こんにちは。ライターの斎藤充博です。「ムーガタ」って知っていますか?
「ムーガタ」とはタイで食べられている、豚の焼肉と鍋料理をあわせた物です。ネットでは「焼肉としゃぶしゃぶのいいところどり」なんていわれていたりします。
……なんだそれ。食べてみたい!
日本ではまだ少ないムーガタを出すタイ料理店
ということで、地下鉄三田駅近くにあるタイ料理店「Muu Tokyo」にやってきました。タイでムーガタはポピュラーな料理ですが、日本ではまだ出しているところが少ないそうです。
この店、オシャレですね。タイのリゾートみたいな、さわやかな雰囲気です。今までの人生でタイのリゾートに行ったことはないですが、なんとなくそんな感じがします。
タイビールで乾杯!
まずはビールから。シンハー(580円)やチャーン(580円)といったタイ定番のビールが用意されています。
小瓶をラッパ飲みするのがこの店のスタイル。この夏メチャクチャ暑いですからね。タイビールを一口飲めば、もうそこはタイ現地……。気分高めていきましょう。
タイのソーセージ、サイウァー
ムーガタの前に、おつまみ食べてみましょうか。サイウァー(580円)というタイのソーセージです。
うめー。辛くて、いろんな味する。ソーセージだけでもけっこう辛いのに、薬味に唐辛子がついているのがすごい(僕は唐辛子残しました)。
タイ風焼きナス、ヤムマクア
ヤムマクア(580円)。「タイ風の焼きナス」と聞いて注文してみたんだけれども、肉やらエビやら色々入っている炒め物でした。これもビールがすすむ。
いよいよムーガタに
そろそろ、今回のお目当ての「ムーガタ」にいってみましょうか。
スタンダードなムーガタセットは1人980円。注文すると、謎な形の鍋がセッティングされます。ちょっとジンギスカンみたいな感じ。
鍋の中央に置かれているのは豚の背脂。これを鍋の出っ張り部分によくこすりつけて、油をなじませます。周りのヘコんでいるところには豚骨と鶏ガラからとったスープを入れます。これでスタンバイOKらしい。
豚の肩ロースとバラ(写真は3人前)がやってきて……
鍋のでっぱり部分で焼いていきます。鍋のヘコんでいる部分には、モヤシ、豆苗、桜エビ、春雨などを入れていきます。
これ、豚の脂が溝を伝ってヘコんでいる部分に流れていくのが一目瞭然ですね。このシステムを認識した時点で、うまいことが一分の隙もなく完全に確定しました。
それにしても、肉がでかいな~。いいよ~~。でかいぶんには全然いい!
4種類のタレが楽しい
タレは4種類用意されています。
・タマリンド
「タマリンド」は果物の一種。ペーストにしたものがタイではよく調味料としてつかわれるそうです。食べてみるとすごくコクが深い。デミグラスソースを思い起こさせるような味。
・タイのナンプラー
唐辛子が入っていてちょっとピリ辛になっています。これが一番好きかも。
・スイートチリソース
甘辛でいかにもタイっぽい味。焼いた豚肉に意外とよくあう。
・和風のナンプラー
タイのナンプラーよりも酸味が強い。酢醤油に近いような味がします。
焼くだけじゃなくて煮るのもいい
うまみの海(鍋のへこんでいるところで煮た野菜たちを先ほどからそう呼んでいます)を小鉢にすくいあげたもの。約束通りうまい。スープには、和風ナンプラーがよくあう。
野菜だけでなく、肉を煮るのもアリ。「焼肉としゃぶしゃぶのいいところどり」ってのはこのことかー。
ダシで煮た豚肉。いうまでもなくうまい……。タイってこんなものしょっちゅう食べてるの?
なに食べてもけっこううまい
追加で豚舌(450円)。それからラム(580円)も注文してみました。
パクチー(300円)にエリンギ(180円)も。
フライドポテト(480円)にタマリンドのタレをつけて食べる。これもうまい。
タレは4種類あるんですが、取り皿は一つ。必然的にちょっとずつ味が混ざりあうんですが、その混ざった感じもおいしいです。すごくおおらかで自由な料理だ。
みんなワイワイいいながら食べています。余談ですが、僕以外は全員女性で、ずっと脱毛と豊胸の話をしていました。男なのでいまいち盛り上がりに入れない……。
シメは雑炊で
シメに注文したのは「トムヤムチーズ雑炊」です。うまみの海の中に真っ白い飯がおぼれてゆくのは、冒涜的ですらある……。
これどう見てもヤバいよなー。
この雑炊、うまみ成分が強すぎて、眉間に深く険しい縦じわが寄りました。これでまた酒が飲めてしまいそう。ぜんぜん「シメ」にならないよ!
タイの少年達も食べたがっていたムーガタ
さてタイといえば、洞窟に少年達が閉じ込められたニュースが記憶に新しいです。救助隊員の1人に犠牲が出てしまいましたが、少年達は全員洞窟から救出されました。
その少年の1人が、洞窟に閉じ込めていたときに「もし出られたらムーカタ(焼き肉)店に連れて行って」というメッセージを出しています。
家族へ「心配しないで」 タイ洞窟 少年らのメッセージ公開|【西日本新聞】より
タイの少年が、ものすごく心細いときに思い出していたのは、この味だったのか。出られた今、食べに行ったのかなあ……。そう思うと、ただうまいだけじゃなくて、感慨深いです。
というわけで、日本でまだ珍しいムーガタでした。 おいしいし、楽しい。毎日メチャクチャ暑いけれども、ムーガタを食べて「ここはタイだ」と思い込んでみるのも楽しいかもしれません!
行ったお店
Muu Tokyo
r.gnavi.co.jp住所: 東京都港区芝4-13-13 西島1・2F
電話:03-3451-5722
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
プロフィール
斎藤充博
1982年生まれの指圧師(国家資格所有)。著書『子育てでカラダが限界なんですがどうしたらいいですか?』(青月社)が好評発売中。
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ホームページ:田端ふしぎ指圧