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もはや食紅…? 根菜「ビーツ」で料理を赤く染めまくったら、良いことばかりだった

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ビーツという野菜がある。見た目がカブに似ている、地中海沿岸が原産の根菜だ。日本には江戸時代頃に入ってきて、「火焔菜」という名前がついた。少年漫画の必殺技のような漢字の並び。実にカッコいい。

このビーツは、ベタシアニンというポリフェノールを含むなど、栄養面でも優れている。そして、料理に入れると全てを赤くするという特徴もある(料理によるけど)。そこで全てを赤くしてしまおうと思う。

 

ビーツを刻め!

ビーツと言われてもあまりピンと来ない人も多いと思う。日本に入ってから、かなりの時間が経っているけれど、年がら年中スーパーに並ぶ野菜かと言われるとそうではない。ロシアのボルシチに使われているのがビーツである。

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どうもこの記事を書いている地主です!

国内でも熊本や茨城、北海道などで生産されている。砂糖大根の仲間なので、ほのかに甘いという特徴もあるし、何より赤いというのが最大のポイント。驚くほど赤いのだ。赤を通り越して、逆に黒いと言ってもいいかもしれない。

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これがビーツです!

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そして、赤いです!

ビーツの旬は年に2回あり、6月7月と11月12月がその期間となる。ただし、缶詰にもなっているので、割と年中食べることができる。生で食べることもできるし、火を通して食べても美味しい。今回はそんなビーツで普通の料理を赤くしたいと思う。

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包丁が何かをさばいたあとみたい!

レッドシチューを作る

今回は

  • レッドシチュー
  • レッドライス
  • レッドスムージー
  • レッドピクルス
  • レッドマッシュポテト

を作ろうと思う。せっかくなので同時にレッドではない普通のものも作って、色を比べる予定だ。

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まずはシチューを作ります!

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食材を切って二食鍋にそれぞれ入れ、

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片方にはビーツを入れる!

ビーツに特別な処理は必要ない。生でも食べられるくらいだから、普通の野菜と一緒でいいのだ。皮をむいてそのまま。ただポイントとして、より赤を出したい場合はミキサーにかけるとよい。そうするとさらに美しい赤い料理となる。

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ミキサーで、

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ペースト状にして、

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鍋に入れる

ビーツ以外は普通のホワイトシチューと分量などはすべて一緒。牛乳を入れ、ホワイトシチューのルーを入れる。ただし、完成品は普通のホワイトシチューとは異なる。勾玉みたいになるのだ。

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はい、完成!

レッドピクルスを作る

次はレッドピクルスを作ろうと思う。これも普通のピクルスを作る方法と一緒で、唯一違うのはビーツを入れるか否か。ビーツを入れるだけで鮮やかな赤になるのだ。ビーツ以外は、大根とカリフラワー、キュウリだ。

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これが材料で、

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食材を切って、

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酢を入れて、

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こういうのを入れて、

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あとは待つだけ!

ペースト状にしたビーツを入れてないのに、この差。しかも、すぐにこの差。ビーツの赤さがいかに強いかわかると思う。ビーツは生だと若干泥臭いという人もいるので、酢でそれが消えるのはないかと思う。私は生でも泥臭いとは思わないけど。

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駄菓子みたいなのが完成!

レッドマッシュポテトを作る

次はレッドマッシュポテト。普通に作っているだけなのに、ビーツを入れるだけで赤くなり、いつもの料理が急に華やかになって行く気がする。マンネリ化した料理に一番手軽に変化を与えることができる方法ではないだろうか。

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これが材料で、

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じゃがいもを細かく切ってからレンチンして、

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マッシュして、

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キュウリとビーツを投入!

マッシュポテトにキュウリを入れるのか? という疑問はあるけれど、ポリポリの食感が欲しかったので入れてみた。ここではビーツをペースト状にしたものを使っている。より鮮やかな赤にするためだ。

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赤いね!

レッドライスとレッドスムージー

もう最後の方だ。まずはレッドライス。これは非常に簡単。生でも食べることを生かして、ご飯にペースト状にしたビーツを混ぜるだけ。いま私の家には炊飯器がないので、電子レンジでチンするタイプのご飯を使った。

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ご飯にビーツを入れて、

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混ぜる!

スムージーも簡単。バナナ、牛乳、ヨーグルト、砂糖、ビーツをミキサーに投入するだけ。生食もできるし、火を通してもいいというのは料理の幅が広がっていい。さらに生でもそうでなくても、赤さは変わらない点もいい。ビーツの赤へのこだわり。火焔菜の名に恥じない。

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もろもろ入れて、

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ミキサーでウィーン!

白い料理と赤い料理

これで全ての料理が完成した。全てで普通のものと赤いものを作ったので、その違いを見ていただきたい。といっても、ビーツを入れるか入れないかの違いしかないので、手間は全然かかっていない。

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普通の料理

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赤い料理!

赤い、とても赤い。食紅を入れたわけではなく、全てビーツのおかげ。しかも、この料理に使ったビーツは1つだけなのだ。少量でも全然赤くなってしまうから驚く。赤くすることで、見た目はもちろん、栄養価も高くなるわけだ。

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普通の料理

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赤い料理

見た目が変わるだけで同じ料理と思えない。もちろんビーツが入っているので多少は味が変わる。ほのかに甘い感じだ。ビーツの甘みが出ているのだ。

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美味しいね!

ありなのではないだろうか。手間もかからず、見た目が変わり、栄養価も高くなり、味は温かみ。いいことだらけではないか。特に私は情熱の男ですから、赤がやっぱり似合うのだ。缶詰もあるし、年に2回も旬が来るのもいい。

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元は普通の大根、今は赤い大根!

赤に染めていこう

赤はやっぱり温かみがある愛おしき色なのだ。食欲も出る。もっともここまで赤いと食欲は疑問だけれど、私は食べたい! となった。あと冷静に考えると普通の料理の白さにも驚く。別に普通に作ったつもりが、ほぼ白い料理を選んでいた。

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カッコいい赤だよね!

 著者プロフィール

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地主恵亮
1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「インスタントリア充」(扶桑社)がある。
Twitter:@hitorimono

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