御朱印とグルメを楽しむ本企画。都内の神社仏閣で御朱印をもらいつつ、街を探検しておいしいランチのお店を探しています。第1回は秋葉原の柳森神社と「カレーノトリコ」、第2回は新橋の烏森神社と「むさしや」を訪問しました。
「御朱印メシ」3回目となる今回は、オフィス街であり、かつ昔ながらの建築も残る情緒あふれる街・人形町が舞台。1000円ですごいステーキをいただき、椙森(すぎのもり)神社を参拝してみましょう!
※筆者の御朱印へのハマりっぷりについては第1回記事をどうぞ!「御朱印って何なの?」という方も、ぜひご覧ください。
江戸を代表する3つの神社の総称として「江戸三森」という言葉があります。「森」という字が入った名前の神社を指し、柳森神社(秋葉原)と烏森神社(新橋)、そして椙森神社(人形町)の3社を表します。
というわけで、東京メトロ日比谷線・都営浅草線の人形町駅へ来ました。このあたりは会社員が多く行き交うオフィス街で、お昼時にはランチを求める人たちでにぎわいます。
そんなランチ激戦区でもある人形町ですが、今回訪問するのはフレンチの「シェ大竹」さん。なんでも、1000円で絶品ステーキを食べられるとか……人形町というと「玉ひで」の親子丼や、「今半」のすき焼きなんかが思い浮かびますが、今日はステーキです!
メニューはこれだけ、潔すぎる1000円ステーキランチ
「シェ大竹」は本格フレンチのお店。夜はアラカルトでいろいろといただけるお店なのですが、ランチは1000円ポッキリの「若姫牛サーロインステーキ」(ライスとサラダ付)のみという潔さ。
さらに、このランチはなんと20食限定……!早いときには12時半に終わってしまうこともあるとか。13時以降は電話での予約も受け付けているそうです(12~13時の予約は受け付けていません)。
ランチは1種類のみなので、オーダーを聞かれることなく席に通され、そのまま調理が始まります。
お店はカウンター席を含め20席。カウンターはシェフの大竹さんが目の前でお肉を焼いてくれるので、「これからお肉を食べる」というワクワク感が高まります!
シェフの手によって焼き上げられていくお肉を見られるのは嬉しいものでした。見つめすぎてしまったかもしれない。
まぶしすぎるお肉がやってきた
席について5分くらいでしょうか。
これが1000円ランチのステーキだ!!!
に、肉汁がまぶしい……!お肉は鮮度にこだわっていて、冷凍したものは使っていないのだそうです。
そのステーキランチは全貌さえも潔いのです(褒めてる)。お皿にはステーキのみがドーンと鎮座。別添のサラダとライスのほかは付け合せなどありません。これは「ステーキの満足度がいかに高いか」を物語っているのでは……そう思うのですよ。
シェフの大竹さんは22歳に渡仏。約6年間、フランス料理を学び、レストラン「Le Saint-James(ル サン・ジェームス)」(ボルドー)で魚料理のセクションシェフを務めます。28歳に日本に帰国、広尾の有名店「フレンチレストランひらまつ」の副料理長を務めます。
そんなすごいシェフの料理がこんなにも気軽に味わえちゃって本当にいいんですか???
……いいんですよね、ありがたくいただきます!
赤みの残る絶妙な焼き加減のしっかりとした、それでいて柔らかいステーキです。
シンプルだけど肉の美味しさを引き立てる味付けで、「今まさにお肉を食べている!」という満足感があります。ステーキって、ただお肉を焼くだけなのに焼き加減ひとつでガラッと変わりますよね。プロすごい。
この1000円の使い方、大正解です。
セットになったサラダはビネガーとオリーブオイルの味を感じる、これまたシンプルな味付け。ライスがおかわり自由なのも嬉しいところ!
人形町イチ有意義な1000円の使い方と言ってもいいかもしれません。つくづく、1000円でフレンチの絶品ステーキランチが食べられるっていいなあ……。
ステーキランチは平日のみ。周辺にお勤めのみなさま、ぜひ味わってみてください。夜も美味しいということなので、また別の機会に夜も訪問してみたいと思います。
すごい金運が上がりそうな「椙森神社」
さて、ランチを堪能したところで第二の目的地、椙森神社へ。
人形町駅と小伝馬町駅の中間あたりに位置する椙森神社は、平安時代に平将門の乱を鎮定するために田原藤太秀郷(のちの藤原秀郷)が戦勝祈願をした神社だといわれています(ご由緒より)。
江戸時代には江戸城下の三森(烏森神社・柳森神社・椙森神社)の一つに数えられ、江戸庶民や諸大名の信仰を集めたとのこと。
椙森神社は、富興行が行われていた歴史から「宝くじ」の聖地にもなっています。富興行とは「富くじ(富籤)」という、いわば宝くじのルーツのようなものを催すこと。寺社が建物の修繕費用などをまかなうのにも役立っていたそうです。祭神のなかには恵比寿大神も!たしかにお参りしたら縁起がよさそう。
境内には、富興行をしのんで建てられたという富塚もありますし、宝くじを保管する用のケース(上の写真を参照)まで頒布しています。
富塚には多くの人たちが心中祈願に来るそうです。この富塚は日本で唯一のものだそう。ご利益ありそう~~~。
というわけで、今回も御朱印を頂きました! 椙森神社のもの、そして日本橋七福神(恵比寿神)のものです。
すてきだったので御朱印帳(1500円)も頂きました。黄色は金運上がりそうだし、でも黒もかっこよくて捨てがたい……とうんうん悩んで結局黒に。
神職の方に聞いてみたところ、御朱印帳の黄色と黒の人気は拮抗しているそうです。
オフィス街の真ん中にあり、昼休憩ぐらいの時間だったので神社で休んでいく方、参拝される方、と絶えず参拝客が訪れていました。開かれた雰囲気でいいなあ……。都会の神社の好きなところは、その「距離感の近さ」だったりします。なむなむ!
シェ大竹・御朱印風
それでは今回も御朱印風に食べたメニューを描いてみます。
人形町の絶品ステーキランチを食べて、椙森神社を参拝して宝くじが当たるようにゲン担ぎ。粋ではありませんか!次はどんな街へ行こうかしら。
紹介したお店
店名:シェ大竹
住所:東京都中央区日本橋人形町1-5-8 2階
電話:080-5464-1099
定休日:無休(土日ランチ休み)
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O. 14:00)、ディナー 18:00~23:00(L.O. 22:00)URL:http://www.chez-otake.com/
紹介した神社
社名:椙森神社(すぎのもりじんじゃ)
住所:東京都中央区日本橋堀留町1-10-2
URL:http://www.geocities.co.jp/suginomori2/
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
椙森神社(青)とシェ大竹(緑)の位置関係はこんな感じです!
前回までの記事はコチラ
著者プロフィール
ちぷたそ
オタク気味のサブカルフリーライター。最近は御朱印や神社仏閣に夢中。大人げない大人を目指して日夜くだらないことを考えています。「ねとらぼ」や「デイリーポータルZ」など、様々なWEB媒体で記事執筆中。
Twitter:@chip_potekko
ブログ:http://chiptaso.hatenablog.com/