まいど憶良(おくら)です。
こんなきれいなローストビーフ、なかなかお目にかかれない。
そんなローストビーフが なんと480円で食べられる立ち飲み屋さんがあると聞き、大阪は北区にやって来ました。
大阪駅から地下鉄四つ橋線の西梅田まで移動し、1つ目の駅の肥後橋で降りて徒歩1分。大阪駅から散歩がてらのんびりと歩いても苦にならない距離です。
大きなコンサートなんかがあるフェスティバルホールからも近い、こちら、わすれな草は昼も夜も行列が出来る人気店。
昼はカレー屋さんで行列が出来ます。アイドルタイムを置いて、夕方4時からは立ち飲み屋さんになります。
居酒屋としては土日が休みという事もあり、またこの周りがオフィス街という事もあり、5時くらいからもう行列が出来てしまうという事も珍しくはありません。
この日も16時、開店と同時に私を含めて5人のお客さん。
大阪キタ界隈最強の立ち飲み屋の呼び声高し
大阪キタ界隈最強の立ち飲み屋はどこ?と聞かれると必ず名前が上がると言われる超有名店です。
定番メニューに加えて、毎日中央卸市場からやってくる日替わりの厳選食材を使った料理が黒板に書かれます。
見てください、この安さ。
あれも食べたい、これも気になるというメニューがずらりと並びます。
食材の新鮮さはピカイチ。
タコなどはあえて開店直前まで生かしておいて、それから調理します。
〆てから塩もみし、ぬめりを取りますが、この作業が10分以上続きます。
「丁寧に処理しないと、生臭さが残りますから」
と言いながら本当に丁寧に、念入りに、そこまでしなくてもと言いたくなるくらいの仕事がされます。
塩をするとその刺激で色が変わったり、ボールから逃げようとします。
タコは茹でてすぐに氷水で絞められます。
さぁ何を飲みましょうと言いつつ、やっぱり最初はビールですね。
かんぱぁいっ!
車エビの踊り食いが180円!
そして看板メニュー、車エビの踊り食い180円を注文。
氷水かと思ったら、なにやら下が白く濁っています。
何かと聞きますと、「それはお酒が入っているんです」との答え。
見てください。このエビの綺麗な事。
皮を剥くと、 びくびくっ!としますので落とさないように要注意です!
これは美味しいっ!
もっちりして、プリッとして、そりゃ今まで生きてたんだから当然ですが新鮮この上なし。
噛むと、ビビビッと踊ります。
頭は塩焼きにしてくれます。
とろけるローストビーフの旨味がハンパない
もう一つの看板メニュー、ローストビーフを注文。
美味しそうっ!
ウズラの卵の黄身を
割ると、とろぉりと、
黄身が流れていきます。
素敵な光景だなぁ。
もうなんやわからんくらいメチャクチャ柔らかくて旨い。
とろけるっ!
生肉が提供できなくなってしまったために、このユッケ風のように見た目も楽しめるように、工夫がしてあります。
単に美味しいだけではないんですね。
・・・、いやしかし、旨いっ。
海老の頭が焼かれてきました。
180円で踊り食いが出来るのも凄いですが、頭も無駄にせずこんなに美味しくしてくれるなんて。
命に、そして手間に感謝です。
そういえば梅田で同じように180円で踊り食いが出来て、頭を塩焼きしてくれるお店がありました。
1年近く前に取材させて頂いた「酒場やまと」さん。
よく話を聞くと、やまとさんは姉妹店だとか。
なぁるほど。
良コスパで激旨な居酒屋メニューの数々
クレソンサラダ。
ハモ皮。
水菜キムチ。
こちらはタコ生レバー風。
これも生レバーが提供できなくなってから、せめてそれっぽい物が食べたいというオーダーに応えた一品。
ゴマ油と塩が効いていて、さらにあの鮮度が良いタコ。 美味くないわけがない。
これも看板メニューのお刺身三種盛り。
お気づきとは思いますが、看板メニューが多いんです。
特にお店が看板メニューとして推しているわけではなくて、ファンのみんなが看板と認めるメニューです。
シマアジ。
おまけで入れてくれたカンパチのハラミ。
もちろん、取材だからおまけしてくれたのではありません。
サービス精神が、旺盛すぎるんです。
クジラ赤身、
真鯛。全部旨い。
これで480円とは!
どれもこれも値段を考えると素晴らしいお値打ち品ばかり。
当然、憶良のコスパが高すぎて、注文時に罪悪感を感じる店に認定させていただきます。
お酒も進みます。
竹鶴ハイボールと、ビールで乾杯っ!
この店に来たら絶対食べたいカレーを使ったメニュー
さて次は、この店に来たら絶対に食べたいメニューはまだあります。
カレーを使ったメニューです。昼間は行列が出来るカレー専門店ですから、美味しくないわけがない。
これがそのカレーです。
なんと水を1滴も使わず、トマトとヨーグルトで作ったチキンカレーなのです。
これは食べずにはいられない!
