★☆
うるか(鮎)
このあたりで「川の味」も試してみましょう。苦うるか(鮎の内臓)です。
ほろ苦さが特徴の苦うるかは、そのまま日本酒の肴となる珍味です。
これも保存性を高めるためとてもしょっぱいですが、口に入れると芳醇な川の味を楽しむことができます。
色がイカ墨みたいですね。アヒージョの運命はいかに?
肝色に染まったアヒージョ。真っ黒いオイル……何も知らずに出されたらちょっとびっくりするかもしれませんね。まあイカ墨のアヒージョというものもあるし、見た目は気にしない方向で。
さて、うるかという個性のある「純・日本の珍味」がアヒージョになるとどうなるのかというと……
おお、さっきの牡蠣と同じように、クセが良い方向に働いている。日本酒に合うアヒージョの決定版かもしれません。川くささ(こう書くとまずそうだけどそんなことないです)がにんにくとタッグを組むとこうなるんだ。新しいイタリア食材を使った料理、みたいに脳が変換されます。川の珍味も懐が深いなあ。
ただ、やはり人を選びますね。うるか好きは是非やってみて。
うるか(鮎)
おいしさ ★★★☆☆
安心度 ★★☆☆☆
珍味度 ★★★★★
黒さ ★★★★☆
あわび
房総の朝市で衝動買いをしたあわびの塩辛。あわびの肝は大好きなので期待して食べてみると、これも超しょっぱい! で、冷蔵庫の肥やしと化していました……。
「しょっぱけりゃアヒージョにしてしまえばいいじゃない」っていう企画ではないんだけど、結果そうなってるな。
ひとさじ投入。たちのぼるあわび肝の香りが脳天を刺激する。キッチンが磯になったようだよ。
冷蔵庫の肥やしだったあわびの塩辛は、いまここに生命を吹き込まれたように生き生きと甦ったのであった。
うるか以上に黒いアヒージョになりました。
高級珍味なんだという主張を感じさせる存在感。さてさて味は?
ハチャメチャにうまいぜ!
色以上に高級珍味を主張しているぞ。ひとさじしか入れてないのに全部あわびに染まるからおトク感半端ない。おいしすぎてオイルも余裕で飲める。
あわびの肝すごいわ。ねっとりとしたコクが純白のエリンギを染め上げる。エリンギの歯ごたえも相まってあわびそのものを食べているみたいだし、アヒージョの進化を見ちゃった気がする。
しょっぱすぎたことが怪我の功名となり、思いつきとはいえこんな有効活用ができたのは奇跡かもしれない。
あわび
おいしさ ★★★★★
安心度 ★★★★☆
珍味度 ★★★★★
黒さ ★★★★★
番外編 スクガラス
アイゴという魚の塩漬け、スクガラスです。沖縄の居酒屋にいくと小っさい魚が乗った豆腐がでてきますよね。あれです。
何となく開けるのが怖くて棚にしまい込んでいました。何で怖かったのだろう。ホルマリン漬けにされた魚たちのように見えたのか……
賞味期限は見なかったことにして、いざ開栓。
沼が現れました。
ザ・魚の死骸感が否めない。でも匂いは大丈夫そう。ナンプラーとかそんな感じの匂い。魚醤みたいなものなので当然ですね。あとこれもめちゃしょっぱいので大丈夫でしょう。
熟成されておいしくなっているかもというポジティブシンキングで鍋に放り込みます。
鍋に入れた途端に健全な魚に見えるふしぎ。このままでもおいしそうじゃないですか!
香りが出てきたらエリンギを入れてさらに煮込みます。
あれー? おいしい!
魚醤らしいうまみが無限に広がる。深みのある仕事をしてくれています。塩辛よりは多少生臭さがあるけど気にならないレベルです。
もっと早く開けるんだった。アイコちゃん、死骸とかホルマリン漬けとかいってすみません(土下座)。
スクガラス
おいしさ ★★★★☆
安心度 ★★☆☆☆
珍味度 ★★★★☆
塩辛すごい
以上、「アヒージョに入れるべき塩辛はどれか?」の実験でした。塩辛やるなあ。そもそも肝炒めなる料理があるのでおいしいことはわかるのだけど、アヒージョの調味という役割で活躍するのは便利だし、アヒージョ用のお気に入りの塩辛を揃えるのもこれまた楽し! ってかんじ。
アヒージョ好きのそこのあなたも、お気に入りの塩辛を見つけてみてはいかがでしょう。
牡蠣のアヒージョに牡蠣の塩辛を入れたらさぞかしうまいだろうと思ってやってみたけどキノコほどの感動はなかったです
美味しい塩辛がいただけるお店はこちら
駿河屋賀兵衛
住所: 東京都千代田区神田須田町1丁目25-4 マーチエキュート神田万世橋1階
TEL:03-5295-0310
プロフィール
ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
ブログ:http://seiten4go.com/
Twitter:https://twitter.com/hosoi/