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かき揚げってこんなに具だくさんでいいの…? 浅草「天健」でかき揚げのホントの美味しさを知って6年通い続けてしまった

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こんにちは、グルメ修行僧・東山です。

 

突然ですが、皆さま、「かき揚げ」はお好きでしょうか?

 

おそらく、「大好き!」と即答される方は少ないのではないかと思います。

 

細切りにされた人参や、スライスされた玉ねぎを衣にからめて揚げた天ぷら

安価かつ少ない材料でも、天ぷらという技法によって大幅にボリュームを増すことができる「かき揚げ」という料理は素晴らしいものだと思います。

しかし、衣が多いこともあり、重い味の印象はどうしても拭えず「よし!今日はかき揚げを食べるぞ!」というモチベーションには、なかなかならないかもしれません・・・

 

しかしッッッッッッ!!!

 

今日は「かき揚げの概念を根底から覆す、スゴいかき揚げ」を紹介したいと思います!

 

そのお店の名前は「天健(てんたけ)」、浅草の中心に位置する老舗の天ぷら屋さんです。

もともとかき揚げがあまり好きではなかった私ですが、天健のかき揚げ丼を食べてから、かき揚げが大ッッッッ好きな料理になり、もう6年もの間通い続けてます。

 

「かき揚げの概念を覆す、凄いかき揚げ丼」早速ご覧いただきましょう!

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かき揚げ丼(2,200円)

 

ありがとぉう…!!!

 

丼が到着した瞬間、思わずそう叫ばずにはいられないほどのボリュームと、圧倒的美しさ!!

見てください!かき揚げが大きすぎて蓋が閉まんないんです!

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さぁ、溢れ出るよだれをゴクリと飲み込んで、ふたを開けてみましょう。

 

う、美しすぎる…!!

 

カラリと揚がったかき揚げに、濃い琥珀色の丼ツユがからんで、得も言われぬ美しさです!

しかもふたを開けた瞬間の、このどこまでも香ばしくふんわりと広がる甘い香りがたまらないッッッ!!

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斜め上からのビジュアル。

もちろん丼全体にドッシリ、かき揚げが鎮座しておられます。

ここで賢明なる読者の皆様なら思われるでしょう。

 

「“かき揚げの概念を覆す凄いかき揚げ丼”ってのはボリュームが凄いかき揚げ丼ってことなのか?」

 

と。

 

違います・・・

 

「蓋が閉まらないほどボリュームが凄いかき揚げ丼」、なんてものは今まで何度か見たことがあると思います。

 

天健のかき揚げ丼の真の凄さは、「具材の多さと豪華さ」です。

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まず、かき揚げに箸を入れますと、ホラ、見てください!

ゴロゴロゴロゴロ転がり出てくる具材の数々。

 

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かき揚げ丼の断面を接写してみましょう。

見てくださいよ。かき揚げの中心まで具材がぎっしり詰まっています!

しかも!

なんと、天健のかき揚げの具材は、

 

イカ、エビ、貝柱、三つ葉、この4種類しか入っていません。

 

通常のかき揚げが「野菜の薄切りを衣でかさ増し」したものであるとすれば、天健のかき揚げは「大きくカットした魚介類を薄い衣の中にぎっしり詰めた」という、従来のかき揚げとは真逆の発想によって作られたものなのです!

 

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ええぇぇぇぇえい!!御託はもう十分!

正直これ以上は我慢できん!!いただきまーーーーす!!

 

・・・・・・・・・やばい。

美味すぎる・・・・泣ける。

 

サクッと軽い衣に歯を立てると、口の中で弾けまくるイカやエビのプリプリした食感。

たくさんの魚介が口中に溢れかえるこの食感は“豪快”というほどに贅沢かつ攻撃的。

そこにご飯をかきこめば・・・んんんんーーー!!

永久に食える!!

 

そしてまた、丼ツユの味が素晴らしいんですよ。

天丼の丼ツユといえば、明らかに「甘い」と感じるほどに甘めに仕上げているところが多いのですが・・・

天健は甘みをギリギリまで抑えてあり、塩気もそれほど強くなく、それでいて旨味が強い。また甘みと塩気のバランスが絶妙で、薄すぎず、濃すぎず、素材の味を活かしながらも、しっかりとご飯とも合うコッテリした味付けになっているのです。

もう6年も食べ続けていますが、毎回この丼ツユの味には感嘆してしまう。

 

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2cm角にカットされたイカ。

かき揚げでこんなに大きくカットされたイカって見たことあります?

店主に聞いたところ、季節によって入荷するイカの種類や状態が違うため、毎回イカの身のやわらかさ&味を確かめて、そのイカの状態によってカットする大きさを変えているとのこと。

これぞ職人の技。

確かに6年間食べていて毎回イカの大きさ、入っている割合、味が違うんです。

その違いを楽しむのも通なのかな、と思いながら夢中でかきこんでます!

