黒豚、黒牛、黒酢、黒糖などなど、最近の鹿児島グルメで人気があるのは「黒」がつくものが多いのですが、ならば鶏も黒だ! とばかりに誕生したのが「黒さつま鶏」という地鶏です。
とはいえまだまだ鹿児島でも「黒さつま鶏? そんな鶏知らない」という人も多いのです。何故かといえばこの黒さつま鶏とは、天然記念物の「薩摩鶏」と、明治以前に国内に伝わった在来種「横班プリマスロック」を掛け合わせた新しい地鶏で、平成18年度に鹿児島県の畜産試験場が研究し誕生させ、本格的に流通が始まったのが平成23年度から。
↑これが黒さつま鶏、左がオス、右がメス(画像提供:地鶏の鶏膳)
鹿児島でもまだまだ取扱店舗が少ない地鶏だからなのです。でも鹿児島市にはちゃんと黒さつま鶏の専門店があり、これはご紹介しなければだめでしょうということで伺ってきました。
鹿児島の陸の玄関口・JR鹿児島中央駅東口を出て鹿児島市電の電停向かいにある鹿児島中央ターミナルビル地下1階の「地鶏の鶏膳」」は、指宿市に黒さつま鶏を飼育する養鶏場があり、そこから届くその日の朝引きの新鮮な肉だけを使用する、黒さつま鶏の専門店です。
↑電停の向かいにあるビルが鹿児島中央ターミナルビルです
↑地下の飲食店フロアの一角にあります
お店の場所柄、ランチタイムもディナータイムも観光客や出張族が多く利用しているそうです。
↑カウンターやテーブル席のほか、掘りごたつの座敷もあります
↑黒さつま鶏メニューにはこの鶏のマークがついています
数あるメニューの中でも県外のお客さんにもおススメしているのが、ランチタイムの黒さつま鶏・鶏飯御膳1458円。
↑鶏飯御膳
これは南蛮漬け、鶏飯など3種類の調理法で黒さつま鶏を味わえるというお得な定食です。
南蛮漬けは柔らかいムネをサクサク衣が包み、甘酢ダレとタルタルソースとの相性もいい感じです。
↑ムネ肉なので柔らか~
また黒さつま鶏のガラでとった温かいスープをかけていただく鶏飯も優しい味わいです。
↑ポットに入ったスープをかけます
↑スープはたっぷりかけると雑炊風になります
ランチタイムには他にもハンバーグ799円や親子丼1058円もあり、気軽に黒さつま鶏を味わえます。ディナータイムにはレバーや砂肝、皮など黒さつま鶏のいろんな部位を楽しめる串焼きが1本110円~。骨付きモモ焼き1512円や溶岩焼き950円などなど、一品ものを中心に居酒屋メニューが充実しています。その中でも一番の人気は炭火焼きです。
↑炭火焼き(中)1350円
炭火焼きに使われているのはモモとムネ。炭火焼きというとちょっと硬い? というイメージかもしれませんが、この炭火焼きは本当に柔らかいのです! 添えられているゆず胡椒をつけて食べると、炭火焼の香ばしさと黒さつま鶏の脂ののった甘味、ゆず胡椒の辛みが絡み合って何とも言えない美味しさです。何よりこの炭火焼き、少々冷めても肉が硬くならない!
↑美味しいけれど辛いのでつけすぎ注意のゆず胡椒
なるほど、さすが鹿児島県が「黒豚、黒牛に続く第3の黒ブランド!」と自信をもってPRしているだけあり、この柔らかさ、ジューシーさが黒さつま鶏の最大の特徴です。
他にもラーメンや寿司、冬場は鍋物など、とにかく種類豊富な黒さつま鶏の料理を味わえます。
↑レジ前で持ち帰り用のラーメンや鶏飯も販売していました
もちろん鶏が苦手な人でも鹿児島を楽しんでもらえるよう、さつま揚げやキビナゴなど郷土料理もあったりするので、気軽に訪れてみてくださいね。
紹介したお店 地鶏の鶏膳
☎ 099-296-9101
営業時間 11:00~14:00、17:00~22:00LO
休み なし
駐車場 なし
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。