【はじめに】
御朱印とグルメを楽しむ本企画。都内の神社仏閣に参拝し、御朱印をもらいつつ、街を探検しておいしいグルメを探しています。これまで秋葉原、新橋、人形町、白山などを巡ってきました。今回は東京スカイツリーのふもと、押上の老舗でいなり寿司を食べ、「むすび」の神様へ参拝してきました。
※筆者の御朱印へのハマりっぷりについては第1回記事をどうぞ!「御朱印って何なの?」という方も、ぜひご覧ください。
2018年も始まって少し過ぎたという1月、私は東京・押上に来ていました。
押上で目を引くのが、そう、2012年に開業したスカイツリー。こちらもスポットとしては魅力的な場所ですが、今回の目的地はこちらではありません。
まさか「いなり寿司専門店」が存在していたなんて
都営浅草線、京成押上線、東京メトロ半蔵門線「押上駅」から185m。歩くと3分程度でおしなり商店街にある「味吟」へ。老舗らしい渋い佇まいです。
こちらのお店は創業昭和45年。いなり寿司を軸に、かんぴょう巻など限られたメニューで勝負している専門店です。世の中にはいろんな専門店がありますが、いなり寿司の専門店があったとは……!
入店すると、てきぱきといなり寿司を作る職人さんたちが笑顔で迎えてくれます。一見さんでも入りやすいはず! 職人さんたちの笑顔に癒されました……。
席に着くと、お店の方が「まじり1人前(680円)でいいですか?」と声をかけてくれました。
まじりとは、お店の人気メニューであるいなり寿司とかんぴょう巻のセットのこと。
「まじり」以外のお品書きはこんな感じ。他のメニューも「かっぱ巻」「お新香巻」などシンプルです。
テーブル3席ほどの店内では、職人さんたちがいなり寿司を作るところを間近で見ることができるんです!
次々とできあがる黄金色のいなり寿司。間違いない、これ美味しいやつだ。
正直、いなり寿司って地味な存在だと思っていました。いや、嫌いじゃないけど、心がときめく食べ物かと言われると微妙……って思っていたのに、目の前にあるいなり寿司たちはめちゃくちゃに美味しそう。
お茶を飲んでお寿司の到着を待っていましたが、その間にも多くの人がこのいなり寿司を求めて来店していました。
こちらのお店、どちらかというとお持ち帰りがメイン。花見の3月、花火の7月など、イベントがある月が繁忙期で、忙しい時にはいなり寿司を1日400個、500個作ることもあるそうです。
輝く黄金色のいなり寿司にかぶりつく
いなり寿司とかんぴょう巻のセット、「まじり」がやってきました!それぞれ4貫ずつで結構ボリュームがありますね。それにしても綺麗なキツネ色……!
美しいいなり寿司に目を奪われつつ、まずはかんぴょう巻をいただきます。
かんぴょうが…柔らかい……!
そして甘めの味付けがあっさりした酢飯に合う! かんぴょう巻もいなり寿司同様、地味な存在だと思っていたのに、こんなに美味しかったのですね。
こちらも味付けは甘め。一口食べると、ジューシーなお揚げにめちゃくちゃ驚きます。
お揚げ自体は薄めで(なのにこの保水力!)、中のご飯は決してベチャっとしていない。ごはん一粒一粒の存在感が際立っています。
何度食べても、口に含んだ瞬間ジュワっと染み出すジューシーなお揚げに感動!
口の中が甘しょっぱいタレでじゅわじゅわになって幸福感がすごい。
ちなみに、いなり寿司の中のごはんの具は季節によって変わるそう。訪問時の1月はにんじん、こんぶなどでしたが、6月~9月の暑い時期はケシの実をふったものになります。これは、お弁当やお土産に多く使われるいなり寿司の日持ちを考慮したもの。夏のケシの実バージョンも香ばしくて絶品とのことです!
お揚げに使っているタレは創業から継ぎ足しで使っている老舗の味とのことですが、味付けは時代に合わせて変えたりしているとか。
それにしても……
お茶といなり寿司ってこんなに合うの……? 日本人で本当に良かった!
いなり寿司もかんぴょう巻も、シンプルながら専門店として長年勝負しているというのがうかがえるメニューで、お茶との相性が本っ当に最高でした。江戸の祭りや花火と相性バツグンの下町グルメ、それはいなり寿司(異論は認める)。
それにしても、地味だと思っていたいなり寿司、全然地味じゃなかった。
いなり寿司の良さがわかるようになるなんて、もしかして自分って大人なんじゃ……? そんな誇らしげな気持ちにさえなります。ごちそうさまでした。
こちらのいなり寿司は日本酒との相性もいいと聞くので、次は持ち帰りで日本酒とともに楽しんでみたいです!
紹介したお店

- ジャンル:寿司屋
- 住所: 〒130-0002 東京都墨田区業平2-14-6
- エリア: 押上
- このお店を含むブログを見る | 押上の寿司をぐるなびで見る
営業時間:7:00~17:45頃
おむすびモチーフがかわいすぎる御朱印「高木神社」
さて、今回下町グルメのいなり寿司とともに紹介する神社は、押上駅からは8分程歩いたところにある「高木神社」さん。こちらは東武スカイツリーライン「曳舟駅」からも近いです。
高木神社は2018年でご鎮座550年という、長い歴史のある神社。応仁2年(1468年)創祀と伝わっています。
気をつけて見ると、境内の至る所でおむすびを見つけることができます。
境内に隠れているおむすびを探すのも楽しいのですが、こちらではご祭神の高皇産靈神(タカミムスビノカミ)の「ムスビ」にちなんで、御朱印や御朱印帳、それにお守りなどの頒布品などにもおむすびモチーフを使っているんです!
ちなみに、タカミムスビノカミは「万物生成」「心願成就」「交渉・相談事がまとまる」といったご神徳のある神様だそうです。
高木神社は歴史の古い神社ですが、随所に遊び心を感じられたり、アニメ『からかい上手の高木さん』とコラボしたり、柔軟なところも魅力なのです!
それと、こちらの社殿は紫色なんですよね。赤を基調とした社殿はよく見かけるのですが、紫はなかなか珍しいのではないかと。
境内の一角に謎のマットがありました。こちらに立ってみると……。
マットに立って見た光景です。こちらからは、神社の社殿とスカイツリーという新しいものと伝統的なものを一気に楽しむことができるんです! オトク感~! これは押上ならではの光景ですね。
ではそろそろ、参拝を済ませて御朱印をいただきます。
高木神社の御朱印は遊び心満載でハンコがカラフルです! しかもこのハンコ、毎月色が変わるんです……! コレクター心がくすぐられてしまう。毎月の参拝する楽しみがあっていいですよね。
というわけで、味吟と高木神社の訪問記念に、いただいたメニューを御朱印風に描いてみようと思います!
今回の御朱印風お品書き
味吟も高木神社も、下町の粋を感じる素敵な場所でした。スカイツリー方面でグルメや観光を楽しむ際は、候補に加えてみてはいかがでしょうか。
紹介した神社
高木神社
鎮座地:東京都墨田区押上2-37-9
電話:03-3611-3459
URL:http://takagi-jinjya.com/
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
高木神社(青)と味吟 押上店(緑)の位置関係はこんな感じです!
著者プロフィール
ちぷたそ
オタク気味のサブカルフリーライター。最近は御朱印や神社仏閣に夢中。大人げない大人を目指して日夜くだらないことを考えています。「ねとらぼ」や「デイリーポータルZ」など、様々なWEB媒体で記事執筆中。
Twitter:@chip_potekko
ブログ:http://chiptaso.hatenablog.com/