こんにちは。料理研究家の河瀬璃菜です。
先日、上野のアメヤ横丁、通称「アメ横」の「マグロの投げ売り」がネットのニュースで話題になったのをご存知でしょうか。
品質の良くないマグロが安く売られているという内容だったのですが、そう言った背景から、
「じゃあ、上野で鮮魚を買う時って、どこで買えば良いの・・・?」
と思われている方も少なくはないはず。
しかし、ご安心ください!
上野には創業97年、新鮮魚介を市場価格で買えてしまうプロ御用達「吉池」という最強スーパーがあるのです!
どーん!下町の住人に愛される「吉池」。鮮魚はここでしか買わない、という人も多いそう。
吉池では新鮮な魚介類が豊富に、しかもお安く販売されているだけではなく、
同じビル内には新鮮な魚介類を心行くまで堪能できる、お魚好きにはたまらない「吉池食堂」なる直営の食堂まであるのです。
今回は、そんな最強スーパー吉池を心ゆくまで楽しんで来たのでぜひ上野に行かれた際の参考にしてみてくださいね!
今回、取材に同行いただいたのは、株式会社 吉池の取締役 食品部長の高橋さん。
なんか、偉い人がきてしまいました・・・いぶし銀なこの笑み、鮮魚のエキスパートに違いありません!
早速、高橋さんと吉池探検をして行きましょう!
【吉池のここがすごい!その1】新鮮な海鮮類が市場かと思うほど豊富!かつ、お安い!
店内に入ると、まるで市場に来たかと錯覚するほど、ずらっと鮮魚が並んでいます、市場フェチとしては、これだけでもテンションが上がります!
一般的なスーパーでは切り身の魚が多いですが、吉池はいわゆる「丸物」と呼ばれる丸ごと一匹の鮮魚スペースを広くとっています。旬の魚がズラリと並ぶ様は壮観ですね。
こちらは、北海道の道南で愛されている冬の風物詩「ごっこ」。恥ずかしながら初めて見ました!普通のスーパーではまず見かけないお魚ですよね。
ごっこは鍋物や、唐揚げ、バター炒めなんかにして、北海道では食べますよ!ゼラチン質でプルプルした食感がまた美味しいんです。
メスは卵を持っていて、オスより高価なのだとか。完全に巨大なおたまじゃくしにしか見えませんがいつか食べてみたいものです。
わたしの大好きなウニコーナー!
・・・えっっ!ちょっと待って!
国産でないとは言え、お安くないですかこのウニ!!
塩水ウニも生ウニも1,000円台で買える・・・なんということでしょう。昨今の値段の高騰で、高くて手を出せなかったウニ、今後は上野まで買いにこようと思います。
そのほか、毛ガニや
天然のとらふぐに白子、
天然クエ!
なんでもござれ~~~!もちろん今ご紹介した高級魚以外のサバやアジと言った定番魚たちも豊富に揃えられています。
吉池には、普通のスーパーには売ってない珍しい鮮魚も多く取り揃えているけど、魚についてわからないことがあれば、食べ方や捌き方など、どんな質問でも対応しますよ。築地市場で腕を振るったスタッフも常駐しているので、魚のわた抜きや三枚おろし、貝類の殻はずしなんかも対応しますのでお気軽に言っていただければと思います!
なんと心強い!先ほどの「ごっこ」なんて完全に未知の食べ物ですもんね・・・プロが指導してくれるなら冒険してもいいかも!
この日も、店内を高橋さんと歩いていると、
「おっ!高橋さん!」
「こないだのあれ、おいしかったよ!」
などと常連さんにたくさん話をかけられていて、吉池が地元の方から長年愛されているというのを実感しました。
【吉池のここがすごい!その2】毎週土曜日はまぐろの解体実演販売を行なっている
吉池では、毎週土曜日15時~、生本まぐろの解体実演販売を行っています!伺ったのが偶然にもなんと土曜日でしたので、実際に解体実演を見ることが出来ました!ラッキー!
