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「ここはお魚天国…」福岡・大手門の食事処「ごはんや 飯すけ」で魚のおいしさにハマッてしまった

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日本でも指折りの“魚がうまい土地”だと言われている福岡

 

その理由は、良質の漁場・玄界灘やディープな魚介の生息地・有明海がすぐ近くにある立地に加え、物流の発展で東九州や山陰、瀬戸内など海流の種類や温度が違うエリアの魚も福岡の市場に集まるようになったからだといわれています。

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福岡の台所といわれる長浜鮮魚市場(写真:提供/福岡市)では、年間約300種の魚を取り扱っているそう。「魚の種類が豊富な土地柄ゆえに、料理人たちの技術や知識が底上げされ、調理レベルが上がるという効果も生まれている」という人もいました。

 

今回は、そんな福岡の魚に魅力を感じ、「本格派の魚料理を、誰もが気軽におなかいっぱい楽しめる定食屋」を作った、ある和食料理人の店をご紹介しましょう。

 

魚料理に特化したカフェのような定食屋さん

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福岡随一の繁華街・天神の西側に位置する、福岡市中央区大手門長浜鮮魚市場近くにあるこのエリアは、大小問わず名店が集まるグルメ激戦区のひとつ。店主の個性が光る、バラエティ豊かな料理をそれぞれの店で堪能できます。

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今回ご紹介する「ごはんや 飯すけ(はんすけ)」もそのうちの1軒。昭和通りから一歩北側へと進んだ細い路地沿い、うどんの人気店「讃岐うどん志成」と同じ建物内に店を構えます。

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店主の三宅悠介さんは、山口・萩や東京群馬草津温泉割烹や旅館で10代のころから腕を磨いたという、和食の道13年という料理人。

 

故郷の福岡県から離れた場所で和食の勉強をするうちに、“福岡の魚のおいしさ”を再認識。「商売をするなら九州の魚で…」と、2016年1月、幼いころから親しんできた大濠公園から徒歩約5分のこの場所に、念願だった自分の店をオープンさせました。

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メインメニューは肉を一切使わず、“魚オンリー”。仕入れは、福岡長浜糸島姪浜や長崎と鮮魚市場を変えながら、旬のモノや鮮度抜群の魚を毎朝三宅さん自身が厳選。調理も、魚体の大きさや脂の乗り具合によって最もおいしく感じられる方法を選ぶというこだわりようです。

 

その日の仕入れ状況に応じて決定するという品書きは、刺身・炙り・焼物・煮物・揚げ物・干物など、海の状況にもよりますが常時15~25種の定食メニューを用意。日替わりのご飯&日替わりの味噌汁付きで、昼・夜問わず、それらを楽しむことができます。

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“ご飯と魚が美味しいお店”というコンセプトの通り、お米は日本全国から取り寄せた精米を使います。店内の壁にはその時期においしいとされるお米4種が掲げられ、それらを日替わりのローテーションで提供。「1時間に1回ぐらいのペースで炊いている」というぐらい、“炊きたて”にもこだわります。

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店頭のちょうちんやのれん、箸袋などに描かれている、お店のロゴも印象的でした。イラストレーターである三宅さんのお姉さんの作品で、お店のコンセプトを魚とお茶碗をモチーフにデザイン。目は米粒をイメージしているそうです。

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一品料理も豊富です。この日、カウンターの頭上に掲げられていた魚料理は17品。こちらも日替わりで、三宅さん自らメニューを入れ替えているそうです。

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左側の赤いボードに書かれているメニューは夜限定。人数によって量を調整できる刺盛や野菜の天ぷら盛り合わせなどがありました。事前予約になりますが、3,000円以上からコース料理も用意できるそうですよ。

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夜は、“おいしい魚が食べられる居酒屋”としても高い人気を誇ります。なかには、魚料理で一杯やり、最後にご飯と味噌汁で締める人もいるそう。

 

日本酒・焼酎・ワインなどアルコールのメニューは多彩で、日本最古のワイナリーといわれる山梨県「まるき葡萄酒」の赤白ワイン(グラス1杯500円・フルボトル3000円)や福岡の地酒メーカー・三井の寿が作る白い梅酒(600円)といった珍しいお酒、寒い季節にピッタリのふぐヒレ酒(700円)もありました。

 

日本酒は、福岡の地酒を中心に常時10種を用意。お酒の味わい方を丁寧に紹介している品書きには、三宅さんの優しさを感じました。

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「定食の魚料理は、メインのみでも注文できます」と三宅さんに教えていただき、今回は「本日の刺身定食」から多彩な魚が楽しめる「刺身の盛り合わせ」、「メインのみ」で、福岡では代表的な魚である「おこぜの煮付け」をオーダー。店奥のセルフコーナーに用意されている漬物とお茶をとって、できあがりを待つことにしました。

