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ぷるっぷる玉子焼きがうな丼を覆いつくす!京都の老舗うなぎ屋さん「京極かねよ」の「きんし丼」を君はもう食べたか

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こんにちは、 昼飲み大好きのアカサカです!京都大阪の美味しいお店を食べ飲み歩いています。

さて、いよいよ夏がやってきますね。今年も暑いんだろうなぁ~……とすでにヘロヘロです。そう、京都の夏はとにかく暑いんです。盆地の暑さは本当にあなどれません。ヘバります。

しかしその一方で、京都はこれから祇園祭などで盛り上がるシーズン。元気いっぱい、遊びに行かなきゃ!というわけで、そんな時はやっぱりアレですよね、アレ!

う な ぎ !

京都うなぎを食べさせてくれるお店はたくさんあるのですが、ここはぜひ、京都らしい独創的なうなぎの丼を食べましょう。それが食べられるのが明治末期創業の老舗「京極かねよ」です。

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フタが閉まってない!名物「きんし丼」とは?

さて、京都らしいうな丼というのはこちらです!!!

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フタが閉まってない!

何かがはみ出ているこちらの丼ぶりは京極かねよの「名物きんし丼」(並 2300円)。まぁ、みなさんの予想通り、このはみ出ているものは玉子です。うな丼なのに玉子。謎は深まりますね。

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真上から。やっぱりはみ出ています。

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もはや閉めることを放棄したフタが少しずれてのっかっているのであります。

さて、さっそく開けてみましょう!

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よ、予想はしていたけど一面の玉子……!ぷるぷるで美味しそうです。丼を覆いつくすものの正体は卵2個を使っただし巻き玉子だそうで、ふんわりぶ厚いです。

めくってみると……

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そこにいるのはもしや……!

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現れました、うなぎ

ふわっとした蒲焼きが2切れ鎮座しておられます。タレの絡んだウナギとご飯、そしてふわっぷるの玉子焼き……この組み合わせに間違いなんてあろうはずがない。

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もちろん、だし巻き玉子と蒲焼を一緒にいただきます。ふるっふるの玉子からはふんわり上品なお出汁の香りがします。うなぎは関東風(蒸し→焼き)の蒲焼でふわふわ。タレはお醤油ベースのさらっとしたものです。よくある、甘めでとろっとしたうなぎのタレをイメージすると少し違う印象を受けるかも。タレはご飯にもからめてありますが、そんなにこってり濃いめではないので、全体的に味付けは強くありません。それゆえに、うなぎの味もだし巻き玉子の味も引き立ちます。うーん、美味しい……。

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もちろん、もう少し味を足したいな~と思ったら、卓上にはお店の特製タレと山椒があります。こちらのタレも甘くないスッキリした味です。タレをちょいとかけて、山椒をパラリ。やっぱりうなぎには山椒だなぁとしみじみしますね。タレは丼もの以外にも、う巻きといった一品料理に使うのも◎。

ちなみに、きんし丼もうな丼も「並:2300円」「上:2800円」「特:3600円」の3ランクが用意されています(今回頼んだのは並)。「特」は提供に少し時間がかかるとのこと。平日だとお食事をちょっとお得にいただけます。こんなセット物を頼むのもオススメですよ。

かねよ丼うなぎ丼+お吸い物+お新香 1,400円
※平日11:30~14:00まで。正月、祇園祭り、土用の丑の日を除く。
ちょっといっぷくセット:きんし丼+エビス樽生+うざく+お新香 1,800円
※平日14:00~18:00まで。正月、祇園祭り、土用の丑の日を除く。

 

「きんし丼」の謎

さて、こちらのきんし丼。謎が大きく2つあります。1つが「錦糸玉子じゃないのになぜきんし丼?」、もう1つが「京都のお店なのになぜうなぎが関東風の焼き方?」というもの。

謎1:「きんし丼」なのに錦糸玉子ではない理由

このメニューの名前は「きんし丼」。きんし=錦糸で、薄焼き玉子を細切りにした「錦糸卵」がのっているんじゃないの?と思いますが、こちらは全く違うビジュアルです。

これにはワケがあるのです。錦糸卵は薄焼き玉子を細く切って、さらに冷ましてから使いますよね。でも焼きたての玉子をわざわざ冷ますのももったいない(冷やし中華ちらし寿司に使うならわかるけど)。

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▲「うなぎも玉子も温かいまま提供したら良いじゃない」という発想。

焼きたてで温かいまま提供したら、ご飯もウナギも冷めにくく、美味しく食べられるのでは?という発想から生まれたメニューなんだそうです。中に隠れたうなぎもご飯と卵にふっくら蒸されてさらに美味しくなりそうですよね。

アイディアとしては大阪の「まむし」といううな丼に近いのかもしれません。まむしとは、ご飯とご飯の間にうなぎをサンドしたうな丼。じっくり焼きだけで仕上げる関西風のかば焼きを、最後にご飯の間で蒸してふっくらさせるという意味合いがあるといいます(かねよのきんし丼は関東風ですが)。

 

謎2:京都のお店なのに関東風を採用している理由

かねよのきんし丼、とてもさっぱりした味わいです。というのも、関西風ではなく関東風だから。関西風と関東風の大きな違いは、開き方と蒸すか蒸さないかの2点。

一般的に、腹開き、かつ蒸さずに地焼きで仕上げる関西風は、脂がきいて、なかなかこってりした味わいですよね。一方の関東風は背開き、かつ一度蒸してからタレを絡めて焼くため、脂が落ちてさっぱりするのです。

