回転焼きや回転饅頭、あるいは今川焼などと呼ばれる、あんこが中に入った焼き饅頭は、手軽に食べられる和菓子として好きな人も多いのでは? 今回は鹿児島県内でも薩摩半島南部の南薩地方にしか店舗がない「栗乃屋」を紹介します。
栗乃屋は創業から30年、吹上本店、金峰大坂店、川辺店と3店舗を構えており、南薩地方に住む人にとってはすっかりなじみの店です。3店舗とも主要幹線のロードサイドにあるテイクアウト専門店で、普段のおやつとしてだけでなく、どこかに出かけるときのお土産として買い求める人も多いそうです。
今回お邪魔したのはその中の金峰大坂店、鹿児島市と南さつま市を結ぶ県道20号線沿いにあります。
↑お値段もリーズナブル。高くても100円(税抜き)です
店長の福地さんによると、実はここ金峰大坂店が栗乃家発祥の地。現在の吹上本店では販売も行っていますが、中身のあんこなどを製造することがメインなのだそう。しかもあんこは100%北海道産の小豆を炊き、丁寧に手練りで仕上げる完全手作り。
季節によって若干甘さを変えているという細かい味の調整も飽きずに食べられる秘密なのだとか。
さらに生地となる小麦粉は純国産の小麦をブレンドしたもの、卵は枕崎産の産みたて「もみじ鶏卵」を使用と、1個90円ほどの饅頭にしてはかなりのこだわりようなのです。
さらにさらに、「生地は冷めてもなるべく固くならないように工夫されている」とか「抹茶あんには宇治の抹茶を使っている」「レアチーズ饅頭のチーズはニュージーランド産」など、社長さんの素材へのこだわりをたくさん教えていただきました。
そんなこだわり素材で作られる16種類の饅頭ですが、やはりスタンダードな白あんと黒あんの2種類が人気とか。
↑焼き立てはアツアツ!
↑栗もお店独自の味付けをしているという栗白あん、栗黒あん饅頭
ほかにも大きな栗入りの饅頭もおススメだそうです。
↑よもぎ餅入りのよもぎ饅頭
変わり種としてはレアチーズ饅頭やチョコレート饅頭、カスタード饅頭など、あんこが苦手な人でも食べられるものや、鹿児島らしくさつまいもをあんこに使ったさつまいも饅頭、鹿児島の郷土菓子「あくまき」が入ったあくまき饅頭というものもあります。
↑あくまき饅頭の中はこんな感じ
あくまきはもち米を竹の皮で包んで灰汁(あく)で炊いたもっちりとした食感のちまき。砂糖入りのきな粉をつけて食べられることが多いのですが、まさかあんこたっぷりの饅頭の中に入るとは、地元民もちょっと驚きです。食べてみるとあくまきの周りのあったかいあんこがほどよくなじんで、もっちりトロトロとした食感。これ1個食べただけでもかなりの満足感があります。
↑あんこの甘さときな粉、あくまきのもっちり感が絶妙にマッチ
また福地さんによれば、カスタード饅頭は焼き立てのものも美味しいけれど、夏場は冷蔵庫で冷やしてから食べると柔らかいプリン入りの饅頭のようになるそうなので、機会があればぜひチャレンジしてみてください。
なお、こちらでは3店舗共に地方発送はできません。焼きたてが食べたい、まとまった数で購入したいという場合は、事前に受け取り時間などを電話予約してもらえるとありがたいとのことでした。
ワンコインで買えるこだわりの饅頭、ドライブのおともにもおススメですよ!
↑こちらは吹上本店、国道270号沿い。川辺店は道の駅川辺近く
栗乃屋 金峰大坂店
鹿児島県南さつま市金峰町大坂網ヶ宇都6018
☎ 0120-792710
営業時間 8:30~18:30
休み なし(吹上本店、川辺店は不定休)
駐車場 20台
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。