ラーメンだけじゃ物足りないときにセットするメニューといえば、餃子やチャーハンが定番ですが、鹿児島にはかなり変わったセットメニューのあるラーメン店が存在します。そのお店では、なんとカルパッチョやハンバーグがセットメニューでついてくるのです。
私もネットなどの情報からその存在は知っていましたが、実際に訪れるのは初めて。ちょっとドキドキしながら、そのお店に向かいました。
年季を感じる外観……名店の予感が
そのお店「げんこつ屋」は鹿児島県の大隅半島、大崎町という町にあります。
大隅半島のほぼ中央にある鹿屋市から国道220号を宮崎方面に向かう途中、国道沿いに立っています。
店構えはかなりの年季を感じる、ひと昔・・・いや、昭和の「大衆食堂」を連想させる造り。
交差点のすぐそばなのですが、コンビニや隣の店舗などの看板のほうが目立っていて、うっかりすると通りすぎてしまいそうなほどです。
店内に入るとそこはジャズが流れてはいるものの、テーブル席や小上がりの座敷席が並び、これまたレトロな雰囲気です。席についてメニュー表を手に取ると・・・
お昼のみのラーメンランチ930円
前菜(和牛のカルパッチョか魚介類のマリネから選択)、小ラーメン、ハンバーグ、チキンカツ、ご飯ですか~。
えええっ!?
前菜って? ハンバーグにチキンカツって!?
そうなんです。こちらのお店の名物ランチ、なんとラーメンに前菜やハンバーグがついているのです。
しかも和牛のカルパッチョやハンバーグはもちろん、ラーメンも自家製麺、ソースやドレッシングまで手作りという、かなり気合の入っているお店なのです。
ラーメンの前菜にカルパッチョ!これは斬新
オーダーを済ませ、セルフサービスの麦茶を飲みながら待っていると、まずは前菜が運ばれてきました。
おお~、前菜とはいえかなりボリュームのある和牛のカルパッチョ! 盛り付けもお皿もオシャレですが、安心してください、お箸しかありません!
ということで、お箸で気兼ねなくカルパッチョをいただきます。
なんだかこれだけでもお得な気分になりますが、カルパッチョを食べ終わる頃にお盆に乗って小ラーメン、ハンバーグ、チキンカツ、ご飯の登場です。
↑確かに、セットです
↑なかなか不思議な組み合わせ
ラーメンは鹿児島らしく醤油とんこつ味ですが、自家製麺はかなり細めのストレートで、スープにも程よくなじみます。
そしてブランド鶏・桜島鶏の胸肉を使ったチキンカツと手ごねハンバーグは特製の「みそデミグラスソース」でいただきました。
ラーメンは小サイズとはいえ、チキンカツもハンバーグもランチのメインメニューとしていけそうなサイズ。これだけ品数があるとかなりお腹いっぱいになります。なお、ラーメンは通常サイズにすることも可能です(お値段はかわります)。
もともと20年ほど前にイタリアンのシェフだった方がオープンさせたお店を、現在のオーナーである福元さんが買い受け、今年の6月から7年目になるそうです。ラーメンに前菜などが付くユニークなメニューは前オーナーが考案したものですが、福元さんになってからみそデミグラスソースを子どもでも食べやすいよう甘めにしたり、ラーメンダレの醤油を地元のメーカー産に替えたりと、食材にもこだわりながら、2年ほどの時間をかけ少しずつ味をオリジナルに変えてきたそう。
↑チキンカツは胸肉なのであっさり
↑ハンバーグも柔らかジューシー!
竜田揚げと煮玉子をトッピングした親子ラーメンもあるらしい
ラーメンランチ以外にも唐揚げやとんかつ、フライ類がつくセットメニューもあるほか、ラーメンの単品も鶏の竜田揚げと煮玉子をトッピングした親子ラーメンをはじめ充実しています。
「肉類は塊からカットして下味をつけて、麺も毎朝作るし。仕込みに追われることも多いです」と言いながらも、このユニークなセットメニューは継続していきたいそうです。
最近では全国放送のバラエティ番組にも紹介されたこともあり、九州内だけでなく関西方面から訪れるお客さんも多いそう。なにかと注目のラーメンランチ、日によって数量に限りがあるので、確実に食べたいなら早めに来店を。
↑大崎町といえばこの大きなカブトムシ!
↑道の駅あすぱる大崎のシンボルです。お店はココから1kmも離れていません
紹介したお店
らーめん厨房 げんこつ屋
☎ 099-476-4917
営業時間 11:00~14:15LO、18:00~21:00LO
休み 火曜
駐車場 8台
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。