巨大なまぐろを、熟練の職人さんがいとも簡単に捌いていく姿は圧巻です!
もちろん捌いたマグロはその場で買える!こちらはリピーターも多い、常連さんに大人気の実演販売となっているので、確実にゲットしたい方は早めの時間に行くことをオススメします!
本まぐろも美味しいんですが、僕はミナミまぐろが好きですね~インドまぐろと呼ばれているものだけど、トロは肉厚で甘みが強く、ねっとりと脂の質もいいんです。
まさかの本まぐろを眺めている横で、ミナミマグロの話を始めた高橋さん。
ミナミまぐろは本まぐろよりリーズナブルな価格で購入できるのに、味に遜色はないほど、美味しいのだとか。
しかしながらマグロだけでこの品ぞろえって、端的に言ってすごい。
本まぐろにありつけなくても、高橋さん一押しのミナミまぐろもたっぷり用意されているので、こちらもぜひ、お試しくださいね!
【吉池のここがすごい!その3】とにかくなんでもギャグかと思うくらい種類が豊富にある!
今、ご紹介したのは1階部分。B1、B2にも青果や加工品の売り場があります。その中でもわたしが驚いたのは「とにかくなんでも種類豊富に揃えすぎている」というところ。
見てくださいよ。これ。やりすぎじゃないですか?
ちなみに全部塩辛とその仲間です。
お客様から要望があったら入荷して・・・を繰り返してたらこうなりました。
Oh・・なんと・・・人が良いというか何というか・・
こちらは、全国の日本酒が揃っているコーナーかな?と思いきや、一面なんと「新潟のお酒」です(驚)。
これ以外に全国の日本酒ももちろん揃えられています。なぜ新潟だけでこんなに種類があるかと言うと、「社長が新潟出身だから」だそうです。
いくらや、鮭もこの種類!
ちなみに、吉池では鮭には並々ならぬこだわりがあるのだとか。
一言で鮭って言っても、種類は色々あります。中でも塩鮭は、加工の違いで味に差がつくんです。鮭はデリケートな魚なので、吉池では本場北海道に自社工場をつくり獲れたてを昔ながらの“山漬け”で手間ヒマかけて加工をしています。1匹単位から、切り身まで直営ならではの価格で、質のいい品をお求めいただけますよ!
※山漬けとは・・・?
獲れたての鮭を浜で捌いて塩加工などを丹念に施した後、荒むしろの上に山積みし、塩がどの鮭にもまんべんなくまわるよう一昼夜ねかして上下を入れかえる昔ながらの製法です。積んだ重みで余分な水分が抜けて身も締まり、目方が20~25%減る分旨みは凝縮。最近では「丘切り」と呼ばれる山積みをしない塩鮭が多いなか、吉池は手間暇かけて昔ながらの製法と山漬けならではの風味を大切にしています。
この切り身の塩鮭を吉池で行われていた抽選会の参加賞でいただいたのですが、確かに旨みとしょっぱさが凝縮された絶妙の味でした!これは買うべしな一品ですね。
ちなみに、抽選会は定期的に行っているのだそう!わたしは2回引いても参加賞でしたが、それでも塩鮭の切り身がいただけるなら儲けもんですよね。
ここで高橋さんとはお別れです!ありがとうございました~!
【吉池のここがすごい!その4】吉池食堂が美味くて最高だ!
最後にご紹介するフロアが、9階の吉池食堂~~~!
待ってました!新鮮なお魚たちを散々見せつけられてもうお腹がペコペコです。
パラパラとメニューをめくり・・・
・・って、いや多いなメニュー!と思っていたら、
店員さん「そちらは季節のオススメメニューです!グランドメニューはこちらになります。」
と、渡されたメニュー、そちらはなんと12ページにも及ぶ大作・・・
いちいち、なんでも豊富に揃えすぎる吉池、食堂でも同じテンションで安心しました。
そんな中、私が頼んだのは「大人気北海飯(1,280円)」。先ほどご紹介した吉池直営工場で作られた時鮭を使用しているのだとか!期待が高まります!
