こんにちは。さすらいの畦道ライダー、案内人の林ぶんこです。
今回は四国を代表するグルメスポット、高知市にある「ひろめ市場」をご紹介します。
高知の特産品だけでなくあらゆるジャンルのグルメが揃い、その気になれば朝から夜まで呑めてしまうという、食&呑みに貪欲な高知ならではのパラダイス!さあ、さっそくご案内します!
ひろめ市場とは
JR高知駅より南西方向に歩いて約20分。高知市内の中心部にある「ひろめ市場」は40軒以上の飲食店が集まります。
「お城下広場」や「いごっそう横丁」などのエリアに分けられた広い市場内は、観光客や地元民でワイワイガヤガヤといつも大変賑やかです。
高知は「酒国、土佐」といわれるほど酒好きな県民性で知られており、昼からお酒を飲む「昼呑み」はもはや伝統。市場内では昼呑みはもちろんのこと、朝から一杯やれるお店もあります。
天井にはミラーボールが吊り下げられていたり、招き猫が鎮座していたり、なんともカオスな市場内は、高知の海の幸、山の幸からそばうどん、中華、イタリアン、エスニックにスイーツまで、あらゆるジャンルの飲食店が集まっています。
▼公式HPからダウンロードできるパンフレットに市場内の地図と店舗一覧が記載されています。
施設案内 | ひろめ市場 オフィシャルサイト
では、ひろめ市場を実際に飲み食べ歩き、本当に美味しいお店をまとめて紹介しますよ!
【明神丸(みょうじんまる)】高知といえばやっぱり、カツオのたたき!
バラエティに富んだ市場内ですが、高知といえばやっぱりカツオのたたき!ということで、まずは「明神丸(みょうじんまる)」の「藁焼きカツオたたき」から行ってみましょう。
店の前にはいつも行列ができている人気店ですが、並んでいる間ガラス越しに「藁焼き」の様子が見られます。並ぶといっても藁焼きを見ている間に列がどんどん進んでしまうので、さほど待つ感じはありません。
状態のよい藁を使うことで豪快に炎が立ち、一気に1,000度の高温まで燃え上がります。
これによって表面だけが香ばしく焼き上がり、カツオの旨味がギュッと中に閉じ込められるのだそう。
というわけで、高知・黒潮町産の天日塩がかかった「藁焼きたたき・塩」(中・900円)です。
塩で食べることによって、藁焼きの香ばしい匂いだけがそのまま鼻に抜け、身に閉じ込められたカツオの旨味が噛むごとに、ぶわーっと口中に広がります!
新鮮なカツオならではのプリップリでねっとりとした濃厚な味わい!この至福のおいしさは高知に来ないと味わえませんよ~。
▲ゆずが効いたタレとにんにくを合わせても、塩とはまた違うおいしさ。
ひろめ市場は大きなフードコートのような仕組み。共同飲食スペースでは市場内のお店のものなら飲み食いできます。各店内のスペースにおいても、ドリンク(ほぼアルコールを指します)をそのお店でオーダーすれば、他店からの食べ物の持ち込みもOKという呑み助にはありがたいシステムを採用しているところがほとんどです。
【千松(せんしょう)】クジラってこんなに美味しかったのか!
次は高知以外ではほとんど食べられない珍味に行ってみましょう!
明神丸の斜め向かい、同じお城下広場エリアにある「千松(せんしょう)」は、鯨(くじら)料理の専門店。
本皮の刺身や「オバケ」(尾羽毛・尾の部分)、「おのみ」(尾の付け根部分)などの聞きなれないメニューがカウンターにびっしり吊り下げられています。
これは「鯨さえずり(舌の部分)」(1,000円)。牛で例えればタン(生)です。脂肪分がかなり多いので切るのが大変難しい部位だそう。とろ~り、濃厚で芳醇な味わいです。
葉にんにくをすり下ろして酢味噌で和えた「土佐ぬた」とよばれる緑のタレでいただきます。ちなみにこのタレ、高知ではクジラに限らず、ブリなどの刺身や他のお料理にも使われる万能ソース。
ビールにももちろん合いますが、日本酒にも抜群に合います。高知といえば日本酒ですが、市内に蔵元がある「酔鯨」の大吟醸とダブル鯨で合わせるのもオツですね。
こちらは「鯨の竜田揚げ」(1,100円)。
注文してから揚げてくれるので、アツアツでうま~!全く臭みもないしカタくもない!柔らかくて、鯨といわれなかったら普通にお肉の竜田揚げだと思って食べてしまうかも……。試しに衣を取ってみたらルックスも普通にお肉って感じでした。
【悠楽】海のギャング、ウツボはどんな味?
鯨に続く珍味が「ウツボ」!