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うなぎを背から開くのが関東風、腹から開くのが関西風といわれます。

京極かねよは京都のお店ながら関東風を採用。なぜ関東風なのかというと、諸説あるようです。確たる文献が残っているわけではないのですが、京極かねよは当時から界隈でもかなり大きいお店だったとのこと。雇った職人さんが関東風の職人だったという説もあるそうですが、有力なのは関東風のほうが短い時間で焼きあがるから、というもの。すでに蒸してあるから焼きあがるのが早いわけですね。提供時間の短縮のために、あえて関東風を選んだと考えられるそうです。

ちなみに、京極かねよのうなぎは主に九州から仕入れているそう。九州うなぎといえば、せいろ蒸しという別の調理法もあるようですが、それはまた今度ということで。

 

滋賀県にも、「きんし丼」を扱う同名のお店がありますが、まったく別の会社とのこと。きんし丼も、玉子焼きがうな丼の上にのっている、という点では一緒ですが別物だそうです。

 

茶碗蒸しがあったら食べるべし

さて、きんし丼について説明してきましたが、京極かねよさんに来たらぜひ!というメニューがもう1つあります。それがこちら、「謹製 茶碗蒸し」(600円)。このメニューもスゴいのです。

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何がスゴいのかというと……

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器いっぱいでたぷんたぷん!

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なめらかで美しいですね。ふるんふるんで、お出汁が効いています。これぞ茶碗蒸し!という感じで美味しい~!

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少し食べ進めると……うなぎが出てきた!「デカっ」って声が自然に出るくらいの大きさです。贅沢。ちょっとした切り身くらいかな~と思っていたら、とんでもなかった……。このほかには鶏肉、かまぼこ、しいたけ、百合根といった定番の具がたくさん入っています。うなぎの旨みも全体に行き渡っていて、あっという間にペロリと食べてしまう一品です。

 

この茶碗蒸し、一度にたくさんを作れないそうで、注文が集中すると売り切れになることも。来店時にあったらぜひとも注文してみてくださいね!

 

寄席もオススメ

月に1度の「かねよ寄席」もチェックしておきたいところ。毎月最終月曜日に開催されています。

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木戸銭(入場料のこと)2,300円で3名の落語家さんの落語を楽しめるだけでなく、うなぎ丼かきんし丼がついてきます。うなぎ丼・きんし丼(並)のお値段も2,300円でしたから、ご飯代だけで落語を3席も楽しめると考えてもらってもOK。とにかく、行かなきゃもったいない!

会場となるのは2階の大広間。入り口入ってすぐ右側の階段を上がります。

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こちらの2階は、お客さんが多い週末に使うそう。取材に伺ったのは平日だったのですが、特別にお邪魔させていただきました。

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明治末期からここにあるというレトロな店内。雰囲気あります。もともとは3階建てだったのですが、戦前に火災で3階が燃えてしまったのだとか。3階部分は従業員の寮や倉庫に使っていたそうです。

3階部分が焼失したとはいえ、建物自体は創業当時からのものなので、歴史的な価値もありそうです。

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この大広間が落語会の会場。落語会の時は、テーブルを全部引いて、座布団がびっしり並んでいます。

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こちら側が高座になるところ。このかねよ寄席、とっても人気なのです。事前予約50名分、当日券50名分で売り出されますが、予約は発売してからすぐに埋まってしまうとのこと。ちなみに、電話予約で前月のかねよ寄席の翌日火曜日から受け付けています。

もし予約がとれなかったら、当日券を狙いましょう。当日16時からチケット発売です。チケットが取れたら17時から入場できます(開演は19時)。お食事は寄席の前でも後でもOK。

筆者は数年前に伺ったことがあるのですが、これが楽しい!落語は上方と江戸でまた違いますし、観光で来た方にもオススメしたいです。 

ちなみに、2017年7月のかねよ寄席は7月31日。7月はいつもより1週遅れになりますので、気になっている方は要注意です!

 

「京極かねよ」までのアクセス 

それではお店のおさらい。

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JR京都駅から市バスに乗って河原町三条で降りたら、京都ロフトの角を右手へ、新京極に向かいます。f:id:assak-karakara:20170613211056j:plain

こんなお菓子のディスカウントショップがある筋です。

そのまま歩くと、京極かねよの赤い提灯がお出迎え。

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周囲とはほんの少し雰囲気が違いますね。

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↑この先が新京極。このままいくと右手にMOVIX 映画館があります。 

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創業当時からの建物がいまだに使われています。

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週末になると1日中店頭で職人さんがうなぎを焼いていて、外に良い香りを振りまいています!うなぎを焼く香ばしい良いニオイがしたら、それはここから出ているのです……!

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明治末期から変わらないお店にはレトロ感が満載。先ほど紹介した2階は座敷でしたが、1階はテーブル席です。

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なかでも、この丸テーブル席が人気なのだそう。

 

これから暑い夏がやってきます。特に京都の暑さは本当に厳しい!きんし丼で元気をつけて、京都の夏を楽しみましょう! 

 

紹介したお店

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。 

 

プロフィール

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アカサカナツコ

食べて飲んでうろうろして、がまぐちも作ってます。

ブログ:http://assak-karakara.hatenablog.com/
Twitter:https://twitter.com/assakgamasan


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