これをリゾットに仕上げます。
チキンカレーリゾット480円。
そして、通な人はこの上に出し巻き280円をトッピングするんです。
もちろん単品で頼むのが普通なのでしょう。実際メニューには出し巻き乗せという文字はないのですが、かなりの高確率で組み合わせて頼まれるようです。
この大スター級の人気メニューが合体した姿が、
これだっ!
たまごの色が美しい。
そして包丁を入れるとどれだけ弾力があるかがわかります。
すっと入った切れ目から見えるのは、とろっとろの玉子。
スプーンで広げていくと・・・
いやぁ、もう、勘弁してください。
やられっぱなし状態です。
美味しい、美味しい。
たまごのふわふわ度が凄い。
もう、ダメになりそうです。
特製スパイスを振りかけて食べていくと、あっという間になくなってしまいました。
さぁ、締めで食べるつもりのメニューも食べたことだし、あとはもう入りませんと言って取材を終えてもいいのですが、
見上げた先に自家製の干物を見つけてしまいました。
下を見ればこれまた人気メニュー、ホルモン煮込み。また食欲が復活してきました。
思わずエビスを追加で注文。
ついで、車エビの塩焼きを注文しました。
本当に罪悪感を感じてしまいます。
鮮やかな手つきでエビに串を打ち、塩を打ち、
「さぁ、これを焼いていきますよ!」
踊り食いが出来る車エビを塩焼きするなんて、なんて贅沢な。
しかも、1匹180円!
驚いたことに半身が赤くなったこの状態でひっくり返されたエビが、
びくっ!と動きました。
バーナーで仕上げます。
うわぁあ、なんて美味しそうなんだ。
頭からかぶり付くと、ミソの香りが口の中で ほわっ、と広がります。
そして、この焼き加減が絶妙。
銀鱈の西京焼き。
メッチャ上品な味。
もう、日本酒が欲しくなる味です。
そして、もう一品、何かお勧めはありますかと聞きますと、
推奨メニューは『梅水晶』ですね。との事。
フカひれと鶏軟骨(ヤゲンまたはカッパ軟骨と言われる部分)と、飛びっ子(トビウオの卵)を梅で和えたという一品。
ポリポリ、ぷりぷり、プチプチと食感が楽しい。
そしてこの梅の味。
それはもう、
日本酒を飲んでね、というメッセージなのでは。
埼玉のお酒、琵琶のささ浪。
これも一合入って380円。
ああ、日本人に生まれてよかったぁと思える味です。
心なしか、日本酒の表面に日本が輝いて見えるのは私だけでしょうか。
なにはともあれ、食べたい物はまだまだあったのにお腹がいっぱいです。
ご馳走様でした。
「新鮮な物をお安く」がポリシー
最後に副店長さんの佐藤さんにお話をお聞きしました。
憶良 :お店のセールスポイントは。
佐藤さん :いやもう、新鮮な物をお安く、だけです。
憶良 :でも、手間も凄くかかってますよね。
佐藤さん :新鮮なもの、良いものをぞんざいに扱う事はやっぱりできませんので、いい状態で食べてほしい、という欲求はやっぱりあります。
本当にただ、それだけなんですよ。
憶良 :そこに、料理人の魂を感じますね。
佐藤さん :だって、勿体ないですよね。
そう。
手間を勿体ないと感じるか、食材の魅力を引き出せない事を勿体ないと感じるのか。
そこが誰しも認める人気店と、そうでないお店の分かれ目なのかもわかりません。
佐藤さん :でも、一つ言える事は、お客さんが美味しいと思ってくれ、「ああ、また来よう」と思ってくれる店でありたい。そう思いながら仕事をしている。
それは誇りにしてもいいかな、とは思っています。
憶良 :それはでも、料理を作る人としては理想ですよね。
佐藤さん :そうですね。
また来たよ、この店で美味しい物を食べる事を考えて、それをモチベーションにして頑張って仕事をしてきたんだから、今日は美味しい物を食べさせてね。
なんていわれるともう、一生懸命作ってますのでどうぞ楽しんでいってくださいとなりますよね。
憶良 :そして、自信をもって出したものを食べた瞬間、にこおっっ、て笑われたりなんかすると。
佐藤さん :それはもう、料理人冥利に尽きます。
憶良 :今日はもうお腹一杯ですが、絶対食べたいメニューがまだまだあります。
佐藤さん : ありがとうございます。是非お越しをお待ちしています。
また来てよかった、そう思って頂ける店でありたい。そう考えて日々頑張っていますので、この記事を呼んで頂いている方も是非おこし頂ければと思います。
17時を過ぎると、もう店はいっぱいでした。
こんな時間に酔ってていいのかしらと考えながら帰路につきました。
紹介したお店
今回ご紹介したお店には公式Webサイトがありません。
住所 : 大阪府大阪市西区江戸堀1-14-1 平和相互肥後橋ビル 1F
TEL : 06-6445-7557
営業は
ランチ 月~土 11:00~14:30
夜 月~金 16:00~24:00
休み 土曜夜、日、祝日
土曜の夜は営業していませんので要注意です。
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は高速道路を使わずに名古屋から鳥取あたりの温泉に行って浸かり、道中や行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込むと例え深夜に帰ったとしても料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に悪いことを考える人はいない。」という持論を持っている。
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