ジャーン!こちらが吉池食堂の北海飯!ほぐした時鮭に、カニ、ホタテ、いくらがたっぷりと乗っています。
う~ん。見るからに美しい!もちろん見た目だけでなく味も抜群!ふわっとした食感の時鮭に塩味のバランスが絶妙ないくら。最高です。
ついつい食欲が増してしまったので「三陸産カキフライ(1,000円)」も追加注文!
おお~!大ぶりのカキフライ!美味しそう~~~~~!
衣薄め、身はぷりっぷり!!
ちなみにですが、カキフライも2種類あり、生かきをフライにした「生かきフライ(1,400円)」もありました!
カキフライまで2種類あるなんて・・・これぞ吉池クオリティ。
吉池食堂は、和・洋・寿司の3店舗をワンフロアにレイアウトされており、どこの店舗のものも注文できるスタイル。どうりでメニュー数も多いはずですね。
もちろん、言わずもがなですが、お酒の種類も豊富!昼からお酒を飲んでみなさま楽しく過ごしていました。
300席と広めのキャパではありますが、休日のランチ時には待ちが出るほどの大盛況ぶり!大人数で行く場合や、並びたくない~!という場合は予約するのがオススメです!
ここで昼からお酒を飲むと最高でしょうね・・・。
【吉池のここがすごい!おまけ】食材がいいので、シンプルな料理でも美味すぎた!
せっかく吉池に来たので、もちろんお買い物も楽しんで帰りました!私が購入したものはこちら!
- メバチマグロ カマリブ(249円)
- メバチマグロの目(250円)
- 天然クエ(1,935円)
- とらふぐ白子(1,458円)
- 塩鮭(抽選会で当たったもの)
クエと白子は完全に欲望にかられて買いました・・・。
しかし、マグロの安さよ!
カマと目玉とは言え、立派なマグロですからね!早速こちらを自宅で美味しく頂きましたよ。
■クエの刺身
しっかりとした弾力に噛めば噛むほど、旨味がじわっと出てきます。なんとも贅沢な味わいですね。銀座で食べたら、一体いくらするんでしょう・・・
■焼き白子のお吸い物
塩を振って、焼いた白子をシンプルにお吸い物で。濃厚な白子を出汁に溶かしながら頂くと絶品です!
東京でふぐを食べに行く際に、白子をつけたコースにすると一万円くらいは料金が跳ね上がりますが、吉池で買うと1人729円で白子を楽しめます。
■メバチマグロカマの塩焼き
こちらもシンプルに塩を振って焼いただけ!素材がいいと、料理に手間がかかりません。程よい脂に、コクを感じられる身の美味しさ!これで1人125円か・・・
■メバチマグロ目玉の煮付け
見た目はグロテスクですが、プルンプルンの食感が癖になる!豚足が好きな人は絶対ハマるおいしさです!
■鮭とごぼうの土鍋飯
こちらは抽選でいただいた塩鮭を使った土鍋ご飯!無料でいただいたのに立派な一品になりました・・・!吉池最高!
どうやって料理をしていいかわからない!という方もいらっしゃるかと思いますが、熟練の鮮魚エキスパートなスタッフの方達は丁寧に教えてくださるので、臆することなかれ!
買い物も、食堂も、ショータイムも楽しめる、エンターテインメントスーパー「吉池」。
上野の新たなる観光スポットになる日も近いはず!お近くにいかれた際はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
紹介したお店
吉池
住所:東京都台東区上野3-27-12
TEL:03-3831-0141
URL:http://www.yoshiike-group.co.jp/

- ジャンル:居酒屋
- 住所: 〒110-0005 東京都台東区上野3-27-12御徒町吉池本店ビル9F
- エリア: 御徒町
- このお店を含むブログを見る | 御徒町の居酒屋をぐるなびで見る
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。
レシピ開発、商品開発、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々なお仕事をしています。
時短、ズボラ、ねと飯系が得意。料理ができない人でも作ってみたくなるアイデアレシピを提案します。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など
Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508