「海のギャング」と呼ばれるウツボですが、ここ高知では人気の食材。ただ、骨取り処理が難しいので高知以外では滅多に目にすることがない珍味なのです。高知ではたたきや唐揚げにして食べるのが定番ですよ。
ウツボ料理を食べられるのが千松の隣にある居酒屋「悠楽」。
「ウツボたたき」(1,000円)。獰猛な顔つきからは想像できない、コラーゲンがたっぷりの上質な鶏肉のような、あっさりしたおいしさです。
他県では生しらすと呼ばれる「どろめ」(420円)や「のれそれ」(アナゴの稚魚)、「チャンバラ貝」など、高知ならではの酒の肴をいろいろな店でオーダーして味わえます。
【お惣菜あれこれ】フィーリングで決めたい人にはテイクアウトがオススメ
ここまでお店を紹介してきましたが、見たことも聞いたこともないような料理を注文するのは勇気がいる……という方には、龍馬通りエリアにある鮮魚店や惣菜店、仕出し店を物色するのがオススメ。
テイクアウト用にパックに詰められているので、実物と値段をチェックしてから買えるのが嬉しいですよね。こういったお惣菜も市場内のスペースで食べられますよ!食べきりサイズの小さいパックがあるのも、酒飲みのツボを押さえていますね。笑
カツオ以外にも本マグロがあったり、
隠れた高知名物、サバの姿寿司があったり、ショーケースを眺めるだけでも楽しいです。
気になるものがあれば、イートインスペースで即チャレンジしてみましょう。お値段もだいたいがお手頃価格です。
【バル街】市場といえど、おしゃれな雰囲気のお店もある
「ひろめばる」と「はいから横丁」が交差する市場の北エリアは「バル街」と呼ばれています。立ち飲みテーブルにワインが合います。
このエリアにあるお店、何料理のバルなのかがパッとわかりやすいネーミングになっているんです。
地元高知の食材をタパス風にアレンジした 「バルメシ」、本格ナポリピッツアの 「ピザバル」のほかに、
コロッケやポテトサラダなどが食べられる 「イモバル TOSAYAMA男爵」。こちらでは高知市北部にある土佐山地域で採れた農産物を使っています。
今度は「豚バル デュロック」。四万十町にある自社農場で育てた自慢の三元豚(大ヨークシャー×ランドレース×デュロックの3種を掛け合わせた豚)を提供しています。
赤ワイン片手に昼呑みすれば、本場スペインのバルに来たみたい、幸せ~。
おつまみは、サクッとした香ばしさがたまらない「青さのりの天ぷら」(700円)。
あとはお隣のイモバルから持ち込んだ「土佐ジローの玉子焼き」(500円)。土佐ジローとは高知のブランド地鶏で、その卵は高級品として有名です。
「豚もも肉のアヒージョ」(900円)は上質でさっぱりした豚肉がガーリックオイルにマッチ。全然クドくないので、オイルソースもそのまま飲めちゃうレベルです。
【屋台村】バラエティ豊かな食と酒がずらり
他にも、とても紹介しきれないくらいたっくさんのお店があります。
こちらは土佐あかうしのステーキやハンバーガーが食べられるお店。
高知名物の屋台餃子の老舗店「安兵衛(やすべえ)」もひろめ市場内にあります。
当サイトにも、屋台の安兵衛を取材した記事があるのでこちらも参考にしてみてくださいね。
なんと朝8時から生ビールで朝ごはん(!)の「ビアモーニング」を出しているお店もあります。
酒国土佐を体感できる呑みパラダイスが市場内には本当に本当にたっくさん!
インド料理店、200円でうどんそばが食べられるお店、たこ焼き屋さん、エスニック料理、唐揚げ専門店、シャモ料理店、四万十源流域の茶葉を使った大福やケーキ、お茶が楽しめる店などなど……通っても通っても飽きがきません。
飲食店以外にもお土産屋さんや酒屋さん、洋服雑貨のお店、リラクゼーションサロンまで個性的なお店が集まるひろめ市場。グルーブ感てんこ盛りな場内の一角に佇むこの方も「まっことカオスぜよ……」と少々困惑気味??
元気な高知を体感できるひろめ市場
旨いものを求め、観光客から地元民、老いも若きも幅広い年代の人々が集まり、いつもワイワイ賑やかなひろめ市場。
少し離れたところでメニューを観察していても、店の人と目が合えば「うちの〇〇は高知で一番旨いき、食べていきや~!」と人懐っこく店の前へと誘われます。オススメしてくれたメニューがまた美味しいんです!その「美味しいね!」というお客の笑顔と反応が、パワフルな店主たちの元気の源になるんだそう。
山海の幸に恵まれたグルメ県、高知の魅力がぎゅっとつまったひろめ市場で、陽気な高知県民と昼から一杯酌み交わせばそこはもうパラダイス!
羽田から高知龍馬空港までは1時間20分、毎日10便が運航しています。次の週末は美味しさと楽しさあふれる、食いしん坊&呑み助天国のひろめ市場にぜひ極楽体験をしに来てくださいね!
紹介した施設
ひろめ市場
住所:高知県高知市追手筋2-5-11
TEL:088-822-5287
公式HP:https://hirome.co.jp/
さて、最後に。2017年7月のしまなみ海道食べ歩き記事より約2年、15本の四国(というかほぼ愛媛)のグルメ記事を書かせていただきました。読者のみなさん、そして編集部のみなさん(というかほぼNさん)お世話になりました。2年間どうもありがとうございました!次は四国でお会いしましょう!