 

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エビも見てくださいよ。

こんなに大きいのがゴロッゴロ入っているなんて至福以外の何ものでもないと思いません?

そして凄いのが、これだけたくさんの具材を入れて揚げているのにどのエビも揚げ加減が完璧なんですよ。

全てのエビがプリップリでみずみずしく、甘い。パサパサしているエビなんて1匹もなくて、1匹1匹ジューシーなエビ汁が溢れ出る。

もはや神業(かみわざ)ですね、これは。

 

また、さらに天健の凄いところは、これだけボリューミーなかき揚げ丼なのに食べ終わった後、一切胃もたれしないんです。

お昼に食べても、夜ご飯にラーメンとか食べられちゃうくらい胃に重くない。

というのも、先述したとおり、ひとつひとつの具材が大きく、惜しみなくたっぷり入っているおかげで、具材に対する衣の割合が少ないため、油をそんなに吸ってないからなんですよ。

こんなに美味しいのに重たくない・・・やはり凄すぎる!!

 

これだけ書いても天健のかき揚げの凄さを伝えきれていない気がする・・・!

ということでお次はかき揚げ定食で、かき揚げの魅力をさらにお伝えしたいと思います!

 

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かき揚げ定食(2,500円)※写真には写っていないですがさらに味噌汁がつきます

 

おほぉ・・・かき揚げ丼の時とは違った美しさがあります。

かき揚げ丼が、日に焼けたワイルド系男子の荒々しい魅力があったとすれば、こちらはさしずめ細身な知的眼鏡男子の端正な佇まいの様。

 

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そして、お約束のこのボリューム感!

かき揚げ丼の時には丼の直径にフィットするようにもう少し幅広なサイズでしたが、かき揚げ定食の方はそれよりも縦に長くギュッと詰まっている感じがしますね。

どのくらいのサイズ感かというと「りんご」です。

正しくりんごと同じくらいのサイズがあります。

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近づいて見てみると、2cm角のイカがゴロゴロ。

天健のかき揚げを食べ慣れすぎている私は、この時点で「美味い」と脳が認識して、口の中がよだれの洪水状態になります。

 

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逆サイドはエビがゴロゴロ。

このかき揚げには一体何匹のエビが入っているんでしょう。

一度数えてみたいけれど、かき揚げを熱々のうちに食べたいので、それは永久に叶わぬ望み。

 

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パリパリパリッ!とかき揚げに箸を振り下ろすと、ホラ見てください。

金鉱脈ならぬ、エビ鉱脈。

エビがゴロッゴロとこぼれ落ちています。

これからこのかき揚げを食べられると思うと、興奮して、それだけで心拍数が2倍くらいまで跳ね上がりますね。

 

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それでは、いただきます!!

 

ううう・・・・まい・・・

 

天つゆにくぐらせることで、かき揚げ丼の時よりもさっぱり上品な味わいになります。

それでも具材ひとつひとつのぷりぷり暴力的な食感は健在!

またもやエビ・イカが口の中で弾けまくり。

 

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オン・ザ・ライス。

あぁぁぁ・・・うまい、うますぎる・・・・

天ぷらっておそろしいほどご飯が進みますよね。

かき揚げ丼の時は、甘辛くコクのあるタレとかき揚げの具材の旨味でご飯がガツガツ進む感じでしたが、かき揚げ定食だとさっぱりした天つゆの効果でより魚介の甘味が感じられ、ご飯との相性をしみじみ味わいたくなる感じ。

 

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イカ。

箸で持った瞬間にそのプリプリした弾力が伝わります。

 

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エビ。

箸で持った瞬間に身の甘みが脳内を駆け巡ります。

 

あぁ、かき揚げ・・・うますぎる・・・

「一生かき揚げは天健のものしか食べられない」

という誓約を交わしたって構わないレベル。

 

ここまでかき揚げが美味い天健、通常の天ぷらはどのような感じなのでしょう?

私は天健の天ぷらであれば無限に食べられるので追加注文してみました。

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天ぷら 2,000円

ううむ・・・美しい揚げあがりです。

しかし、かき揚げのインパクトの凄さから考えると見た目的には普通な気も・・・

 

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エビは嬉しいことに2尾も入っています。

しかも1尾が結構デカい!

他の天ぷら屋で食べるエビの1.5倍くらいのサイズがあります。

 

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む、むほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

極薄の衣に歯を立てると・・・エビのッ、エビのジュースがッッ!!

エビのジュースの歓迎、まるで「飲むエビ」です!

そしてエビのジュースの甘いこと!

完璧すぎる揚げ加減・・・見た目は普通でも、味は普通じゃなかった!!

 

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お次はキス。

キスって不思議ですよね。

天ぷらでは大定番なのに、天ぷら以外ではあまり食べられない魚。

 

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う、うわぁ。

これもまた肉汁が口の中に飛び出してきた!

キスの天ぷらを食べて、肉汁が飛び出してきたのは初めての経験です!!