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こちらは、そのセルフコーナーです。日替わりで用意される漬物4種のほか、薬味、ふりかけも用意されています。漬物は取り放題。自分好みの味や量にあわせて自由に選べるところもうれしいですね。

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テーブルとカウンターをあわせて最大24席まで対応できるという店内は、「女性ひとりでも気軽に利用できるように」と、白と木目を基調にしたカフェのような空間を演出。席の間は広くとられており、ゆったりとくつろげる雰囲気でした。

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ソファクッションが並べられた席の壁には、かわいいイラストを配置。こちらも、三宅さんのお姉さんのデザインだそうです。

 

新鮮な魚を炊きたてご飯&具だくさんの味噌汁で堪能

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待つことしばし。テーブルに注文した料理がそろいました。まずは、「本日の刺身定食 盛り合わせ」(1,600円・時期によって料金の変動あり)から。

 

「シンプルで豪快な料理が好き」という三宅さんの言葉どおり、和食の基本である“一汁一菜”の献立でありながら、主役である刺身の盛り合わせは1人前とは思えないぐらいの種類があり、見た目も華やか。和食料理人として経験を積んだ三宅さんの丁寧で繊細な技法も感じることができます。

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常時6種以上の魚が用意されるという刺身の盛り合わせは、ラッキーなことにこの日はなんと9種も楽しむことができました。いずれも福岡近海のもので、左奥から順にアジ・アラ・カツオ、中段がイサキの炙り・中トロ・ウニ、下段が地ダコ・ヤリイカ・シメサバ。醤油は「ご飯にも合うように」と、甘めで濃口のものが添えられていました。 

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どの魚も脂が乗り、身が締まっていて美味。特にシメサバはこんな鮮度で食べることが一般的には難しく、漁場に近い福岡ならではの特権と言えるでしょう。

 

品書きには「ちょこっと刺身」(300円)というメニューもありました。とことん魚を味わいたいという時は、定食メニューにこの一品を追加していいかもしれませんね。

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こちらは、単品でオーダーした「おこぜの煮付け」(1,600円・時期によって料金の変動あり)になります。

 

福岡では馴染みのある“おこぜ”も、全国的に見ると、“めったにお目にかかれない高級魚のひとつ”。今まで唐揚げでしか食べたことがなかったので、「煮付けにして提供している店はあまりない」という三宅さんの言葉に誘われ、思わず注文しちゃいました。

 

漢字で「虎魚」と書く凶暴な見た目の魚ですが、身はふわっとしていてやわらか。煮汁もほどよく染み込んでいました。ほかにもトンマやアラカブなど、気になる魚料理がたくさんありましたが、それはまた別の機会に…。

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味噌汁も日替わりです。この日の具材は、揚げナスと三つ葉と揚げ。野菜は、糸島産を中心に季節を感じられるものを使うそうで、タケノコ、モロヘイヤのほか、三宅さんが大好きだというセリが入ることもあります。和食店仕込みの優しい味わいで、身も心もほっこり。お酒の締めにもピッタリです。

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この日用意されたお米は、山形産の「つや姫」でした。良食米・コシヒカリをしのぐおいしさといわれており、近年急激に人気が高まっているブランド米。炊きたてで味噌汁や魚料理との相性も良く、箸がどんどん進みます。

 

ちなみに、ご飯の大盛りは無料で、お代わりの場合は+100円(味噌汁のお代わりも同料金)。バランスの良い和食の献立とおなかいっぱいになれるサービスを目当てに、「週5日来店する人もいる」というのも納得のおいしさです。

 

「シンプルな料理だからこそ、和食の基本を忠実に守り、細部まで丁寧に調理する」という三宅さん。寒い季節は魚の脂が増して、さらにおいしくなるそうですよ。

 

福岡で食事をする際はぜひ、その日一番の魚が味わえる大手門の「ごはんや 飯すけ」さんをお忘れなく!

 

オープンして間もないころからお店のカウンターで愛嬌を振りまく、カメの「ごんすけ」くんも待ってま~す↓↓ 

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紹介したお店

電話:092-725-3366

営業時間:11:30~15:00OS、18:00~22:00OS

定休日:火曜・水曜の昼

 

書いた人

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ニシダタケシ

福岡九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。

流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。

憧れの人は出身校の大先輩・タモリさん。グルメレポではたま~にデカ盛りにも挑戦しますよ!


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