そして、身がふんわりほっこり、やさしく甘いんですよ。

 

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穴子は他の店よりもやや小ぶりな印象。

店主に聞いたところ、穴子というのは小さ過ぎても大き過ぎてもダメで「丁度いいサイズ」のものが身が締まっていて天ぷらに向いているのだとか。大きい穴子は煮物には向いているけど天ぷらには向かないそう!

天ぷらに向いている穴子を仕入れる目利きも職人の経験がなせる技ですね。

 

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うまぁ・・・

サクッとした衣と、トロッととろける穴子の食感のコントラスト。

そして、身の味が濃いなぁ!

ご飯との相性も最高!至福の境地です!

 

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お次はメゴチ。天ぷら好きの間では大人気の魚。

天健では季節に合わせて産地を変えてメゴチを仕入れているようですが、今回のは九州産のメゴチ。この時期の九州産のメゴチは身の締まりが格別なのだとか。

 

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サクッという心地よい音色とともに現れたのは、極プリの食感の白身!

なんだコレ!!初めて味わう食感!弾力が凄いです!

もはや魚というよりエビに近いくらいのプリプリ感!

そして、身の味の濃さが凄い!旨味が超凝縮されています!!

今回食べたネタの中では一番好みでした!感動!

 

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そして最後はししとう。

小粒なれど御馳走の味わい。

野菜をここまで美味しく食べさせる天ぷらという調理技法は凄いです!

 

ここまで天ぷらの美味しさばかりお伝えしてきましたが、天健は天ぷら以外も凄く美味しいのです!

 

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そう!天健で欠かせないのが、かき揚げ丼、かき揚げ定食ともについてくるお新香。

これが、かき揚げの油っけをさっぱり洗い流してくれて、いつまでもかき揚げの美味しさを持続させてくれる影の立役者なのであります。

 

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ここで天健に6年間通いつづけている私がとっておきの裏技をご紹介しましょう。

天健では卓上にひょうたん型の薬味入れが置いてあり、それには特製の七味唐辛子が入っています。

 

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こいつをお新香にたっぷりまぶして食べてみてください。

この七味唐辛子がまた美味でして、普通の七味唐辛子よりも香ばしく、山椒が効いた特製のものなのです。

この香ばしさと山椒の爽やかさがお新香と合わさるとよりさっぱり感を増して、さらにかき揚げの美味しさを引き立てる名優へと進化するのです。

もちろんこの特製七味はかき揚げ丼にかけたり、天つゆに入れても抜群に美味しいので、ぜひ試していただきたい!

 

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塩辛(ほたるいかの沖漬け) 300円

なんとこちら驚きの安さ、300円なのです。

沖漬けというのは、イカを生きたまま醤油ダレに漬けこむことで内臓の隅々まで醤油ダレを染みさせるという調理技法です。

天健に来たら高確率で頼むサイドメニュー。

 

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新鮮なほたるいかは生臭みが一切なく、シャッキリとした身の食感とトロリととろける内臓の濃厚なコクの相性がたまりません。

また、醤油ダレにほのかにゆずが香り、上品かつ爽やかな味わいになっています。

ごはんとの相性がまた素晴らしく、おかわり必至です!

 

 

いやーー・・・美味すぎた・・・

実はこの6年間天健に通い続けて、ほぼ毎回、かき揚げ丼ばかり食べていて、天ぷら定食は食べたことがなかったんです。

天ぷら定食を食べるまでは、天健の凄さというのは、「具材の多さと豪華さ」だと思っていましたが、違いました。

 

天健の真骨頂は「揚げの技術力の高さ」でした。

 

あれだけ具材が豪華で大きいかき揚げを揚げようと思っても、揚げの技術がなければあれだけ美味しく揚げられません。

考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、天ぷら定食のどれも完璧に揚げられた天ぷらを食べてそのことに気付かされました。

 

また、天健は雰囲気も本当に素晴らしくて、天ぷら屋というと敷居の高いイメージがありますが、天健はとてもアットホームで気軽で、本当にサクッと天ぷらが食べられるのです。

しかも、注文してから大体5分くらいで出来上がる激早のスピード。

浅草という古き良き時代の残る雰囲気の街で、サクッと天ぷらを食べると、まだ天ぷらが江戸庶民のファストフードだった頃の趣を感じられて粋です。

 

本当に美味しくて素晴らしいお店ですので、皆様も是非!

以上、天健愛が止まらない東山でした!!

 

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紹介したお店

天健

住所:東京都台東区浅草2-4-1

TEL:03-3841-5519

r.gnavi.co.jp

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。

 

著者プロフィール

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グルメ修行僧 東山広樹

ラーメン屋の開業に向けて修行中の身でしたが、2016年8月10日に東京・蔵前に四川式汁なし担々麺専門店「タンタンタイガー」をオープンさせました。日々、担々麺道を極めんと研鑽しております。

【FBページ】https://www.facebook.com/tantantiger.tokyo/

【ブログ】Cooking Maniac

 

グルメ修行僧の過去の記事はこちらから

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